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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

記憶の訓練

2018年5月11日

テーマ:雑感

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

また、加計学園問題で、参考人招致がなされました。もちろん、この方です。そして、尚、記憶から外された愛媛県の知事が、証拠を突きつけましたが、「だからどうした」という話にするのでしょう。これは詭弁の典型で、「それは●●の証拠(証明)にならない」だから「自分が正しい」と屁理屈を言うことにつながるのでしょう。野党もあまりにも残念で、「矛盾だ!」「おかしい」と言うだけで、どこがどうおかしいのかを言いません。ひどい人だと、「そんな総理秘書官はいません」などと言う始末。「いるんだからしょうがない」と返されればそこまでの質問をするとは・・不誠実な人間に、「あなたは不誠実です」などと言うことに全く意味はありません。本人は、不誠実、嘘つきと言われることを覚悟して出てきているわけです。自分が言うことがおかしいことなど百も承知で出てきているということを前提に質問をしないといけないのです。このできの悪いプロレスはもううんざりで、ここに入り込みすぎると、何を言ってもしても無意味という失望とむなしさばかりがたまっていきます。

そもそも、研究業界にいると、事実を追求するのが仕事ですので、息をするように嘘をつき詭弁を吐くのが仕事であると考えているであろう人々が集う国会や政治のことに、そこまで情熱や関心があるわけではありません。皮肉にも、このトピックは大学の学部設置の話ですので、私としては、どうしても関心を持たざるを得ないのですが。
正直、総理大臣がどんな失政をしようとも、失政をしているという事実だけを知っていればいいと考えています。北朝鮮が、アメリカの拘束者を解放したわけですが、いよいよ、日本が狙い撃ちされているように見えてきます。もっと、拉致被害者の方々に思いを寄せる人が増えることを願います。この国は対話ではなく圧力とだけ言い続け、はしごを外されました。
しかし、これに被害者の家族がいくら訴えても何も動きません。それどころか、今の総理大臣に絶望した被害者側からの書籍も出ていますが、メディアは全く取り上げません。メディアは、財務次官のセクハラは取り上げても、有力芸能事務所のアイドルなら、取り上げ方を変えます。後者は送検までされる事案なのにもかかわらずです。これを忖度と言うべきなのかは多いに疑問です。最低、同じように取り上げましょうよ、と言っても全く届く気がしません。政治家や官僚と同じような嘘と詭弁を言われるのでしょう。元総理秘書官の回答もそうですが、筋のとおらなさと、矛盾しか感じなくとも、後は力技でウヤムヤにされてしまい、その内記憶から消える・・こんな政治とメディアにむなしさと失望を感じる人はやはり多いと思います。

そのような中、毎日新聞のこの記事は、少し響きました。私は少なからず歴史に関わる者ですが、歴史はストーリーですから、全てが事実とは限りません。今月の文藝春秋を見ると、そのあたりのことはよく分かります。歴史は書いた人の都合が良いように、証拠をつけて書かれますし、むしろ、それが正常です。書いた人の都合が悪い歴史は、むしろ歴史的事実から余計に離れていくと考えられます。歴史家は、そうやって、物語として、しっかり筋道を通して、矛盾のないように歴史を描く訓練を受けます。しかし、この国の現代の記録を残すべき役人は、あろうことか、記録を抹消し、さらにあろうことか、記憶も消しとばし、さらにさらにあろうことか、記憶が帰ってきたことを国会で言うのではなく、野党から質問を受けなかったことを認めたとのこと。野党から質問を受けなかったことはしっかり記憶しているのだとか・・あまりにも役人としてはできの悪い人物のはずですが、今の政権は「よくやった!」とほめるのでしょう。しかし、彼らの行為は、歴史を途絶えさせてしまっています。時の権力者が、歴史になるべき記憶と記録をなくして、描けなくするなどということはそうあることではありません。後世の歴史家がどう評価するのか見たいものです。


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