結帯動作がしにく方、必見。その時は、ここをほぐして。
こんにちはGENRYUです(^^)
前回のブログで「肩の夜間痛がなぜ起こるのか」を深堀り解説しました。
「腱板損傷」「凍結肩」「肩峰下滑液包炎」「巻き肩による神経圧迫」
それぞれの原因とメカニズムを医学的に紐解いてみました。
今回はその夜間痛を自分で和らげるための「セルフエクササイズ」を提案します!
医学論文や研究に基づいた、簡単で安全な方法を厳選しました。
肩が疼いて眠れない夜を減らして、朝スッキリ起きられるように、一緒に取り組んでみましょう。
では、さっそく4つの原因ごとにエクササイズを紹介していきます!
なぜセルフエクササイズが効くの?
エクササイズが肩の夜間痛に効く理由は、大きく3つあります。
①血流を改善する
動きを加えることで肩周辺の血流がアップ。
溜まった炎症物質(乳酸やサイトカイン)が流れやすくなり、疼きに効果的です。
②筋肉と関節を整える
弱った筋肉を強化したり、硬くなった関節をほぐすことで、圧迫やストレスが軽減します。
③神経の過敏性を抑える
適度な運動が脳の痛み信号を調整し、中枢感作を和らげる効果が期待できます。
研究でも、肩特有のエクササイズが慢性肩痛を軽減することがわかっています。
例えば、Journal of Shoulder and Elbow Surgery(2011)では、
運動療法が炎症や筋力不足を改善すると報告されています。
では、具体的にどんなエクササイズをすればいいのか、原因ごとに解説していきますね!
1. 腱板損傷:傷ついた腱を優しく強化するエクササイズ
「メカニズムをおさらい」
腱板(棘上筋とか4つの筋肉)が傷つくと、夜に圧迫されて疼きが強まる。
血流低下で炎症物質が溜まりやすくなります。
おすすめエクササイズ
①アイソメトリック肩外旋(等尺性外旋運動)
「やり方」
立って、痛む側の腕を肘で90度に曲げる。
手の甲を壁に軽く押し付ける(力は10~20%程度でOK)。
5秒キープして、力を抜く。これを10回繰り返す。1日2セットが目安。
「効果」
腱板の筋力を強化しつつ、動かさないから腱への負担が少ない。
夜の圧迫に耐えられる土台を作ります。
「根拠」
American Journal of Sports Medicine(2009)で、等尺性運動が腱板の血流を増やし、
痛みを軽減することが実証済み。
②ペンドラム(振り子運動)
「やり方」
テーブルに痛まない側の腕をついて、少し前屈みになる。
痛む側の腕をダランと下げ、小さく円を描くように10回揺らす(時計回り&反時計回り)。
1日2~3セット。
「効果」
肩関節の血流を促し、硬さをほぐす。圧迫による疼きを和らげるよ。
「根拠」
Physical Therapy(2016)で、振り子運動が腱板損傷の初期リハビリに有効と報告。
「注意点」
痛みが強くなる場合は無理せずストップしてください。
軽い筋肉痛はOKですが、翌朝悪化するなら回数を減らしてくださいね。
2. 凍結肩:硬い関節包をじんわりほぐすエクササイズ
「メカニズムをおさらい」
関節包が硬くなり、炎症と血流低下で夜に疼く。中枢感作も絡んで、安静時でも痛みが続きます。
おすすめエクササイズ
①壁登りストレッチ(フィンガーウォーク)
「やり方」
壁に立って、痛む側の指先を壁に置く(肩の高さくらいから)。
指で少しずつ壁を登るように手を上げ、気持ちいい伸びを感じたら10秒キープ。
ゆっくり下ろして、5回繰り返す。1日2セット。
「効果」
関節包を徐々に伸ばし、可動域を広げる。血流も良くなって疼きが減ってきます。
「根拠」
Journal of Orthopaedic Research(2013)で、
段階的なストレッチが凍結肩の可動域と痛みを改善すると確認。
②タオルストレッチ(背中での内旋)
「やり方」
必要なもの
フェイスタオル(長さ50~70cm、肩幅くらいが扱いやすい)
「準備とタオルの持ち方」
立って背筋を軽く伸ばすか、座ってリラックスした姿勢でスタート。
タオルを両手で持ちます。
たとえば、右肩が痛む場合:
左手(痛まない側): タオルの上端をしっかり握る。手のひらが下を向いて、
指でタオルを巻き込むように。
右手(痛む側): タオルの下端を軽く握る。手のひらが上を向いて、力を入れすぎない。
「スタートポジション」
左手を頭の上にまっすぐ伸ばす。タオルを頭のてっぺんを越えて、耳の横くらいまで上げる。
右手を自然に下げて、タオルを背中に垂らす。右手は背中の下
(腰の少し上、背骨の右側くらい)に来る。
タオルは頭の上から背中へ斜めに伸びて、背中でゆるやかなラインを描く。
「ストレッチ開始」
左手でタオルを頭の上からさらに20cmくらい上に引っ張り上げる。
左腕はほぼ垂直で、タオルがピンと伸びる。
右手がタオルに引っ張られて、背中で5~10cm上がる。最初は腰の位置だったのが、
背中の真ん中(肩甲骨の下あたり)まで来る。
タオルは背中で「斜めの直線」に近づき、ピンと張る。
右肩が「気持ちいい伸び」を感じるくらいでストップ。
「キープと戻す」
その位置で10秒キープ。深呼吸して肩をリラックスさせながら、
右肩の伸びを感じてくださいね。
ゆっくり左手を元の位置(頭の上)に戻し、右手も背中の下に自然に下げる。
これを5回繰り返して、1日2セットが目安です。
「効果」
硬くなった関節包を内側からほぐし、夜間の圧迫感を軽減。
「根拠」
BMC Musculoskeletal Disorders(2023)で、
タオルストレッチが凍結肩の痛みと機能改善に有効と報告。
「注意点」
無理に伸ばすと逆効果。心地よい範囲でやってくださいね。痛みが強まるなら医師に相談を。
3. 肩峰下滑液包炎:腫れた滑液包を優しく動かすエクササイズ
「メカニズムをおさらい」
滑液包が腫れて、夜に圧迫されると疼きが強まる。炎症物質が溜まるのも原因です。
おすすめエクササイズ
①肩甲骨スクイーズ(肩甲骨寄せ)
「やり方」
立って両腕を自然に下ろす。
肩甲骨を背中の中心に寄せるように意識して5秒キープ。
10回繰り返し、1日2セット。
「効果」
肩甲骨の動きを整え、滑液包への圧迫を減らす。血流も促して炎症が落ち着いてきます。
「根拠」
Journal of Electromyography and Kinesiology(2018)で、
肩甲骨運動が滑液包炎の痛み軽減に寄与と確認。
②アームサークル(腕の円運動)
「やり方」
立って両腕を肩の高さに横に広げる。
小さな円を10回描く(前回り&後回り)。
1日2~3セット。
「効果」
肩関節を軽く動かし、滑液包周辺の血流を改善。圧迫による疼きを和らげる。
「根拠」
American Journal of Sports Medicine(2006)で、軽い運動が滑液包炎の回復を助けると報告。
「注意点」
腕を上げすぎると痛みが悪化する場合がありますので、痛みのない範囲で動かしてください。
4. 巻き肩による神経圧迫:姿勢を整えて神経を解放するエクササイズ
「メカニズムをおさらい」
巻き肩で肩甲骨が外旋し、神経(腋窩神経など)が圧迫。夜の虚血で疼きが強まります。
おすすめエクササイズ
①胸開きストレッチ(ペクトラルストレッチ)
「目的」
巻き肩で縮こまった胸筋(大胸筋)を伸ばし、肩甲骨を正しい位置に戻して
神経圧迫(特に腋窩神経)を軽減。夜の疼きを和らげます。
必要なもの
ドア枠や壁(安定した支えがあればOK)
「準備とスタートポジション」
立って背筋を軽く伸ばす。ドア枠の前に立ちます(幅は肩幅くらい)。
両腕を肩の高さで曲げて、肘を90度に。
両手のひらをドア枠の内側に軽く置く。指は上を向いて、手の甲が外側にくる感じ。
「ストレッチ開始」
体をゆっくりドアの内側(部屋の中)へ1~2歩進む。
腕はドア枠に固定したまま、胸が開くように前傾姿勢になる。
肩甲骨が背中で寄る感じや、胸の筋肉が「伸び」を感じるまで進む。
「キープ」
その位置で10秒キープ。深呼吸して、胸をさらに開く意識をする。
肩がリラックスして、肩甲骨が背中の中心に寄ってる感じを確認。
「戻すと繰り返し 」
ゆっくり体を元の位置(ドア枠の外)に戻す。
5回繰り返して、1日2セットが目安です。
「効果」
胸筋を伸ばして肩甲骨を正しい位置に戻し、神経圧迫を軽減。
「根拠」
Physical Therapy(2016)で、胸筋ストレッチが巻き肩の矯正と痛み軽減に有効と確認。
肩甲骨リトラクション(肩甲骨引き込み)
「やり方」
座って背筋を伸ばし、両腕を軽く前に出す。
肩甲骨を寄せるように腕を後ろに引いて5秒キープ。
10回繰り返し、1日2セット。
「効果」
肩甲骨の動きを改善し、神経へのストレスを減らす。血流も良くなります。
「根拠」
Clinical Orthopaedics and Related Research(2015)で、
肩甲骨運動が神経圧迫の痛みを緩和と報告。
「注意点」
猫背にならないよう意識してくださいね。痛みが腕に広がるなら回数を調整。
エクササイズを始める前のポイント
「痛みの目安」
研究(British Journal of Sports Medicine, 2016)によると、
エクササイズ中の痛みは「0~5(10段階)」が安全ゾーン。
5を超えるなら動きを小さくするか休んでください。
「頻度とタイミング」
1日2~3回、5~10分程度が理想。
寝る前だと血流が良くなり、夜間痛が減る可能性が!
「医師への相談」
2週間続けても疼きが減らない、悪化するなら整形外科で精査してください。
まとめ
肩の夜間痛を和らげるセルフエクササイズ、いかがだったでしょうか?
腱板損傷: アイソメトリック外旋とペンドラムで腱を強化。
凍結肩: 壁登りとタオルストレッチで関節包をほぐす。
滑液包炎: 肩甲骨スクイーズとアームサークルで圧迫を軽減。
巻き肩: 胸開きと肩甲骨リトラクションで神経を解放。
これらは医学的根拠に基づいた安全な方法です。
たとえば、Journal of Bone and Joint Surgery American(2004)でも、
エクササイズが腱板や滑液包の回復を助けると証明されています。
毎日少しずつ実践されてくださいね。
症状が続くなら無理せず専門家に相談してくださいね
それじゃ、また明日お会いしましょう(^^)
でください。