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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

知恵ある人になるには?

2014年3月30日

テーマ:雑感

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

今、違った意味で話題のDHC会長の吉田嘉明氏の
会長メッセージです。
この方は官僚嫌いで知られること以外は、あまり知られていませんが、
ここでおっしゃっていることは、共感できます。
  幼い時から勉強ばかりしてきた人は、先生から褒められ、
  親から褒められ、自分が一番偉いと勘違いしている
  人がほとんどです。そういう人は、先ず他人を思いやる
  心に欠けています。

これを言って聞かせてやりたい人はたくさんいますし、
自分自身もいつも戒めにしておかねばなりません。
「塾長」「社長」などと「●●長」がつくと、その場においては
自分より偉い人がいませんので、本当に気をつけておかねばなりません。

  地頭の良い人を必要としています。子供の時に人一倍苦労をしてきた人、
  普通の人に無いような体験をいっぱい積んできた人、どんなことを任せても
  自分なりの工夫で知恵を出し切れる人。そういう人はDHCでは大歓迎です。
  学歴は低いが自分には知恵があると思う人や、不良で勉強はしなかったが
  知能指数だけは高い人は、是非DHCに来て下さい。

吉田氏がメッセージとして発信するのは、学力よりも知恵の力を重視する
ということだと思います。今、研究者の世界でも求められているのは
そういった知恵だと言えます。

一方で、こんな記事をみました。
日本のヤンキー化は小泉政権から?
最近、精神科医の斉藤環氏と日本史研究者、與那覇潤氏の対談です。
これは上記の吉田氏の見解と合わせて見ると、意見が合わないようにも見えます。
象徴的な斉藤氏の言葉を引用させていただきますと、

  ヤンキーに知性があってはいけない理由はないんですけど、
  ヤンキー的な人々というのは感性を肯定するために知性を
  批判するんですよね。「考えるな、感じろ」とばかりに。

これには思わず苦笑いでしたが、そういえば、私が高校生のときに
「インテリヤンキー」という言葉があったなぁ、と思い出しました。
斉藤氏らが主張するのは、知性を否定して、「気合い」で問題解決
しようとすることを「感性」と解釈する危険性です。
これはこれで強く共感します。

問題は、その知恵をどうやって獲得するか、なのです。
吉田氏は、遊んで、苦労して、挫折を乗り越えて・・といったことが
知恵の獲得につながるとお考えのようです。一理あります。

  私がよく言ってるのは、ヤンキーの成功者は「地頭がいい」ということです。
  地頭がいいヤンキーがいちばん日本人では尊敬されると。
  そこで最近よく挙げるのが白洲次郎です。あのあたりの人がヒーロー像としては
  いちばん印象的なんだろうなと思うわけですね。反知性というよりも
  「反教養主義」に近いかもしれません。

ここで斉藤氏が言う今の日本で尊敬される人物と吉田氏が言う地頭の良い人が
一致していることに気づきます。しかし、斉藤氏らはこれを必ずしも
肯定的には捉えていません。大阪市長らが斉藤氏らが言う「ヤンキー」の象徴
のようですが、確かに大阪市長は学者に対していつも批判的です。
斉藤氏らが言う「ヤンキー」と「インテリ」という分類は、
ある種今の日本文化を物語るのに言い得ていると思います。
しかし、ただのヤンキーだと相手にされないし、ただのインテリだと
相手にされないだけではなく、批判の対象にされやすいということもあり、
「インテリヤンキー」が理想という空気が生まれているということも
あると思います。ただ、このインテリヤンキーが知恵ある人かどうか
と問われると、私はこれに憧れ、目指した経験上、それは違うのではないかと
思ってはいるのですが。



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