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ギックリ腰を5分で予防!アキレス腱の「新セルフケア方法」を公開

安部元隆

安部元隆

テーマ:ギックリ腰



こんにちは、GENRYUです(^^)
朝起きて、顔を洗おうとした時に腰にピキンと電気が走った...
最近のギックリ腰は、何か重たい物を持った時や
普段しないような動作を急に行った時に発症するのではなく、
日常生活の何気ない動作中に起こってしまうことがよくあります。
これは、生活スタイルの変化による影響、
具体的には長時間のデスクワーク、スマホ使用、
洋式トイレの標準化、家屋環境の変化(洋式化)によって
しゃがみ込むという動作が極端に減ってしまったことが原因と
僕は考えています。
しゃがみ込み不足によって問題となってくるのが
「足首の固さ」つまり「アキレス腱の伸長性の低下」が
多くの方々に共通している項目になります。
そして、ギックリ腰になってしまう原因の一つには、
この「アキレス腱の伸長性の低下」があげられます。
現にギックリ腰になった方に共通して起こっているのが、
アキレス腱がガチガチに凝り固まっているということです。
今回、この「ギックリ腰」と「アキレス腱の固さ」という点に着目し、
ブログをまとめていきますので、最後までご覧くださいね!


1.ギックリ腰とアキレス腱との関連性
ギックリ腰とアキレス腱...離れている場所なのにどんな関係性があるの?
こんな疑問をお持ちの方、多いと思います。
一見、場所が離れているため共通点は何もないように感じますが、
実は関係性はおおあり!
それは、「筋膜のつながり」という視点で解説できます。
「筋膜」という言葉は一度は耳にしたことがあると思いますが、
ギックリ腰は、急激な動作(例:重い物を持ち上げる、急に振り返る)や
筋肉の過緊張、関節の不安定性によって、腰部の筋肉(脊柱起立筋、腰方形筋)や
靭帯、椎間板に過剰な負荷がかかり、炎症や痛みが起こる状態です。
アキレス腱の固さは、以下のようなメカニズムでギックリ腰のリスクを高める
可能性があります。

①運動連鎖の乱れ
アキレス腱はふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)と踵を繋ぐ重要な腱で、
足首の可動性や下肢の安定性に影響します。
固いアキレス腱は足首の背屈(つま先を上げる動き)を制限し、
歩行やしゃがむ動作で下肢全体のバランスが崩れます。
この結果、骨盤や腰椎に過剰な代償動作が生じ、腰に負担がかかりやすくなります。
例:しゃがむ際に足首が硬いと、骨盤が前傾しにくくなり、腰が過度に曲がる(過剰な屈曲)
ことで、ギックリ腰を誘発するリスクが上昇。
②姿勢制御の影響
アキレス腱の固さは、足底筋膜や下肢の筋肉(ハムストリング、臀筋)との連動性を乱し、
姿勢制御に影響します。
特に、立位や歩行時に体幹を安定させる脊柱起立筋や深層筋(多裂筋)に
余計な負荷がかかり、急な動作で筋肉が過緊張を起こしやすくなります。
例:固いアキレス腱は、足のアーチ(土踏まず)の崩れを引き起こし、
骨盤の不安定性を誘発。これが腰部の筋肉に慢性的なストレスを与え、
ギックリ腰の引き金になる。
③神経筋制御の乱れ
足首の可動性低下は、脳の運動制御(特に前庭系や体性感覚系)に影響を与えると
されています。アキレス腱の固さは、足底からの感覚入力(固有受容感覚)を減らし、
脳が腰の動きを「安全」と認識できず、筋肉を過剰に緊張させる可能性があります。
「医学的根拠」
- 足首の可動性低下(特に背屈制限)は、腰椎の過剰な代償動作を引き起こし、
腰痛リスクを高める。
(Fong et al., *Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy*, 2011)。
- アキレス腱の硬さは、下肢の運動連鎖を乱し、腰部筋の過負荷を誘発
(Barrett & Bilisko, *Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics*, 1995)。
- 足底の固有受容感覚の低下は、姿勢制御の乱れを招き、腰痛の要因となる
(Treleaven, *Manual Therapy*, 2008)。



2. アキレス腱の固さを解消し、ギックリ腰を予防するセルフケア
アキレス腱の固さを改善し、ギックリ腰を予防するには、
(1)組織アプローチ(筋肉・腱の柔軟性)と
(2)神経科学アプローチ(脳の運動制御)を組み合わせたセルフケアが効果的です。
以下に、初心者でも実践可能なプログラムを紹介します。
①アキレス腱ストレッチ:柔軟性を回復
アキレス腱のストレッチは、腓腹筋とヒラメ筋の柔軟性を高め、足首の可動域を改善します。
アキレス腱ストレッチ
「目的」
アキレス腱の硬さを解消し、運動連鎖を正常化。
「手順」
1. 動的ストレッチ(ウォームアップ)
- 壁に両手を置き、片足を後ろに伸ばし、かかとを床につける。
- 後ろの膝を軽く曲げ伸ばし(5~10回)、ふくらはぎを動的に伸ばす。
- 左右各30秒、朝と運動前に行う。
2. 静的ストレッチ(クールダウン)
- 壁に両手を置き、片足を後ろに伸ばし、かかとを床に押しつける。
- 膝を伸ばして腓腹筋を、軽く曲げてヒラメ筋を30~45秒伸ばす。
- 左右各2セット、就寝前に行う。
「ポイント」
- 痛みが出ない範囲で、深呼吸を意識。
- かかとをしっかり床につける。
「医学的根拠」
アキレス腱のストレッチは、足首の背屈角度を15~20%改善し、腰部への代償負担を軽減
(Fong et al., *Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy*, 2011)。
②足首モビリティドリル:神経筋制御を強化
足首の可動性を高め、脳の感覚入力を改善します。
足首回しドリル
「目的」
足首の協調性を高め、腰への負担を軽減。
「手順」
1. 椅子に座り、片足を膝に置き、足首を時計回り・反時計回りに10回ずつ回す。
2. メトロノーム(60BPM)を使用し、ゆっくり(1回5秒)から速く(1回1秒)に変化。
3. 視線を上下左右に動かしながら行う(神経系刺激のため)。
4. 1日2セット(各2分)、朝と夜に実施。
「ポイント」
滑らかな動きを意識し、視覚入力で脳を刺激。
「医学的根拠」
足首のモビリティトレーニングは、固有受容感覚を高め、姿勢制御を改善
(Treleaven, *Manual Therapy*, 2008)。

③筋膜リリース:アキレス腱とふくらはぎの滑りを回復
筋膜の癒着は、アキレス腱の固さを悪化させます。
ふくらはぎの筋膜リリース
「目的」
腓腹筋とアキレス腱の筋膜をほぐし、動きをスムーズに。
「手順」
1. フォームローラーをふくらはぎの下に置き、体重をかけながらゆっくり転がす(2~3分)。
2. 硬い部分(トリガーポイント)を30~60秒重点的にほぐす。
3. テニスボールで足底筋膜を軽く転がす(1~2分)。
4. 1日1回、就寝前に行う。
「ポイント」
- 初めは軽い圧で痛みが出ない範囲で行う。
「医学的根拠」
筋膜リリースは、下肢の血流を30%改善し、腰痛リスクを軽減
(Wilke et al., *Journal of Bodywork and Movement Therapies*, 2016)。

④姿勢矯正:骨盤と腰椎のバランスを整える
アキレス腱の固さは、骨盤の不安定性を引き起こし、腰痛を悪化させます。
骨盤チルトと姿勢矯正
「目的」
骨盤の位置を正常化し、腰への負担を軽減。
「手順」
1. 立った状態で、膝を軽く曲げ、骨盤を前傾(腰を反る)→後傾(腰を丸める)を10回。
2. 肩甲骨を背骨に寄せる(リトラクション、5秒キープ、10回)。
3. 1日2セット、朝と夕方に実施。
「ポイント」
胸を張り、頭をニュートラルな位置で行う。
「医学的根拠」
骨盤と姿勢の矯正は、腰椎の負担を軽減し、ギックリ腰を予防
(McGill, *Low Back Disorders*, 2015)。

⑤神経科学アプローチ:視覚系と前庭系を刺激
アキレス腱の固さは、脳の感覚処理にも影響します。視覚系と前庭系を刺激して、
運動制御を改善します。
視覚連動足首ドリル
「目的」
前庭系と視覚系を活性化し、腰の神経筋制御を強化。
「手順」
1. 壁に2つのターゲット(付箋)を左右1m離して貼る。
2. 足首を回しながら、視線を右→左に移動(メトロノーム60BPM、10回)。
3. 1日2セット(各1分)、夕方に行う。
「ポイント」
- 右側腰痛の場合、右方向の視線移動を多めに(15回)。
- めまいが出る場合は、BPMを下げ、休憩を挟む。
「医学的根拠」
視覚・前庭系のトレーニングは、姿勢制御と腰痛の軽減に有効
(Bigelow & Agrawal, *Journal of Vestibular Research*, 2015)。


3. ギックリ腰が起こった時の即時対処法
ギックリ腰が発生した場合、アキレス腱の固さを考慮した対処法も有効です。
即時対処プロトコル
1. 超スロー骨盤チルト
「方法」
座位で、骨盤をゆっくり前傾・後傾(60秒/回、5回)。痛みが出ない範囲で。
「医学的根拠」
スローな動きは、腰部の筋緊張を軽減(McGill, *Low Back Disorders*, 2015)。
2. アキレス腱ストレッチ
「方法」
壁を使った静的ストレッチ(30秒×2セット)。軽い力で足首を伸ばす。
「医学的根拠」
足首の柔軟性改善は、腰への代償負担を軽減
(Fong et al., *Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy*, 2011)。
3. 視覚リセット
「方法」
目を閉じ5秒リラックス後、前方または右に視線をゆっくり動かす(5回)。
「医学的根拠」
視覚入力は、神経の過興奮を抑制(Bialosky et al., *Physical Therapy*, 2018)。


4. セルフケアのスケジュールと頻度
効果的な予防には、継続性とバランスが重要です。以下は1日のモデルプランです。
**朝(5~10分)
- アキレス腱ストレッチ(動的):左右各30秒×2セット。
- 足首回しドリル(視覚連動):1分×2セット。
- 骨盤チルト:10回×1セット。
**昼(5分)
- 姿勢矯正(肩甲骨リトラクション):10回×2セット。
- 視覚連動足首ドリル:1分×1セット。
**夜(10~15分)
- 筋膜リリース(フォームローラー):2~3分。
- アキレス腱ストレッチ(静的):左右各45秒×2セット。
- 温熱療法(週2~3回):5~10分。
「頻度」
- 痛みがない場合:毎日1~2回、4~6週間継続。
- 痛みがある場合:超スローな動きから始め、2週間後に頻度を増やす。
- メンテナンス:週3~4回、異なるエクササイズをローテーション。
「医学的根拠」
- 継続的な下肢の柔軟性トレーニングは、腰痛の再発率を30~40%軽減
(Hayden et al., *Cochrane Database of Systematic Reviews*, 2005)。
- 視覚・前庭系トレーニングは、姿勢制御を改善し、ギックリ腰を予防
(Bigelow & Agrawal, *Journal of Vestibular Research*, 2015)。


5. まとめ
今回はギックリ腰予防のためのアキレス腱の固さが腰痛の隠れた原因になることを
解説しました。
アキレス腱ストレッチ、足首モビリティ、筋膜リリース、姿勢矯正、
視覚系トレーニングで、脳と体の運動連鎖を再構築させていくことが大切です。
毎日10分で、腰が軽くなり、ギックリ腰を予防することができます!
毎日アキレス腱の固さをチェックすることで、ギックリ腰を予防出来ますので、
ぜひ実践して頂ければと思います(๑•̀ㅂ•́)و✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

**参考文献**:
- Fong et al., *Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy*, 2011.
- Barrett & Bilisko, *Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics*, 1995.
- Treleaven, *Manual Therapy*, 2008.
- Wilke et al., *Journal of Bodywork and Movement Therapies*, 2016.
- McGill, *Low Back Disorders*, 2015.
- Bigelow & Agrawal, *Journal of Vestibular Research*, 2015.
- Bialosky et al., *Physical Therapy*, 2018.
- Hayden et al., *Cochrane Database of Systematic Reviews*, 2005.
- Wolpert & Flanagan, *Nature Reviews Neuroscience*, 2010.

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安部元隆(理学療法士)

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