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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

憲法記念日にまた想う

2018年5月3日

テーマ:雑感

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

ゴールデンウイークまっただ中です。京都コムニタスは、平常と同じですので、生徒の方々は、是非毎日塾で勉強していただきたいと思います。当塾では、時間が許す限り皆さんに長くいていただきたいと考えており、コーヒー、紅茶、なども自由に飲んでいただけます。私は、毎年塾において必ず何か変化をつけたり、新しくしようしています。今年は、公認心理師試験の大仕事と、その他、塾内も大幅に改変しようと企画しています。長くやっていくためには、常に変化をつけつつ、自然に残るところ、人工的に残すところ、何としても守りきるところ、変えたいけれど、変えられないところ、など、変化をつけられないところも必ず残ります。言い方を変えれば、変えられるところ、変えるべきところは、どんどん変えていくということです。もちろん、その基本姿勢は、「変えることで確実に良くなる」という見込みがあって、スタッフが納得してくれるものから優先順位は高くなります。私の独断と偏見で変えるものは優先順位は下がります。(それでも大概は変えますが)

私は、「理想の塾」など追求していません。そもそもそんなものはありません。その時々にいてくれる生徒の方々の利益をどこまでも追求し、この方々が塾内で快適に過ごし、人生最大ともいえる勉強量をこなし、確実に合格し、次のステップに進んだ時に、「京都コムニタスで勉強したことが活きている」と言ってもらえれば、それに勝るものはありません。またそれを支えるスタッフが気持ちよく働ける環境を常に整備して、彼らに長く務めてもらうことで、「ここで長く働きたい」と思ってもらえることで、塾の命脈も続いていくと考えています。それを諸行無常の日々努力して、磨き続けることが私の仕事でもあります。私自身の心根が腐らないこと、嘘をついて他人を誹謗中傷するような人間にならないこと、これを続けられれば理想と言えばそうなります。でもそれは私個人の問題であって、塾の問題ではありません。私がおかしくなれば、塾が私を抑止できるようなシステムにしているつもりです。しかし、そういったことが起こるのは理想的ではありません。

少々こじつけですが、憲法記念日の時、いつも上記を思います。この国の総理大臣は、以前憲法について、国家権力を縛るものではなく、我々の理想や、この国のあり方について語るものにする、と言っていた「記憶があります」。確か、この総理大臣は、今の憲法を理想的すぎて、現実的でないから、変えると言っていたような「記憶もある」のですが・・・理想を語ることを否定するものではありませんが、いついかなる時も憲法は、国家権力の暴走を止めるものであることは間違いありません。総理大臣が事実を言わなくても、それでもって、国家権力が暴走しないのは、憲法とそれに基づいた憲法違反にならない体系だった法律の拘束があるからとも言えます。人は何かに拘束されて生きた方が、制御ができ、暴走せずに、どこかで踏みとどまることができます。宗教はその典型です。宗教はある意味では理想を説きますが、そのほとんどが、「解釈」です。仏教は経典があることは、多くの人が知っていると思います。有名なところでは、法華経、般若経、阿弥陀経などがありますが、実際は、様々なカテゴリー(大乗、非大乗)、言語(サンスクリット、パーリ、チベット、漢文など)全部を組み合わせて考えると、無数にあります。それでは、読み手も大変ですので、仏教徒たちは注釈書を書きました。紀元後2世紀すぎくらいになると、龍樹という偉大な研究者が出て、大量の研究書が生まれます。それをもとにさらに無数の研究者が出て、以来2000年、仏教は研究の歴史という側面も持つのです。その歴史を通して練り上げられ、そこから生まれた一つが、仏教が語る理想です。仏教コミュニティの理想を説くのではなく、人の生き方の理想です。また、一つの経典を、誰かの都合で、その人の考える理想的なものに書き換えるなどという発想はありません。憲法も同じことが言えますが、理想を言うならば、無数にある憲法学の研究者の言葉の中から読み取っていくことが、作業としてまず必要なことです。それをヒントに、その憲法に拘束された権力と、法律に拘束された国民が、何とかして見いだしていくのが理想であろうと考えられます。

当然のことですが、国内においては、誰とは言いませんが、友達のために特区を作り、超法規的に学部を作るように仕組みをつくり、国会では追及を受けると、強弁、詭弁、虚言を重ね、誠実に事実を語らず、逆ギレ、ヤジ返し。外に向けては、腕力も経済力もない国であるにも関わらず、対話ではなく圧力と言い続けて、はしごをはずされ、蚊帳の外に置かれながら、あたかも自分が東アジアの平和を守っているかのような言いっぷりをして、冷たい視線を受けつつも、アメリカと韓国にすがりついている時の暴走為政者や暴走権力者が、自分たちが統治しやすいように、その国の最高法規を変えてしまうことは暴挙ですし、そういったことをさせないために憲法があるとも言えます。
この国の誇りは、誠実で、勤勉で、働きもので、厳しい自然環境と小さい国土であることを認識し、現実を受け入れつつも悲観的にならず、土地を美しく整備し、多様性を受け入れた様々な文化を創出し、自然の恵みに感謝し、暴力ではなく、知力と胆力で大国に向き合いつつ、うまく相手から学びとってきた先人の築き上げた知性と文化であろうと、私は勝手に考えています。理想があるならば、これに各人が近づくことかなと思っています。



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