育児休業期間がある方の賞与査定は、どうする?
ある女性従業員が出産後、2週間ほどして会社に挨拶にきて、「プロジェクトのことが気になるので再来週から勤務し始めます」と人事部長に報告し、元気よく帰っていったのですが、本人が働きたいなら働かせていいですか?という質問がありました。
現場の上司は、「体調面や法的な面のことを考えると会社としてまずいのではないかと思っているのですがいかがでしょうか?」とのことで、少し疑問をもっているようでした。
実は労働基準法で、産後については原則として8週間は就業させてはいけないと法的に定められていますので本人の希望だといっても勤務させることはできません。
当たり前のことと思っている人も多いかもしれませんが、そうではない人もいるので今回は丁寧にまとめておきたいと思います。
■参考
労働基準法65条 (産前産後)
1. 使用者は6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内出産する予定の女性が休業を請求した場合、その者を就業させてならない
2. 産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。
3. 産後6週間を経過した女性が請求した場合、医師が支障の無いと認めた業務に就かせることは差し支えない
4. 妊娠中の女性が請求した場合、他の軽易な業務に転換させなければならない
すなわち産後の休暇は労働者の請求があろうとなかろうと、法律上原則8週間は就業させてはならないことになっています。これは、母体を保護するための決まりですので本人がいいと言っているからとかではなく、会社に責任があるのできちんと管理して、本人に納得してもらい休んでもらうように工夫して説明してください。
なお産前・産後の休暇期間とも、ノーワークノーペイの原則で会社に給料を支払う義務はありませんが、最近は、休暇期間中も給料を支払うように就業規則に定めている会社も増えてきています。
給与が出ないときには、従業員は健康保険から出産手当金がもらうことができます。
このような出産手当金のような制度も知らなければ損するだけで、あくまで請求主義です。税金(還付とかありますが)と違い社会保険は、保険ですのでいろいろな種類の給付があるという大きな特徴があります。
それでは次回のコラムも楽しみにしていてください。