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読売新聞より
九州大(福岡市)は19日、2012年度一般入試後期日程のうち、理学部数学科で導入する予定だった「女性枠」(定員5人)を取りやめると発表した。数学の女性研究者を増やす狙いがあったが、「法の下の平等」に抵触する恐れがあるため、撤回することになった。
九大によると、全教員2324人のうち女性が245人いるのに対し、数学分野の教育や研究を行う数理学研究院では、教員46人のうち女性は1人にとどまっている。このため、数学科の入学者を増やそうと、後期日程の定員9人のうち5人を女性枠とした。
ところが、昨年3月に女性枠の導入について大学のホームページなどで公表した後、電話や電子メールで「公平ではない」などと批判が相次ぎ、弁護士や文部科学省などに相談していたという。
(引用ここまで)
このニュースをご存知の方も多いと思います。ネット上ではかなり
話題になりましたが、私もいろいろ考えました。
私の場合も社会保険労務士として、似たような案件で
性別を限定した求人の問題があります。
男女雇用機会均等法では、会社は従業員を募集採用するときは、男女の性別に関係なく均等な機会を与えなければななりません。
「性別を理由に差別する」というのは、「男性であること、女性であること」という性別のみを理由に差別することをいいます。つまり、単純に「男だからダメ!」、「女だからダメ!」というのは認められません。
でも現場では、たとえば女性を採用することが決まっているのに求人票に書けないので、結局求人する側も応募者側の双方に無駄になっているにもかかわらず形式だけあわせているということがよくあります。いくら差別してはいけないといっても、社長にはなかなかこのような法律の話はわかってもらえませんので苦労しますし、ちょっとおかしいと思います。
でも私も社長と同じように思う反面、逆にこのように法律の趣旨というものを再度考えるとその意味があるのはよく理解できます。
言いたいことは、一時の感情だけではなく、冷静に視点を変えて、いろいろな切り口から考えてみることが大切だと思っています。
さて、ヤフーニュースの意識調査では、九大の「女性枠」について「問題ある」という回答が、21日10時現在、全体の約2万8000票のうち、約1万8762票の67%だった。
コメント欄では、
「本当に女性を増やしたいなら大学に入る前、理系文系の進路を決める高校や、どの分野に興味を持つかが決まる中学校から対策をしなきゃならん」
「女性研究者が少ないのは学生の数じゃなくて、女性が研究を続けることのできる社会的基盤がないせい」
といった意見が寄せられていたようですが、
自分は、どう考え、この問題にどういう解決するかと考えてみることが大切です。
私は、やはり法律に反することになるので反対です。
また「男性差別」だけではなく、考え方によっては「女性差別にもなる」と思います。
「女性枠で入ったということをずっといわれる可能性がある」のも気になります。
今回は、公平性にかけるということで、いろいろ弁護士などに相談したうえで、取りやめたようですがこのようなことになることが予測できないとすると、学校の教授たちのレベルが疑われてしまいますね。
今日もコラムを読んでいただきありがとうございました
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株式会社アイウェーブ
庄司社会保険労務士事務所
代表取締役/所長
庄 司 英 尚(社会保険労務士)
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