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安部元隆プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

「体幹を強くする」ためには、ハムストリングの柔軟性が必要なのをご存知でしょうか?

安部元隆

安部元隆

テーマ:筋トレ



こんにちは、GENRYUです(^^)

腰痛や姿勢が悪い原因は「体幹」が弱いから
このように聞いたことはありませんか?
でも「体幹」を鍛えようと筋トレを始めても中々「体幹が強くならない」...
こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?

そこで文献を調べていると、興味深い論文があったので
今回はその内容を共有したいと思います。
そこに関係している重要な筋肉は「ハムストリングス」です。
「ハムストリングス」はもも裏についている筋肉で、
「半腱様筋」「半膜様筋」「大腿二頭筋長頭」「大腿二頭筋短頭」という
4つの筋肉で構成されています。

このハムストリングは、坐骨結節に付着することで、体幹筋が作用するための
骨盤の位置を変えることができます。
ハムストリングが短くなると、骨盤が過度に後傾し、腰椎前弯が減少する可能性があります。
その結果、代償メカニズムの連鎖が発達し、体幹筋の筋出力が低下したり、
怪我をしやすくなったりします。
また、体幹の伸展筋の持久力が低下すると、ハムストリングスが股関節伸展に関与するため、
ハムストリングスに負担がかかる可能性があります。
たとえば、ハムストリングスの柔軟性が限られていると、ハムストリングスの
パフォーマンスが低下したり、体幹の非効率的な伸展によってハムストリングスに
過負荷がかかったりして、ハムストリングスが硬くなりやすくなったりする可能性があります。
症状は人それぞれ異なりますが、これらの知見は、臨床診療で観察結果を理解するのに役立つ可能性があります。
またハムストリングスの柔軟性が低下すると腰痛や姿勢の悪化、肉離れなどのリスクが
高まることが知られています。
これらを改善するのが、「ハムストリングスのストレッチ」です。
ストレッチはこれらの問題を予防・改善する有効な手段として広く推奨されています。

「ハムストリングスストレッチの効果」
1.柔軟性の向上と関節可動域の拡大
ハムストリングスの柔軟性が上がると、股関節や膝の動きがスムーズになり、
日常生活やスポーツでのパフォーマンス向上が期待できます。
医学的論文では、静的ストレッチ(SS: Static Stretching)が筋の柔軟性を高め、
関節可動域を改善することが報告されています(例: Boyce, 2008)。
2.腰痛の予防・緩和
ハムストリングスが硬くなると骨盤が後傾し、腰椎に負担がかかりやすくなります。
ストレッチで筋肉を緩めることで姿勢が改善され、腰痛リスクが軽減されます(石川ら, 2009)。
3.怪我の予防
スポーツ活動中、ハムストリングスは肉離れを起こしやすい部位です。
特に半膜様筋(SM)はダンサーやバレリーナで損傷リスクが高いとされ、ス
トレッチが予防に有効であることが示唆されています(日本理学療法士協会, JSPO報告)。
4.疲労回復の促進
筋肉の柔軟性が向上すると血流が改善し、疲労物質が排出されやすくなります。
これにより、筋肉の緊張が和らぎ、疲労回復が促されます。


「医学的論文に基づく効果的なストレッチ方法」
以下に、医学的根拠に基づいた具体的なストレッチ方法とポイントを紹介します。
1. 静的ストレッチ(Static Stretching)
方法①:仰向けでの片脚ストレッチ
仰向けに寝て片脚を天井方向に持ち上げ、膝を伸ばしたまま両手で太もも裏を軽く引っ張る。
反対側の脚は床に伸ばしたまま。30秒キープし、各脚2〜3セット。
方法②:立位前屈ストレッチ
立った状態で片脚のかかとを椅子に置き、膝を伸ばして上体を前に倒す。
背中を丸めず、股関節から動かす意識を持つ。30秒キープ。
<科学的根拠>
Boyce(2008)の研究では、15秒×5セットの静的ストレッチで十分な柔軟性向上が得られ、
それ以上の時間は効果が頭打ちになると報告されています。
また、4週間の静的ストレッチ介入で筋硬度(せん断弾性率)が減少し、
特に半膜様筋で効果が顕著だったとされています(JSPO, 2023)。
※ストレッチのポイント
痛みを感じない程度の「気持ちよい伸び」を意識することが大切です。
筋肉が痛むと逆に収縮してしまうため逆効果になってしまいます。
お風呂上がりなど筋肉が温まっているタイミングが効果的(中野ら, 2012)。

2. 動的ストレッチ(Dynamic Stretching)
方法①脚振り運動
立った状態で片脚を前後に大きく振る。膝を軽く曲げて自然な動きを保ち、10〜15回繰り返す。
<科学的根拠>
若松ら(2023)の研究では、動的ストレッチが柔軟性と筋機能を同時に改善し、
運動前のウォームアップに適しているとされています。
特に短時間の実施で筋の剛性を下げず、パフォーマンスを維持できる点が評価されています。
*ストレッチのポイント:
運動前に行うと筋肉を活性化しつつ柔軟性を高められる。

3. ジャックナイフストレッチ
方法
両足のかかとを地面につけ、膝を曲げ足首を握ります。
両手で足首を握ったまま膝を膝をのばしていきます。
胸と太ももを近づけるイメージで30秒キープ、2〜3セット。
<科学的根拠>
徳島大学の西良浩一教授が提唱する方法で、ハムストリングスを効果的に選択伸張できるとされています。臨床現場でも腰痛や膝痛の改善に役立つと評価されています。
*ストレッチのポイント:
背中を丸めないよう注意し、ゆっくり呼吸を続けてください。
<注意点と頻度>
注意点
無理に伸ばすと筋損傷や関節負担のリスクがあるため、腰痛や膝痛がある場合は
仰向けや座位など負荷の少ない姿勢を選んでください。
つま先の向きを変える(内側・外側)ことで、ハムストリングスの
内側・外側をバランスよく伸ばせます。
<ストレッチの頻度>
Rancour(2009)によると、週3回のストレッチで毎日行う場合と
同等の効果が得られるとされています。
ただし、習慣化を目指すなら毎日短時間でも実施するのが理想的といわれています。

ストレッチのまとめ
医学的論文に基づくと、静的ストレッチ(15〜30秒×数セット)が柔軟性向上や
怪我予防に最も効果的で、特に半膜様筋への影響が大きいことが分かっています。
動的ストレッチは運動前の準備に適しており、ジャックナイフストレッチは
日常的なケアに取り入れやすい方法です。
これらを組み合わせ、自分の体力や目的に合わせて実践することで、
ハムストリングスの健康を効果的に維持できます。

このように体幹を強くするためには、まず「体幹筋」にアプローチすることも大切ですが、
ハムストリングスが固まった状態では「体幹筋」への強化が難しい場合がありますので、
まず「ハムストリングス」からアプローチを開始することが大切だと感じます。
その結果、腰痛や姿勢の改善にもつながってきますので、
ぜひ「ハムストリングス」のストレッチを習慣化して頂ければと思います(๑•̀ㅁ•́๑)✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

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安部元隆
専門家

安部元隆(理学療法士)

GENRYU式 綜合整体

科学的根拠に基づいた知見と臨床経験から得られた知見を組合せ「根本原因を探し、戻りが少ない治療法」『GENRYUメソッド』を提供しています。問題点をキチンと細分化して捉え、1つ1つその問題を解決します。

安部元隆プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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