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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

諸行は無常、時代はうつろう、師匠の定年

2024年3月27日

テーマ:雑感

コラムカテゴリ:スクール・習い事

タイトルの書き方がHUNTER×HUNTERみたいですみません。
最近、雑感がないと読者の方からよく言われます。確かにと思いつつ気づけば3月も終盤になっており、気づけば新学期直前になっていました。つい最近雪が降りましたが、よく見ると新しい緑が芽生えており、もうすぐ桜が咲きそうです。

今年は『文殊菩薩の研究』を出して、何とかこの世の義理を果たせ、一つ肩の荷が下りました。実はもう一つ、重要なことがあります。私の師匠が定年退職になります。学長職はあと1年任期が残っているので、まだ大学には残りますが、思えば、約30年、ずっと導いていただいた気がします。
私にとっては親とも言える人です。この人がいなければ、今はありませんし、コムニタスもなかったことは間違いありません。仏教で言えば、和尚さんのような方になります。和尚というのは、パーリ語でウパッジャーヤと言い、仏教を志した人が出家して最初になる小坊主を沙弥(サーマネーラ)と言います。一休さんみたいな感じです。まず沙弥になるために和尚さんを見つけ、お願いして師匠になってもらいます。20歳になると正式な坊さん(比丘:ビクと言います)になれるわけですが、この師弟関係は一生続きます。その比丘がまた弟子を取って・・の順繰りで、タイやミャンマーの仏教は今に至ります。ブッダもアーナンダという弟子が、亡くなる直前もそばにいましたが、なかなかに未熟で、後に多聞第一と呼ばれるくらい説法をそばで聞いていたはずなのに、ほとんど身についていない様子が描かれています。
私はアーナンダについて論文を書いたことがあるのですが、彼の記述を読むと、いまだに心が痛くなる自分がいます。
自分がどれほど未熟であっても師匠も必ず年を重ねていますし、そこに能力も経験も人格も他人も関係ありません。誰も何も忖度してくれません。年齢を重ねることについての自分の考え方次第です。受け入れているつもりですし、他者に自分が話すときは、偉そうに言うのですが、自分が習う側だと、どうも未熟な自分が顔をだしてしまうという、これぞコンプレックスみたいな心境を感じつつ、気づけば弟子筋では、私が筆頭なのだそうで、師匠の定年祝賀の謝恩会の幹事をしました。



この中には私の教え子(私には覚えがない場合も含む)もおり、後輩もおり、同級生も、先輩もいます。皆本当に喜んでくださり、私も一仕事終えられた気分です。
これも師匠の人徳なのだろうと思います。未熟者はまだ心の支えが必要ですので、これからもいろいろ頼るのだと思います。我ながらなかなか成長できていませんが、アーナンダだと思って、許していただけると幸いです。


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