2010年度の派遣労働者数は、271万4447人で前年度10.1%減
改正労働者派遣法が9月11日に成立し、9月30日より施行され
ることが決定しましたが、本当に施行日まで時間がないということ
で世間を騒がせています。
労働者派遣法の改正案は、過去2度も国会に提出されながら
いずれも廃案となり、3度目の正直でした。呪われた法案については
いろいろ話題になりましたが、今回の3度目の国会提出でなんとか
成立しましたが、成立から施行日まで日数がわずか20日足らずしかなかったこと
もあり、詳細なルールや運用面の案内などの周知などは追いついていな
いこともあり問題になりそうです。
実際にパブリックコメントの受付は、3日間だけというとんでもない
状況に批判もあがっていますが、これは成立が遅れていることで
施行日の関係で仕方がなかったことです。
しかし、これでこれまで私も不安に思って記事を書いていた業界をゆるがす
トラブルは避けることになってよかったと思っています。
参考 改正派遣法の廃案で「直接雇用」を迫られる企業が続出?
http://jijico.mbp-japan.com/2015/03/17/articles16772.html
さて主な改正内容についてですが、人を入れ替えれば企業が派遣をずっと使うこと
ができる仕組みに変わったことが一番のポイントです。雇用が不安定になるのでは
ないかという意見も多く、派遣社員の中にも今後のことを心配している人が結構います。
これまでは、26業務といわれる専門的な業務は、制限がなかったのですが、
それ以外の業務については、受入期間は上限が3年に定められていました。
今回の改正でこの業務の区分がなくなり、同じ派遣先の事業所に対し、派遣
できる期間は、原則3年が限度となります。
ただし、派遣先が3年を超えて受け入れようとする場合は、派遣先の過半数
労働組合等からの意見聴取を行うことで、1回の意見聴取で3年まで延長でき
るようになりました。
私個人的にもほんとうにこの専門26業務の制度は今までザルになっていて、こんな制度
はダメに決まっているし、なぜ改正されないのかと思っていたのでこの点は納得できる
ところです。
一方で労働者を、派遣先の事業所における同じ組織単位(企業における「課」)に
派遣できる期間は、原則3年が限度となります。同じ人が同じ課で働くことがで
きるのは、3年が限度となりますが、派遣先の「課」を変えた場合は、3年を超えて同じ
人を派遣として受け入れることができるようになります。
今回の改正では、企業側が派遣を受け入れやすくなった部分もありますが、派遣会社
側に規制を厳しくした部分もあります。
まず全ての労働者派遣事業を許可制にするということとし、今まで特定労働者派遣事
業(届出制)と一般労働者派遣事業(許可制)の区別が廃止されることになりました。
これで悪質な業者を締め出すことができるわけですが、中小の派遣会社には厳しいことに
なりそうで業界で吸収合併や廃業する会社が少し増えるかもしれません。
資産要件も関係するので支店をたくさん出しているとそれだけ厳しくなるので大手でも
拠点については集約されることも考えられます。
また雇用の安定を図るための措置として、派遣元事業主は、期間制限の上限に達
する派遣労働者に対し、新たな就業機会(派遣先)の提供すること及び派遣労働者を
直接雇用するよう派遣先に依頼することを義務づけています。
しかしながら、派遣先に直接雇用の依頼に応じる義務はなく、実効性には疑問が
残るものとして有識者の意見としても反発があるようです。
今回の改正に対しては様々な反対意見があがっているので、現場での運用が
大変気になるところでありますが、客観的にみてやはり派遣労働の固定化が進む
のではないかというのが一般的な意見になるのかもしれません。
派遣許可の資産要件 緩和 中小零細の労働者派遣事業者の資産要件は?
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