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井上博文

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井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

龍谷ミュージアム 地獄絵ワンダーランド展に行ってきました

2017年10月20日

テーマ:雑感

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

龍谷ミュージアム、地獄絵ワンダーランド展に行ってきました。「地獄の沙汰も君次第」「等活地獄、黒縄地獄、、衆合地獄、、叫喚・・」と口ずさみながら入りました。
こちら
内容が盛りだくさんで、ひねり出した1時間では見切れませんでしたので、あとは図録で楽しみたいと思っています(それを読む時間があるのか?と自分でツッコンでいますが)。
日本における地獄のイメージは、一般に、ちょうど今から1000年ほど前、恵心僧都源信の『往生要集』によるところは大きいと考えられています。私たちが子どものころから「悪いことをすると、地獄に落ちるよ」「ウソをついたら閻魔様に舌を抜かれるよ」という言説は、この『往生要集』の説が一般化したのだろうと思います。言い換えると、それだけ、多くの人が地獄に関心を持ち、例えば、子どもの情操教育にそれを用いるということもありました。また、多くの地獄絵も生まれ、〇〇地獄といった言葉も生まれました。
大切なことは、そのような地獄に対して恐れる心を持つことなのだろうと思います。選挙も近いですが、政治家たちは是非この展示を見るべきだと思います。図録の94ページから「心と地獄」という項がありますが、自分たちの心の在り方が、この世の地獄を作っていくのだと思います。往生とは、このシャバ世界から暴流を渡って、浄土に往って生まれることです。この地獄を離れたところに浄土があると源信は考え、対立構造を作ったのでしょう。それだけ地獄が恐ろしいところである反面、浄土は素晴らしいところと考えられます。源信と同じ時代、時の権力者藤原道長も浄土に強い憧れを持ち、臨終にあたり、ブッダと同じように北枕で西に顔を向けて亡くなったと言われます。

とまあ、真面目な話はこんなものですが、実際のところ、私は地獄について考えると、ついつい『鬼灯の冷徹』を思い出してしまいます。画像は問題があるかもしれませんので控えますが、このようなシュールなマンガは現代だけかと思いきや、そんなこともなかったようで、江戸時代にはたくさんのパロディがあったようです。耳鳥斎の地獄図巻はつい笑ってしまいます。またこの展示で始めて知ったのですが、河鍋暁斎の閻魔・脱衣婆図は鬼灯の冷徹そのものだったと思います。また私は山東京伝が好きで、この世は善人ばかりになって、みんな浄土に往ってしまうので、地獄がガラガラになっている話など笑ってしまいます。恐れも大事ですが、それを乗り越えて楽しみに書き換えるのは、日本人の英知の一つというのは言い過ぎでしょうか。



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