大卒サラリーマン退職金、5年で15%減 運用難が影響
10月8日のyomiuri onlineからの情報になりますが、とうとう企業年金を運用している日本を代表する日本生命保険が自らの従業員たちの企業年金の支給総額を削減する提案を労働組合にしました。1人あたり平均で10%程度減る計算ということなので大きな影響が組合員にはありますので、簡単に受けることはできないでしょう。
企業年金の減額では、訴訟もたくさん起きており、簡単には進まないかもしれませんが、このような厳しい環境では早めに手を打たないと判断した結果でしょう。
日生は、労組の了解が得られれば、厚生労働相の認可を経て、2011年度にも制度を変更する方針なので、これからが話し合いの時期になりますが、間違っても訴訟に発展することなどないようにしたいところです。
企業年金減額といえばNTTの減額訴訟が有名です。
NTTの企業年金減額訴訟については、私も足掛け4年ほど経緯を見守ってきましたが、6月の最高裁の判決で棄却したことによりNTT側の敗訴がほぼ確定しました。
この訴訟は、退職者の企業年金支給額の減額申請を、厚生労働省が、「減額しなければならないほど経営悪化はしていないので減額理由にはならない。」としていた国に対して、不認定の処分の取り消しを求めていたものです。
当然の結果というか法律の主旨から考えれば、結果はみえていたのかもしれません。
この棄却をもって今後、企業側は慎重に動くだろうと思っていた矢先に、ニッセイがこのような提案をするということは、ちょっと意外な気もしますが、その減額の程度、経営状況などから、労組との交渉がどうなるかが気になるところです。