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コラム
配偶者手当は、今後どうなる? どうすればいい? 国家公務員も廃止へ
2016年8月31日 公開 / 2020年11月27日更新
厚生労働省は、「女性の活躍促進に向けた配偶者手当
の在り方に関する検討会」を設置して、そのあり方について
これまでずっと検討してきました。
配偶者手当は、高度経済成長期に日本的雇用慣行と相まって定着
してきた制度だが、女性の就業が進むなど社会の実情が大きく変化
している中、税制・社会保障制度とともに、年収を一定額以下に抑え
るために就労時間を調整するといった就業調整の要因となっています。
労働力人口が減少していくことが予想され、働く意欲のあるすべての人
がその能力を十分に発揮できる社会の形成が必要となっている中、
パートタイム労働で働く配偶者の就業調整につながる配偶者手当(配偶
者の収入要件がある配偶者手当)については、配偶者の働き方に中立的
な制度となるよう見直しを進めることを政府は求めています。
配偶者手当については、民間企業の中ではトヨタ自動車がすでに廃止を
決定していますが、このたび人事院も、国家公務員の配偶者手当を2017年度から段階
的に減額し、課長級は20年度に廃止するよう勧告しました。
削減分は、扶養する子を持つ職員への手当を拡充するようです。
公務員の配偶者手当は、年収130万円未満の配偶者を持つ職員のみ
を対象にしており、女性の就労意欲を結果的に妨げているといわれて
います。
今回、人事院がこのような発表をしたことについては、これまでかなりの時間
がかかったと思っている有識者が多いと思うが、安倍首相の1億総活躍社会
の実現の理念を考えれば自然の流れであり、いろいろな圧力があったことは
想像できます。
配偶者の収入要件がある「配偶者手当」については、
まずは自社の支給状況を細かく分析してみてはいかがでしょうか?
配偶者手当を見直した後の賃金制度の内容については、厚生労働省で
発表している企業事例も参考になりますが、
実際に賃金制度の見直しをする際には、専門家への
相談が欠かせないと思います。
配偶者手当を単純に廃止するのではなく、配偶者手当を廃止した分
を子どもへの手当を増額する分としてシフトするのが望ましいといえますが
いろいろな違った問題もあります。
個人ごとでみると家族構成によって給与支給合計額が減額になった人がいて
も全体の給与支給総額が以前より増えているのであれば一般的には不利益
変更には該当しないと考えられています。
配偶者手当を廃止するにあたっては、経過措置を設け、段階的に減額して
いくようにすれば、家計への影響も少ないはずですし、従業員へ一定の配慮
をしながられあれば実務的には進めやすいといえます。
このような人事院の勧告があったからといって配偶者手当を
廃止して安易に人件費総額を下げようとすることはできません。
丁寧な説明はいうまでもなく、そして就業規則の変更などきちんと
ステップを踏んでから、進めていかなければすぐにトラブルになって
しまいます。
たとえば仮に基本給20万円の人にとっての配偶者手当の2万円は、
そのウェイトが大きいので、総額は変わらない形で賃金制度を
変更していくほうがよろしいかと思います。
でもそうすると不公平になるので、全員にとすると
総額がアップしてしまい会社に負担がかかってしまいます。
配偶者手当の改革は、簡単ではないということを
よく理解しておき、さまざまな事例を研究するとともに
専門家を有効に活用するのがよいでしょう。
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