従業員が発達障害と診断されたが解雇できる?
日本橋人形町で奮闘する
社会保険労務士の庄司英尚です。
お付き合いしている会社から同じような質問が頻繁にありますので
ぜひとも基本的な事項になりますので押さえておいてください。
質問
先日、自己都合で退職する従業員から、今回離職票の退職理由を会社都合にして
ほしいといわれたのですが、どのように対応したらよろしいですか?
回答
■ポイント
会社は不正受給に加担したら連帯して責任を負う。
助成金の受給ができなくなるという不利益を被る。
失業給付の不正受給に会社が加担する可能性がありますので、絶対に応じない
ようにして下さい。
従業員が退職する際、離職票の退職理由を会社都合にしてほしいと頼まれるケース
が多くなっています。この理由の1つは、退職者が「失業給付」を受ける際に、会社
都合だと自己都合よりも失業給付を早く受給でき、場合によっては給付額も多くなる
からです。
しかしながら、退職理由を変えてしまう申し出は当然ながら不当な申し出です。
事実と異なる離職理由を記載して失業給付を受給することは不正行為となり、本人
だけでなく、偽りの事実を証明した事業主も処分の対象になってしまいます。
不正受給が発覚すれば、不正に受給した失業給付は全額返還することになるだけでなく、
悪質な行為であれば受給した額の最大2倍相当額の納付を命ぜられます。つまり、合計
で受給額の3倍返しになってしまいます。
また、会社も不正受給に加担したとされ受給者本人と連帯して責任を負わされる場合
があります。さらに、退職理由を会社都合にしたことにより、会社は雇用の促進を阻
害したとみなされ、助成金の申請が6ヵ月にわたって出来なくなったり、申請中の助
成金が受給できなくなったりしてしまう場合もあります。
このように、会社だけでなく本人にもリスクがあることですので、たかが退職理由
と安易に考えず、ありのままの事実を正確に記載して手続きを行なうことが大切だと
思います。
関係者が通報したり内部告発されたりすることも多いのが現状ですし、刑法上の詐欺罪
等に問われたりしたら、大変なことになりますし、企業が正しい手続きをしなかった
責任(虚偽記載)は大きいということを理解すべきといえます。
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社会保険労務士 庄司英尚