マイベストプロ神戸

コラム

固定残業手当をやめるときにはコストアップは避けられない

2020年3月22日

テーマ:労務管理

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 労務管理

同一労組同一賃金対応で、お客様のところで手当の見直しを行っている際、
固定残業手当の継続の有無の話になりました。

いろいろと社長と人事担当者と話し合った結果、
「固定残業手当をやめて、通常の残業代にもどす」
という結論に至りました。

しかし、やめるにしてもその方向性によって、
次のような課題にぶつかることになります。

①固定残業手当代をそのまま減額すると、給与の支給額が減ることになる。
⇒労働条件の不利益変更になるため、労働者の同意が必要。

例えば、基本給25万、固手5万の場合、基本給25万のみにするというものです。
これは労働者にとっては納得いくものではないでしょう。
なかなか同意をとることは難しいものと思われます。

②固定残業手当代を含めた総支給額をそのまま維持する。

例えば、さきほどの例でいうと、30万円を新しい給与額とする、ということです。
確かに、今までと変化はないように思いますが、
残業が発生したら別途残業代も支給されるため、30万円プラス残業代となり、
企業にとってはコストアップとなります。

今回は②の方向で賃金制度を見直すことにしました。
コストアップは避けられないが、残業時間の上限規制も始まり、
全体的に残業も少なくなっているから、という理由からです。

固定残業手当は、安易に導入している企業も多いと感じています。
しかしながら、いざ辞めるときには考慮しなければならないこと、
コストアップにつながることもあるため、慎重な導入が必要でしょう。

この記事を書いたプロ

三谷文夫

労使ともに幸せになるための労務管理のプロ

三谷文夫(三谷社会保険労務士事務所)

Share

関連するコラム

三谷文夫プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
0795-58-8815

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

三谷文夫

三谷社会保険労務士事務所

担当三谷文夫(みたにふみお)

地図・アクセス

三谷文夫のソーシャルメディア

facebook
Facebook

三谷文夫プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神戸
  3. 兵庫の法律関連
  4. 兵庫の労働問題・就業
  5. 三谷文夫
  6. コラム一覧
  7. 固定残業手当をやめるときにはコストアップは避けられない

© My Best Pro