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コラム

生活保護費の不正受給問題について

生活保護費の不正受給が社会問題になっています。

不正受給をする人自身の問題もありますが
このような社会問題になる原因は
そもそもこの制度自体が
不正受給者を生み出すような仕組みになってるからなんですね。

この問題は、人の心理に目を向ければ
どうしてこのような問題が起こるのかが見えてきます。

不正受給をしようとする人は
基本的に罪の意識、罪悪感があまりありません。

殺人のような犯罪とは違い
罪の意識が非常に薄いのです。

何かはっきりとした、大きな犯罪でもしようと思えば
犯行に及ぶ前に、罪の意識との葛藤がありますし
そこで罪悪感も生まれます。

しかし生活保護費の不正受給というのは
ほとんど罪の意識もないんですね。
例え悪い事だとは感じてたとしても
もしかしたら悪い事をしてるんじゃないか?してるかもしれない・・・
というくらいの認識でしかないのです。

自分が犯罪を犯すだなんて意識がないものですから
受給の条件さえ揃えば、簡単に権利を取得出来ますし
出来るからやるだけの事で
それが悪いだとか不正だなんて(心理的な部分では)思ってないわけです。

殺人などの大きな罪とは違い
それを行う事による罪悪感がないんですね。

ですから本人は、何も悪気があってやってるわけではないですし
出来るからそうしてるだけの認識でしかありません。

そういう、人の持つ心理に対して
マナーやモラルに訴えかけようとしても無意味であり
自分が困窮してるのに、どうにか工夫してやりくりしようと試みるのは
人の自然な心理なんですね。
(だからといって、不正受給を正当化しようという意図はありません)

つまり、生活保護費の受給の条件が
不正受給者を生み出すような仕組みになってるからであり
不正受給という行為は、人が生きていくための
生活するための工夫の一環に過ぎないというわけです。
何も不正受給者が、人間的に不正なのでもなんでもありません。

そしたらこの問題はどうすればいいのかは明確で
制度自体を改めればいいんですね。
本当に必要な人だけが利用できるような制度に、改正すればいいのです。
不正受給者を取り締まり続けたところで、何も問題は解決しません。

不正という言葉を使うから
不正受給者を悪者のように扱ってしまうかもしれませんが
果たして自分が同じような立場ならどうでしょうか?

学校教育の現場でたびたび問題になっている
モンスターペアレントなんかの問題でも
結局はこれと同じ、人の心理が起こす現象です。

本人は、自分が問題を起こしてるだなんて思ってないのですから。
それをする事による、罪悪感もありません。

不正受給者を責めたり取り締まるのではなく
不正受給者を生み出すような、制度の仕組みそのものを
見直すべきではないでしょうか。



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心理カウンセリングのプロ

宮本章太郎(京都カウンセリングラウンジ)

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