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安部元隆プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

慢性腰痛を克服!脳と体の連携で痛みをリセットする科学的アプローチ」

安部元隆

安部元隆

テーマ:腰痛



こんにちは、GENRYUです(^^)
今回は「腰痛」をテーマにより深い「腰痛」への理解と
あまり知られていないアプローチ方法について解説していきますので、
ぜひ、最後までご覧ください!
腰痛は、現代社会において多くの人が経験する一般的な健康問題です。
急性腰痛は数日から数週間で自然に改善することが多い一方で、
慢性腰痛は数か月以上続き、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
疼痛神経科学の観点からは、腰痛の管理には脳と身体の連携を理解し、
適切なリハビリテーションを行うことが重要だといわれています。


1. 腰痛と疼痛神経科学の基本
腰痛は、単なる筋肉や関節の問題ではなく、脳と神経系が深く関与する複雑な現象です。
とくに脳が大事なポイントです。
脳は身体の「安全」と「危険」のレベルを常に評価し、痛みを生成します。
これは、脳が身体を守るための生存メカニズムの一環です。
たとえば、急性腰痛は、筋肉の過度な緊張や不適切な動作が引き起こす
「危険信号」を脳が検知することで生じます。
一方、慢性腰痛は、脳が繰り返し「脅威」を感知し続けることで、
実際の組織損傷がなくても痛みが持続する場合があります。
「医学的根拠」
・2023年の研究(*Neuroscience & Biobehavioral Reviews*)によると、
痛みは脳の感覚処理と感情処理の相互作用によって生成される。
腰痛の場合、前帯状回や島皮質など、脳の疼痛処理に関与する領域が活性化し、
身体の安全性を評価する。
・慢性腰痛患者では、脳のデフォルトモードネットワーク(DMN)の異常が
観察されており、これが痛みの持続や過剰な脅威認識に関連している(*Pain, 2022*)。
- 神経科学に基づく疼痛管理では、「安全な動き」を脳に学習させることで、
痛みのサイクルを断ち切ることが有効とされている(*Journal of Pain Research, 2021*)。


2. 腰痛の種類とその特徴
腰痛は大きく分けて急性と慢性の2つに分類されます
①急性腰痛
突然の動作や姿勢の変化(例:重い物を持ち上げる、寝違える)によって生じます。
多くの場合、2~3日で軽減し、2~6週間で自然回復します。
②慢性腰痛
6週間以上続く痛みで、筋肉の不均衡、神経系の過敏化、
心理的ストレスなどが関与します。
慢性腰痛は再発率が高く、適切な管理が必要となります。
急性腰痛は多くの場合自然に改善するが、慢性腰痛には
積極的な介入が必要だと指摘されています。
特に、側屈(体を横に傾ける)や伸展(背中を反らす)動作での痛みが一般的で、
これらの動作を安全に回復させることがリハビリテーションの鍵となります。
「医学的根拠」
・急性腰痛の90%以上は非特異的(明確な構造的損傷がない)であり、
2~6週間で自然回復する(*The Lancet, 2018*)。
・慢性腰痛患者の約20~30%が側屈や伸展時の痛みを訴える。
これは、腰方形筋や脊柱起立筋の不均衡が関与している可能性が高い
(*Physical Therapy, 2020*)。


3. 腰痛の自己評価:痛みのない動きを見つける
これらは腰痛の原因となる動作を特定するための自己評価です。
腰椎の主要な動きには以下が含まれます。
①屈曲(前屈)
②伸展(後屈)
③側屈(左右に傾ける)
④回旋(左右に捻る)
⑤滑走(横にスライド)

これらの動きをニュートラルな姿勢(直立、膝を軽く曲げた状態)でテストして、
どの動作で痛みが生じるか、どの程度の可動域が快適かを確認します。
実践ガイド:自己評価の手順
1. ニュートラルな姿勢で立つ
- 足を肩幅に開き、膝を軽く曲げる。
- 骨盤を自然な位置に保ち、背筋を伸ばす。
2. 各動作をテスト
- 屈曲:ゆっくりと前屈し、痛みの有無と可動域を確認。
- 伸展:背中を軽く反らし、快適な範囲をチェック。
- 側屈:左右に体を傾け、痛みが出る方向を特定。
- 回旋:左右に体を捻り、制限や不快感を評価。
- 滑走:体を横にスライドさせ、痛みの変化を観察。
3. 速度と姿勢の変化を試す
- 動きをゆっくり行い、痛みが軽減するかを確認。
- 膝を曲げたり、足の向きを変えたり(外側・内側)、
  骨盤を前傾・後傾させて同じ動作を繰り返す。
4. 記録
- どの姿勢や動きが最も快適かをメモし、「痛みのない1回反復」の基準とする。
「医学的根拠」
- 自己評価に基づく運動療法は、腰痛患者の機能的回復を促進する
(*Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 2021*)。
- ゆっくりとした動作は、脳の運動制御領域(運動前野)を穏やかに刺激し、
痛みの閾値を高める効果がある(*Neuroscience Letters, 2023*)。


4. 姿勢と体位の安全性:個別化されたアプローチ
姿勢や動きを再度作っていくためには「安全な姿勢」を認識することが大切です。
この「安全な姿勢」を起点にすることで、脳に「動きは安全」と認識させ、
痛みのサイクルを断ち切ります。
実践ガイド:姿勢の調整
1. 足の位置
- 足を外側または内側に変え、どの位置が快適かをテスト。
- 例:右足を外側、左足を内側にし、側屈を行う。
2. 膝の角度
- 膝を伸ばした状態と曲げた状態で動作を比較。
- 曲げた膝が腰への負担を軽減する場合が多い。
3. 骨盤の傾き
- 骨盤を後傾(尾骨を内側に引き込む)または前傾させ、痛みの変化を確認。
- 後傾は腰椎の圧迫を軽減する傾向がある。
「医学的根拠」
- 姿勢の調整は、腰椎のバイオメカニクスに影響を与え、
 筋肉の緊張を軽減する(*Spine, 2022*)。
- 個別化された姿勢アプローチは、患者の自己効力感を高め、
 痛みの管理に有効である(*Physical Therapy Reviews, 2020*)。


5. 内耳と目の動き:神経系の統合
腰痛は単なる筋骨格系の問題ではなく、内耳(前庭系)や目の動きが関与している
可能性を指摘されています。
とくに内耳はバランスを司り、目の動きは首や背骨の筋肉に影響を与えます。
これらを活用することで、痛みのない可動域を拡大できる場合があります。
実践ガイド:内耳と目の動きの統合
1. 内耳(前庭系)の活用
- 安定性の確保
  壁や棒(例:スティックモビリティ)を使って体を支え、バランスを安定させる。
- 例:膝を曲げ、骨盤を後傾させた姿勢で、棒に体重をかけて側屈を行う。
  安定感が増すことで可動域が広がるかを確認。
- **効果**:前庭系の刺激は、脳の空間認識を改善し、筋肉の過剰な緊張を軽減する。
2. 目の動きのテスト
- 快適な姿勢で、目を上、下、右、左に動かしながら痛みのある動作をテスト。
- 例:目を上に向けて側屈を行うと、痛みが軽減する場合がある。
- 効果
  目の動きは、頸部筋や脊柱筋の活動を調整し、脳の運動制御を最適化する。
「医学的根拠」
- 前庭系の機能低下は、姿勢制御の障害を引き起こし、
腰痛の悪化に関与する(*Journal of Vestibular Research, 2021*)。
- 眼球運動は、脊柱の筋活動に直接影響を与え、痛みの軽減に寄与する
(*Frontiers in Neuroscience, 2023*)。


6. アイソメトリックエクササイズとの統合
このエクササイズは「痛みがなく1回反復できる動作」を達成した後に
取り入れると効果的です。
以下は自己評価とアイソメトリックエクササイズを組み合わせたプログラム例です
1. 自己評価
- 快適な姿勢(足、膝、骨盤、目、内耳)を特定。
- 痛みのない可動域を確認。
2. アイソメトリックエクササイズ
- ストラップをドア枠やバーに固定(なければ、手で押してもOK)
  快適な姿勢で側屈を行う。
- 30~40%の力でストラップを床に押し(なければ、ドア枠を押す)
  90秒~2分キープ。
- 呼吸を自然に保ち、筋肉の緊張に意識を向ける。
3. 再評価
- エクササイズ後、30~45秒歩き、痛みの変化をテスト。
- 必要に応じて反対側も実施。
「医学的根拠」
- アイソメトリックエクササイズは、神経筋制御を改善し、
 脳の疼痛処理を抑制する(*Journal of Pain, 2024*)。
- 低強度の等尺性収縮は、急性および慢性腰痛の両方で痛みを軽減する
(*Clinical Rehabilitation, 2021*)。


7. 注意点と専門家の関与
①安全第一
 エクササイズ中に痛みが増す場合は中止し、医師や理学療法士に相談。
②個別化
 腰痛の原因は個人差が大きいため、専門家の評価を受けることが理想。
③継続性
 痛みが軽減しても、定期的な運動(週2~3回)を継続することで再発を予防。
「医学的根拠」
- 理学療法士による個別指導は、腰痛の再発率を約30%低下させる
(*Physical Therapy, 2020*)。
- 運動療法の継続は、慢性腰痛の管理において最も効果的な戦略の一つである
(*The Lancet, 2018*)。


8. まとめ
腰痛の管理には、脳と身体の連携を理解し、「痛みがなく動作を1回反復できる」を
達成することが重要です。
この神経科学的アプローチは、自己評価を通じて快適な姿勢を見つけ、
内耳や目の動きを活用することで、脳に「安全」を学習させます。
これにアイソメトリックエクササイズを組み合わせることで痛みを軽減し、
機能的な可動域を取り戻すことができます。
当院では、腰痛患者さん方を個別にこれらのアプローチを提供しておりますので、
ご興味がある方はお問い合わせ頂けばと思います!
少しでもあなたの腰痛が改善しますように。
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

**参考文献**:
- *Neuroscience & Biobehavioral Reviews, 2023*:Pain processing and brain networks.
- *Pain, 2022*:Default mode network in chronic pain.
- *The Lancet, 2018*:Management of low back pain.
- *Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 2021*:Self-assessment in rehabilitation.
- *Journal of Vestibular Research, 2021*:Vestibular contributions to posture.

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安部元隆
専門家

安部元隆(理学療法士)

GENRYU式 綜合整体

科学的根拠に基づいた知見と臨床経験から得られた知見を組合せ「根本原因を探し、戻りが少ない治療法」『GENRYUメソッド』を提供しています。問題点をキチンと細分化して捉え、1つ1つその問題を解決します。

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