コラム
中小企業が防災減災対策に取り組むきっかけに。「事業継続力強化計画認定制度」がスタート。
2019年8月7日
中小企業強靭化法という法律が成立・施行されたことを知っていますか。
強靭化とはなかなか大層な名称ですが、
中小企業の災害対策を支援する制度などが盛り込まれています。
この法律で、「事業継続力強化計画認定制度」というものが創設されました。
これは、中小企業が行う防災減災の事前対策に関する計画を
経済産業省が認定する、という制度です。
企業の防災減災対策としては、BCPが有名ですが、
企業の実情に合わせたもう少し取り組みやすいものとして
この制度が作られたとのことです。
私は防災減災やBCPに関しては素人ですが、
確かに、事業継続ではなく「事業継続力」という文言からも
自助努力を前提に、それぞれの企業の能力やポジションに応じて
取り組んでくださいね、というメッセージが感じられます。
特に、文書作りではなく能力強化に重点を当てていることに
とても実効性を感じます。
能力というのは、防災設備やデータ、発電機などのハード面のみならず、
もちろん「人」も含まれます。
結局、何か起こったら、人(従業員)が動かないと何もできません。
訓練などを通じ、特に「初動対応」に特化した能力を高めることは、
今の時代、非常に重要です。
防災減災の事前対策だけに限りませんが、
自分の頭で考え、行動できる人材をいかに育成していくのか。
いわゆる自律型人材の育成は多くの中小企業の課題となっています。
今回、新しい制度ができました。
認定を受けると金融支援や税制優遇の措置等のインセンティブもあります。
ただ、中小企業の経営者が防災減災の事前対策に取り組む目的を
真剣に考えていただき、納得してもらう必要があると思っています。
その際には、現社長だけでなく次世代社長も一緒がいいでしょう。
南海トラフや首都直下型地震は、30年以内発生確立が70~80%です。
次世代がこの災害に直面する確率が高いからです。
単にインセンティブ目的での認定取得では意味ありません。
それに振り回される従業員のモチベーションを考える必要があるでしょう。
「なぜ防災減災の事前対策に取り組むのか」
ここをとことん考えて経営者自身が腹落ちしておく必要があります。
「事業継続力強化計画書の作成」
「その後の人材育成、能力強化」
地域の商工会・商工会議所等でも案内があると思いますが、
これらに興味のある中小企業からのお問合せ、
ご質問など弊所でも受け付けています。
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