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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

厳しい面接と優しい面接は一見わかりません

2020年9月7日

テーマ:実は知らない面接対策・集団討論対策

コラムカテゴリ:スクール・習い事

すでに合格者も出ましたが、これから試験が続きます。今、当塾では、面接に関する質問がたくさん出てきています。また、模擬集団討論も行っており、かなり実践的な準備ができています。いつも言っていますが、この種の入試では面接が重要であることは間違いありません。だから、細かく分析した上で、十分な準備をしておく必要があります。まして、今年はオンライン面接という、ほぼ前例のないことが行われましたし、コロナ禍が続く以上、これからオンライン面接は重要な選択肢になり得ます。準備の仕方も新たなフェーズに入ったと言えます。また、学科は、当日行ってみないとわかりませんが、面接や書類は事前準備をいくらしても構いません。また、この準備で、他人の力を一切借りてはいけない、というルールが明記されているということもほぼないでしょう。だからこそ、ここでしっかり準備をしておくと、アドバンテージを取ることができるわけです。

試験が終わって多くの生徒が、面接後に塾に帰ってきて、報告をしてくれるという光景は、当塾では普通の光景ですが、私としては、面接を受けて記憶の新しいうちに、何を聞かれて、それにどう対処したかを聞いておきたいと思い、いつも聞くようにしています。その中でたまに気になるのが、
「和やかでした」「穏やかでした」「優しかったです」「冷たい印象でした」「怖そうでした」
こういった文言です。非常に抽象的ですが、良し悪しはともかく、素直な感想だと思います。ただし、面接会場で、面接官が優しい人であるかどうかは、あまり重要な情報ではありません。確かに、控え室で待っていて、前の受験者が泣きながら出てきた、なんてシーンを見てしまうと、面接官が優しいかどうかは気にはなりますが、それは余計な情報と捉えるべきです。当然ながら、大切なことは何が質問されたかです。かつて、「最近どんな本を読みましたか?」という質問に対して、「ハリーポッターです」と答えた人がいました。その後面接は和やかに進み、そのまま終わりました。本人は好感触だったのですが、結果は不合格でした。なぜなら、ハリーポッター発言のあと、面接官はハリーポッターの話題ばかりを話し、自分の子どももハリーポッターが好きだというところで、面接が終わってしまい、肝心の研究計画や当時その学校で毎回聞かれていた事例問題も聞かれなかったのです。つまり、ハリーポッター発言以降、面接官は、採点に必要な質問をやめてしまい、ただ和やかに世間話をして終わったというパターンです。別の学校で、アンパンマンで同様のケースがありました。
この時の面接官の心持ちを考えた時、私は背筋が冷たくなりました。まさに顔は笑顔ですが、腹の中は全く違ったということです。これはかなり厳しい面接です。こうなった原因はハリーポッターであったかどうかは不明です。他にもあったかもしれません。いずれにしても、オセロのように相手(この場合受験者)の打ち手をなくすような手を打たれると、どうにもならなくなってしまうということです。
また実際に優しいなと思える面接というものもたまにはあります。経験上、内部生の時が多いように感じますが、必ずしもそればかりではありません。受験生が緊張していると、笑顔で、
「焦らず、ゆっくり答えてくれればいいですよ」
「じゃあちょっと深呼吸してみようか」
といった具合に、誰の目から見ても優しいというようなことは少なくはありません。こういった先生に面接をしてもらえる人は幸運と言えるでしょう。これは先生次第ですので運の問題です。
次に受験生の言いたいことを引き出してくれるパターン。
「あなたが言いたいのはこういうことですか」
「こういう意味でおっしゃったのですね」
こんな感じで、詰問せずに、くみ取ってくれるパターンです。

質問をしている先生が、答えてくれるパターン。
「あなたは将来臨床心理士としてどんなところで仕事をしたいのですか」
と聞きながら、間髪入れずに
「スクールカウンセラーって書いてありますが、そうですかね」
「はい」
「そうですね。うん」
「スクールカウンセラーは収入が厳しいけれど大丈夫?」
「大丈夫です」
「そうだよね、何とかなるよね」

「大丈夫?」と聞かれて、「大丈夫じゃありません」と答える人は、あまりいないと思いますし、そう答えてしまうようではかなり合格は厳しいでしょう。だから回答を言ってくれているようなものです。ちなみに、この事例は内部受験の人ではありません。よほど先生がお人好しなのでしょうか。こういったパターンの時には、ほぼ確実に合格できています。何らかの理由でとりたいと思っていたのかもしれません。その理由を探れば、様々な事情はあるとは思いますが、こういったパターンに自ら持って行くことは難しいですが、流れが来たら逃さないようにしましょう。


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