【保存版】「手のしびれ・痛み」諦めないで!原因は神経の“酸欠”かも?自宅でできる3つの神経リセット術『基礎編』

こんにちは、GENRYUです(^^)
前回の第1章に引き続き、今回の第2章はセルフケアを解説していきます。
はじめに:そのストレッチ、神経を傷つけていませんか?
第1部では、手の痛みや握力低下の多くが、筋肉の問題ではなく
**「神経の虚血(酸欠)」**や**「ダブルクラッシュ症候群(多重圧迫)」**
によって引き起こされることを解説しました。
「原因が神経にあるなら、神経をストレッチすればいいのか!」
そう思われた方は、半分正解で、半分は危険な誤解をしています。
筋肉は伸ばすことで柔軟性が増しますが、**虚血状態にある過敏な神経を
グイグイと強く引っ張る(ストレッチする)ことは、
逆に症状を悪化させる最大のリスク**となります。
必要なのは「ストレッチ(伸張)」ではなく、**「モビライゼーション(滑走)」**です。
第2部では、神経科学と運動学の観点から最適化された、
3つの主要神経(正中・尺骨・橈骨)に対する**
「神経系モビライゼーション(Neurodynamic Mobilization)」**の
具体的実践法を徹底解説します。
第1章:神経系モビライゼーションの医学的メカニズム
実践に入る前に、このエクササイズが体の中で何を起こしているのか、
その生理学的メカニズムを理解しておいてください。
これが「ただの体操」と「治療的エクササイズ」を分ける境界線です。
1. 「スライダー(滑走)」と「テンショナー(伸張)」の違い
神経力学(Neurodynamics)において、神経へのアプローチは
大きく2つに分類されます。
①テンショナー(Tensioner)
神経の両端(首と指先)を同時に引っ張り、神経実質に張力をかける方法。
②スライダー(Slider / Flossing)
片方を引っ張るときに片方を緩めることで、神経に張力をかけずに、
周囲の組織(筋肉や筋膜)の中を**「滑らせる」**方法。
手根管症候群や慢性的な痛みがある場合、神経は「メカノセンシティビティ
(機械的刺激への過敏性)」が高まっています。
この状態でテンショナーを行うと、痛みが増幅します。
今回行うのは**「スライダー」**です。
神経をデンタルフロスのように組織の中で行ったり来たりさせることで、
以下の効果を狙います。
2. 神経内浮腫の「ポンピング作用」
神経を滑走させ、適度な圧変化を与えることで、神経内部に溜まった
静脈血や浮腫(むくみ)を物理的に押し流します(ミルキングアクション)。
これにより、新鮮な動脈血が流入し、神経の「酸欠状態」が解消されます。
3. 軸索輸送(Axonal Transport)の正常化
第1部で解説した「軸索輸送(栄養因子の運搬)」は、
神経が物理的に動くことで促進されることがわかっています。
滑走性を高めることは、神経細胞のライフラインを復旧させることと同義です。
第2章:実践前の「3つの絶対ルール」
このエクササイズは薬と同じです。
用法用量を守れば特効薬になりますが、間違えれば毒になります。
以下のルールを必ず守ってください。
ルール1: 強度は「10段階中3」まで
これが最も重要です。
「痛気持ちいい」まで伸ばしてはいけません。
**「あ、なんとなく神経が突っ張るな」「指先が少しビリビリするかな?」と
感じた瞬間が限界**です。
これ以上強く行うと、神経は防御反応を起こし、逆に血流が低下します。
ルール2: 「ON/OFF」を繰り返す
ポーズをキープしてはいけません。
「緊張させる(ON)→緩める(OFF)」をリズミカルに繰り返します。
この動きこそが、神経を滑走させるポンプの役割を果たします。
ルール 3: 回数は「各5回」で十分
神経は非常に疲れやすい組織です。
筋肉のように何十回もやる必要はありません。
1セット5回程度で十分な効果があります。
やりすぎは禁物です。
第3章:【実践】正中神経モビライゼーション (Median Nerve Glide)
~手根管症候群・親指のしびれ・つまむ力の低下に~
正中神経は、上肢の中で最も障害されやすい神経です。
デスクワークでの手首の圧迫、巻き肩による胸郭出口での圧迫など、
現代人はこの神経に多大なストレスをかけています。
解剖学的ターゲット
* 頚椎神経根 (C5-T1)
* 胸小筋下間隙
* 円回内筋(肘の前面)
* 手根管(手首)
準備(基本姿勢)
1. **直立姿勢:** 背筋を伸ばして立ちます。
2. **肩甲骨のセッティング:** 肩甲骨を**「下制(下げる)」**します。
これは全エクササイズ共通の最重要ポイントです。
肩が上がると神経の走行が変わってしまいます。
実践手順
1. **上肢の展開:**
* 肘を完全に伸ばします。
* 腕を体の横に少し開きます(外転 約10〜20度)。
2. **手首と指の操作:**
* 手のひらを天井に向け、さらに外側へ向けます(肩関節外旋)。
* 手首と指を、手の甲側へ反らします(手首・手指の伸展)。
* この時点で、腕の前側〜親指・中指にかけて「突っ張り感」が出る人が多いはずです。
3. **スライディング(ON/OFF動作):**
* ON:その姿勢のまま、首をゆっくりと**「反対側(腕と逆側)」**へ倒します。
神経が引っ張られ、テンションレベルが「3」になったらストップ。
* OFF:首を元の位置に戻し、同時に**「肘を少し曲げ」**てテンションを抜きます。
4. これをゆっくりと5回繰り返します。
実践のコツ
* 症状が強い場合:
手首を反らす角度を緩めるか、腕を挙げる角度を下げて調整してください。
* ポイント:
「ウェイターがトレイを持っている手」を横に広げたような形、
とイメージするとわかりやすいと思います。
第4章:【実践】尺骨神経モビライゼーション (Ulnar Nerve Glide)
~小指のしびれ・握力低下・肘部管症候群に~
「ファニーボーン(肘をぶつけてジーンとする場所)」を通るのがこの神経です。
握力(特にグリップの固定力)に直結するため、スポーツ選手や
肉体労働の方にとって極めて重要です。
解剖学的ターゲット
* 頚椎神経根 (C8-T1)
* 肘部管(上腕骨内側上顆の後方)
* ギヨン管(手首の小指側)
準備
1. 直立姿勢:背筋を伸ばし、肩甲骨を下げます。
実践手順
1. **上肢の展開:**
* 腕を肩の高さまで横に開きます(外転90度)。手のひらは天井を向けます。
2. **「マスク/眼鏡」のポーズ:**
* 肘を最大限に深く曲げます。:これが尺骨神経に最もテンションがかかる肢位です。
* 手首を反らし(背屈)、親指と人差し指で輪っかを作ります(OKサイン)。
* その輪っかを、自分の目に当てて「眼鏡」にするか、
口元に当てて「マスク」にするように近づけます。
* この時、小指側が強く引っ張られる感覚があります。
3. **スライディング(ON/OFF動作):**
* ON:肘を深く曲げたまま、肩をさらに外側へ捻り(外旋)、
首を「反対側」へ倒します。小指側にビリビリ感が来たらストップ(レベル3)。
* OFF:首を戻し、手首の反りを戻してリラックスします。
4. これを5回繰り返します。
実践のコツ
* 別法:「手首の屈伸」や「肘の曲げ伸ばし」でON/OFFを行っても効果的です。
尺骨神経は肘の内側で骨の出っ張りを乗り越える動きをするため、
肘の動きを入れると滑走性が高まります。
第5章:【実践】橈骨神経モビライゼーション (Radial Nerve Glide)
~手の甲の違和感・指が開かない・テニス肘に~
解剖学的に、正中神経・尺骨神経とは逆の走行(腕の後ろ側)を通ります。
現代人は「握る(屈筋)」ばかりを使い、「開く(伸筋)」を支配する
橈骨神経が機能不全に陥っているケースが非常に多いです。
解剖学的ターゲット
* 頚椎神経根 (C5-T1)
* 橈骨神経溝(上腕骨の後面)
* 回外筋(前腕の外側)
準備
1. **直立姿勢:** 背筋を伸ばし、肩甲骨を下げます。
実践手順
1. **上肢の展開:**
* 腕を体の横に下ろします。肘は伸ばします。
2. **「チップをねだるウェイター」のポーズ:**
* 親指を手のひらの中に折り込み、他の4指で握り込みます(母指内転握り)。
* 手首を手のひら側へ深く曲げます(掌屈)。
* 腕全体を**「内側」**に捻ります(肩関節内旋)。
* その状態のまま、腕を体の**「後ろ」**へ引いていきます(伸展)&
少し外へ開きます(外転)。
* まるで、背中の後ろでこっそりチップを受け取ろうとしているようなポーズです。
* 前腕の外側〜手の甲にかけて、強い張りを感じるはずです。
3. **スライディング(ON/OFF動作):**
* ON:ポーズをキープしたまま、首を**「反対側」**へ倒します。
* OFF:首を戻し、腕の捻りを戻してリラックスします。
4. これを5回繰り返します。
実践のコツ
* テニス肘の方へ:この動作で肘の外側に痛みが出る場合は、
橈骨神経の枝(後骨間神経)が筋肉に挟まれている可能性があります。
強さを「レベル2」程度まで落として、優しく行ってください。
第6章:プログラムへの統合と「再評価」
これらのエクササイズは、単発で終わらせてはいけません。
第1部で行った「評価」とセットにすることで、初めて意味を持ちます。
1. Pre-Test(実施前の確認)
まず、第1部の方法で「今の痛み」「感覚の左右差」「握力の弱さ」を確認します。
2. Intervention(エクササイズ実施)
自分の症状に合った神経(または3つ全て)のモビライゼーションを、
各5回行います。所要時間は1分もかかりません。
3. Post-Test(実施後の再評価)
終わった直後に、もう一度同じ検査をします。
* 「あれ?さっきより指の感覚がクリアになった」
* 「握力が入りやすくなった」
* 「手首の痛みが少し減った」
このような変化があれば、あなたの脳と神経は正しく反応しています。
これを**「1日3回〜5回」**、デスクワークの合間や
入浴後などに行う習慣をつけてください。
まとめ:神経は「学習」する
神経系には「可塑性(Plasticity)」があります。
今は痛みやしびれで誤作動を起こしている神経回路も、
適切な酸素供給と滑走刺激を繰り返し与えることで、
正常な機能を「再学習」させることができます。
手術や薬に頼る前に、まずは自分の体に備わっている「治る力」を、
正しい知識と動きで引き出してみてください。
この「神経系モビライゼーション」により、あなたの症状が
少しでも緩和されれば幸いです(๑•̀ㅂ•́)و✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)
**(免責事項)**
本記事の内容は情報提供を目的としており、
医師の診断や治療に代わるものではありません。
エクササイズ中に強い痛みやしびれの増強を感じた場合は直ちに中止し、
専門医にご相談ください。



