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庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(しょうじひでたか) / 社会保険労務士

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

コラム

日・中社会保障協定  9月1日より

2019年7月2日 公開 / 2020年11月27日更新

テーマ:社会保険(健康保険・厚生年金)

コラムカテゴリ:ビジネス

日・中社会保障協定が9月1日より発効されるという報道が
ありましたのでご紹介します。その前に社会保障協定って
何のことでしょう?

 国際的な交流が活発化する中、企業から派遣されて海外で働くことや、
将来を海外で生活する方が年々増加しています。

海外で働く場合は、働いている国の社会保障制度に加入をする
必要があり、日本の社会保障制度との保険料と二重に負担しな
ければならない場合が生じています。


社会保障協定とは、各国の社会保障制度において、保険料の
二重負担や年金受給資格の問題を防止するために加入するべき
制度を二国間で調整し、年金加入期間の通算を行うための
二国間の協定のこと。たとえば代表的なところでは
アメリカ、ドイツ、イギリス、韓国などとは締結済みです。

日本や海外の年金を受けとるためには、一定の期間その国の
年金に加入しなければならない場合があるため、保険料の掛け捨て
になってしまうことがあり、これまでずっと問題となっていて、経営者や
外国人従業員からも何度もこのような相談を受ける機会がありましたので
私も少し意識しているようにしていますがなかなか難しいところです。

先日もリアルに相談が複数あって、その方の帰国予定の
相手国のこと調べました。

協定を結んでいる国かどうかにより違いがあり、また協定の内容も
各国により違いがあり複雑なのでわかりにくいところもありますが、日本
で働く外国人従業員にとってはものすごく関心が高い部分なのは確かです。

中小企業の経営者も今後外国人を雇用する機会もあるので最低限のこと
は押さえておかないと貴重な採用機会を逃すことになりかねません。

そんな中、このたび新たに中国と協定を発効することが決定したという
明るいニュースが、令和にふさわしいいい話です。

つい先日のこと 日・中社会保障協定の効力発生のための外交
上の公文の交換が、北京で行われ、これにより協定は,本年
9月1日に効力が生じることになりました。

この協定の規定により、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者は、
原則として、派遣元国の年金制度にのみ加入することとなるので企業、
駐在員等の負担が軽減されるのでいいこと、でもちょっと内容が・・・。


2019年7月時点における、社会保障協定の発効状況としては、日本は
22ヶ国と協定を署名済で、うち19ヶ国は発効しています。

「保険料の二重負担防止」「年金加入期間の通算」は、日本とこれらの
国の間のみで有効であるので注意が必要で、ベトナムとかタイとか
インドネシアとは締結していないようです。ベトナムなどはかなり交流もあり
話し合いも進みそうな感じですが現時点ではまだということ。

なお締結国の中でもイギリス、韓国、イタリア及び中国については、

「保険料の二重負担防止」

のみとなっていますので、それはちょっと物足りないです。

たとえば日本で18年くらい働いて、中国に帰って20年以上働くとしてもそれらが
通算できないとなると日本の年金は日本に請求、ちょっと面倒だし、窓口手続きも
分かれるとなると厄介なイメージです。

厚生労働省 日・中社会保障協定の発効について
https://www.mhlw.go.jp/stf/pressrelease_nenkink20190516.html

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