今年の中小企業の賃上げの平均は?

庄司英尚

庄司英尚

テーマ:労働市場・賃金調査

定期昇給、ベア、昇給
年収、昇給、賞与など賃金に関係する話題は、会社で働く人は、ほとんどの人が関心をもっていると思います。

その中でも賃上げに関してのニュースはたくさん報道されることもあり、なんとなく理解している人も多いのでしょうが、今回は賃上げについてお話します。

賃上げには、定昇とベアがあります。

定昇とは、定期昇給の略です、年次と共に賃金が増加し、先輩に追いつくための個別の賃金の変動です。言い換えると賃金表上の移動です。

一方ベアとは、ベースアップの略で、賃金水準の全体的な底上げのことをいいます。こちらは賃金表の書き換えです。

今年は、大手労組がベア見送り、定昇維持というのが基本ラインでした。

しかし中小企業の社長は、「大手の話は、うちには関係ないよ」とよくいいます。確かにおっしゃるとおりで、大手の平均賞与額の発表とかをみると中小企業の従業員には、どこか違う世界のように感じることも多いようです。

さて、賃上げに関する大事なニュースが先日ありました。日本経団連は、7月20日現在で集計した中小企業の賃上げ調査(最終集計)の結果を発表しました。

この調査の対象は、原則として従業員数500人未満の17業種752社を対象としているもの(確定した会社のみの集計)で、大変参考になるデータです。

それによりますと、今春の中小企業の賃上げは全業種平均で3,824円(1.52%)。昨年実績は3,486円(1.38%)だったので、昨年よりは良くなっています。

「あまり実感ないなあ」と思っている経営者や働く人も多いかもしれません。

しかしながら会社によっては、1年ごとに1万円ぐらい定期昇給しているところもあります。経営者としてはやはり根拠というか指標のようなものを把握したうえで会社の状況を照らし合わせて決定し、従業員にも説明するのがよいでしょう。もちろんそれだけ儲かっていて体力があるところは1万でも2万でもいいと思いますが・・・。

しかし、従業員が100人の中小企業でも1人平均1万円昇給させたら、年間1200万円の人件費が増加し、それに伴い社会保険料も増額されます。それだけの利益を上積みできるのであればいいのですが、そう簡単なことではない会社も多いでしょう。

もしかしたら賞与とか退職金にも連動していることもあるかもしれませんので、安易に1人1万アップなどといわずに
じっくり検討したうえで賃上げすることをおすすめします。

株式会社アイウェーブ 庄司 英尚




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庄司英尚
専門家

庄司英尚(社会保険労務士)

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

プロフェッショナル集団として学び続け、サービス業であるということを忘れず、何事にも全力で取り組みお客様の悩みを解決し、最終的には業績アップに貢献できるよう日々努力します。

庄司英尚プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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