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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

疑問力を養いましょう

2016年11月10日

テーマ:勉強方法

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

今、必修では、後期試験に向けた授業をしています。まず最初は、いつも通り、エラーチェックから始まります。エラーチェックができるようになったら、エラーに気づけるようになります。実はこれが一番難しいところですし、エラーに気づけない人は、エラーのまま、思考を進めようとします。壊れたPCが自分でメンテナンスをするようなものです。何をしてもうまくいくはずがない要素は、最初のエラーチェックにあります。エラーに気づけるようになったとして、次にすることは、当然ながら、エラーの修正です。エラーに気づくだけでも十分な面もありますが、せっかく気づけたのなら、さらに進めた方がいいでしょう。エラーの修正は、まず疑問を持つところから始めます。そして、疑問を連鎖させていきます。疑問の連鎖こそが「深い」の正体です。
こんな授業をしているところに、衝撃的なニュースが来ました。アメリカ大統領選挙です。誰もが予想していなかった、トランプ氏という人が勝ちました。さすがに私も驚きました。ときどき小林よしのり氏のように、日本人が自分で自分のことを考えるようになるから、トランプ氏が勝てばいい、ということを言う人はいましたが、本当に勝つと思っていた人は「どれくらい」いたでしょうか?この方は、行政経験がない人物だったと記憶しますが、「なぜ」この人物がアメリカの大統領になれたのか?という問いかけは、世界中を駆け巡り、一週間もあれば、大量の情報が出るでしょう。まず皆が知りたいのはそこだからです。おそらく多くの人は不安に感じていると思います。なぜかというと、テレビやネットで映し出される人物像が、あまりにも多くの人の不安をかきたてるからです。「じゃあ」、このトランプ氏という人は「どんな人」なのか?という問いかけも皆が持つでしょう。過激な発言をすることで名をはせた人ではありますが、その人の本来の人物像は審らかではありません。ここまでは、選挙のネガティブキャンペーンで「とんでもない人」とお互いにレッテルの張り合いをしていましたから、「ザ・下品」のような人物像しか写されていませんでした。しかし、実際のところ、誰もその人物像は知らないでしょうから、これから「関係者」「知人」といった(怪しい人も含めた)人々がたくさん出てくるでしょう。まずこの人を知ろうとするところから始まるでしょう。
その上でさらに、「じゃあ」アメリカは「どうなる」のか?世界は「どうなる」のか?日米同盟は「どうなる」のか?安保は「どうなる」のか?などなど、「どうなる?」系の疑問は、無数に出るでしょう。
「じゃあ」ヒラリークリントン氏は「なぜ」負けたのか?あんなに優勢と伝えられたのに。もしかすると、アメリカ国民以外は、皆、希望的観測で、「さすがにトランプ氏が勝つことはないだろう」程度の予測しかしていなかったのではないか。どちらかかが勝つというよりも、どちらが負けるかという選挙だったたことは間違いありませんが、こういった選挙の場合、どちらかが負けてもおかしくはありません。「なぜ」そんなに人気がなかったのか?行政実績、女性票など、追い風はたくさんありました。「どこが」戦略ミスだったのか?という選挙自体に関する問いかけも多くなるでしょう。
この「じゃあ」というところが連鎖として大切です。これが増えれば増えるほど、自分なりの疑問のネットワークが構築されていきます。今回の大統領選挙は、疑問がありすぎて困るというくらい疑問の宝庫です。疑問力を鍛えるのに、これほどの教材は滅多にありません。是非、「じゃあ」を駆使して鍛えましょう。


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