仕事のミスが多いパート社員、クビにできる?
先日、ブログに書いた女子アナ内定取り消し訴訟は、
いろいろな意見がありますが、関連するサイトを見ている人は、
大変多く感じます。
さて、学生のアルバイトではなく、派遣社員や
一般の会社に勤務する女性が、仕事後
に副業としてキャバクラ勤務ををしたら、駄目なのか?
会社を解雇されてしまうのか?
会社は解雇できるのか?
大変気になると思います。
そもそも大前提では時間外に副業であれば
何をしようと本人の自由であります。
いまどき、キャバクラ勤務している人は、普通に
お昼に仕事をしながら働いている人がたくさんいますし
私自身も仕事を2つしているだけと柔軟に考えています。
しかしながら普通の企業では副業を禁止していて
就業規則に明記しているか、兼業する際には申し出て
承認された場合のみ可能としているケースが多いようです。
だからこそ就業規則に記載されているということが
とても重要で、あとでトラブルになったときには就業規則の
内容により左右されるということです。
だからといって、勤務時間外や休日に、アルバイトを
会社に内緒で1日だけやったからといっても
その事実だけをもっていきなりクビになることはありません。
解雇されるには相当の理由が必要で、毎日アルバイトで
深夜まで働いていて、体調を崩して勤怠が悪くなったり
本業に影響があったりする可能性がある場合です。
あとは、そのアルバイトをしていることが周囲にばれて
自分がしている仕事のイメージを損ねる、また会社の
信用が損なわれるようなときがあります。
たとえば銀行勤務の人が、キャバレーで働いていて
お客様に出会ってしまうような場合、銀行は一般的に
堅い職業であってそのような仕事をしているということは
銀行の信用に影響があり、会社で堅く副業禁止にしている
のにもかかわらずそのようなことが発覚したら、それは
問題となってしまいます。
副業兼業に関しては、小川建設事件という下記のとおりの
有名な判決があります。
ちょっと古いのですが、私は日常であればこのような判決を
判断基準にして、最適のアドバイスをするように努めますが
あくまで判決は判決というのが私の考えで状況によって
その都度考えなければならないのはいうまでもありません。
小川建設事件
【判例要旨】
一 労働者の就業時間外における兼業を使用者の許可にかからしめる就業規則の定めは合理性がある。
二 勤務時間外に、24時まで6時間の勤務を要するキャバレーの会計係等として雇用されたことを理由とする解雇が有効とされた事例。
ポイントは、
11か月にわたり1日6時間も働いていたこと
会社の就業規則で兼業禁止と書かれていたこと
キャバレーという仕事が会社の信用
会社への労務の誠実な提供に何らかの支障を来す蓋然性は高いこと
仮に事前に会社に申告したとしても承諾が得られるとは思えず、兼業状態
を不問に付して当然ということはできない
企業の経営秩序を害し、または企業の対外的信用、体面が傷つけられる場合
もあるという内容にあたること
通常であれな兼業禁止で懲戒解雇に相当するが普通解雇として扱ったこと
そもそも労働者がその自由なる時間を精神的肉体的疲労回復のため適度な
休養に用いることは次の労働日における誠実な労務提供のための基礎であり
軽作業といっても6時間も深夜に及ぶ業務を行っているのは問題があると判断されること
小川建設事件の判決理由は、こちらが参考になります。
債務者就業規則第三一条四項の規定は、前述のとおり従業員が二重就職をするについて当該兼業の職務内容が会社に対する本来の労務提供に支障を与えるものではないか等の判断を会社に委ねる趣旨をも含むものであるから、本件債権者の兼業の職務内容のいかんにかかわらず、債権者が債務者に対して兼業の具体的職務内容を告知してその承諾を求めることなく、無断で二重就職したことは、それ自体が企業秩序を阻害する行為であり、債務者に対する雇用契約上の信用関係を破壊する行為と評価されうるものである。
そして、本件債権者の兼業の職務内容は、債務者の就業時間とは重複してはいないものの、軽労働とはいえ毎日の勤務時間は六時間に亙りかつ深夜に及ぶものであって、単なる余暇利用のアルバイトの域を越えるものであり、したがって当該兼業が債務者への労務の誠実な提供に何らかの支障をきたす蓋然性が高いものとみるのが社会一般の通念であり、事前に債務者への申告があった場合には当然に債務者の承諾が得られるとは限らないものであったことからして、本件債権者の無断二重就職行為は不問に付して然るべきものとは認められない。
(中 略)
これらの事情を総合すれば、債務者が前記債権者の無断二重就職の就業規則違背行為をとらえて懲戒解雇とすべきところを通常解雇にした処置は企業秩序維持のためにやむをえないものであって妥当性を欠くものとはいいがたく、本件解雇当時債権者は既に前記キャバレー「A」への勤務を事実上やめていたとの事情を考慮しても、右解雇が権利濫用により無効であるとは認めることができない。
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