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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

大人数教育と少人数教育のメリットとデメリット

2015年12月11日 公開 / 2023年5月7日更新

テーマ:京都コムニタスとはどんな塾か?

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

京都コムニタスは少人数教育を重視します。モデルはオックスフォードのチュートリアルの方法です。
こちらのコラムをご参照ください。
私としては、少人数か大人数かの二者択一であるならば、もちろん少人数の方が良いと思いますし、多分、大半の人がそう考えるのではないかと思います。塾や予備校を探している人が、少人数か大人数かを考える時、「大人数のメリットはほとんどない」「少人数のメリットの方が多い」。漠然と言えば、これくらいの基準が一般的かと思います。しかし、もう少し深く考えてみる必要もあります。大人数のメリットとデメリット、少人数のメリットとデメリット、これらが詳しく考察されたことはほとんどないのでないかと思います。総合的な観点から見て、あるいは大人数との比較ではない観点から見た上で少人数の良さが導き出せれば、少人数教育の具体的な戦略が見えてくるはずです。

大学院教育における大人数と少人数の人数の分かれ目は、10名のようです。定員が10名以下の学校の先生は、その定員について、たいてい少人数と言います。10名以上の学校の先生は何も言いません。だから10名という人数は一つの基準になると言えます。私の印象でも、定員が10名でも、多めにに合格させて、そのまま入学し、15名以上の入学者が出た場合、その学校の先生はたいてい「今年は採りすぎた」と言っておられると思います。少人数教育の大学院を希望される方は、10名が一つの目安になるということです。その点から見ても、20名以上の定員を有している学校は、基本的にはそれを受け容れる体勢と準備ができているはずですから、受験者がそれをしっかり見ておくのは重要なことです。受け容れ姿勢や方針は、学校によって大きく異なりますので、それを見ることは、その学校の教育に対する哲学を読み取ることができます。

大人数のメリットは、たくさんの同期と先輩、後輩ができることです。臨床心理士指定大学院の場合、この話をメリットとして聞くのは鳴門教育大学です。社交的な人は、一定のアドバンテージがあるとおもいます。その意味で、人脈を重視する人は、間違いなく大人数の方が有利です。また大人数の場合、通常は教員数も多いですので、学科全体の人数は、大きな問題ではありません。先生と良い関係が結べていれば、良い大学院生活が過ごせることは間違いありません。また、様々な研究会や勉強会が生まれるので、学内で知見を広げやすいという声もよく聞きます。

しかし、違った見方をすれば、人脈や研究会、果ては就職に漏れる確率も高いということでもあります。また様々なグループができるのでそれを煩わしいと感じる人はかなりいます。勉強会に疲れてしまい、本業の研究ができずに修士を3回生になってしまったという話をよく聞く学校もあります。これをどう捉えるかは、受験者本人次第です。大人数のデメリットと言えるものは、案外少ないのですが、施設使用にはどうしてもデメリットが出ます。当塾の元塾生の中には、大学の研究室を利用したことがないという人もいました。研究室やPCなどの施設をフル活用できる人は意外に少なく、偏りが出てしまうようです。とはいえ、自分でPCを持ち込むなり、研究室外の施設で不足がある学校は今は少ないので、その点だけチェックしていれば解決する問題でもあります。

次に少人数のメリットとデメリットです。
最初に言いましたが、私は少人数が良いという結論を持っています。決して大人数を否定しているわけではありません。上記のように大人数にもメリットとデメリットがあります。少人数にも同様にメリット・デメリットがあります。塾の場合で言うならば、やはり少人数の方がメリットが多いと考えているということです。私がオックスフォードのチュートリアルからイメージしたのは、個別指導と個別対応の両面です。特に個別対応を重視します。特に不公平の少ない個別対応こそが、最も重視すべき点だと考えています。その意味で、少人数は何かと融通がききやすいことがメリットです。大人数だと、不公平が生じないようにすることは至難ですので、どうしても最初の制度設計が大切になってきますが、国を始めとして、組織の制度設計など、そう長続きはしません。そうすると「改革」が叫ばれ、求められるのですが、改革自体が目的化してしまうと、肝心の生徒が置き去りになり、目的がずれてしまい、教育ができなくなってしまいます。また、改革とやらは、組織が組織の都合の良いようにするのが世の常です。組織が大きくなればなるほど「個別対応ができない。故に」という理屈で「改革」をしようとします。組織が小さいと、最初から改革などする必要がない状態で、問題が生じたら個別に対応できるようにしておけば、信頼関係も損ねず、不公平も生じず、あるいは生じてもクリアしやすいのです。その意味で融通無碍は教育において非常に大切なことですし、私が目指すところでもあります。その意味で、少人数だと、教育が行き届きやすいということもメリットです。京都コムニタスにおいて、その時の生徒の誰がどのような状態であるかは、常に把握しています。とりわけ学力面、研究計画の進度、ブレ度合、迷いや不安、などなど、かなりの情報を得ています。それらを総合的に見てどのようなアドバイスを送るか、どのような戦術をとるかについて、話し合いながら決めていきます。これも少人数がなせる技です。とりわけ、私自身は、生徒の専門分野にかかわらず、全員の状態を把握しておく必要があるのですが、大人数だとそうはいかないでしょう。

少人数のデメリットとしては、やはり知り合う人が限られることでしょう。また当塾で言えば、絆ができるほど、つながりは深まるのですが、その分、仲間が先に合格すると、どうしても残された感が出てしまいますし、不安が強くなります。(そんなときはREBTの出番です)また人脈の面では、どうしても狭くなります。ただ、この問題は、次の進学した先で十分に解決できることだと考えます。以上の観点から、京都コムニタスでは少人数制を採用しています。



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