物の値段は安ければ安い方がいい？　～安さでは得られない満足の心理学～

2014年3月30日

テーマ：なるほどおもしろ心理学

コラムカテゴリ：メンタル・カウンセリング

喫茶店でくつろぐにしてもホテルなんかの施設を利用するのでも
スーパーや量販店などでただ物品を購入するのとは違い
どうしてこんなに料金が高いんだと感じる事ってないですか？

わざわざ喫茶店で高いお金を払ってコーヒーを飲むくらいなら
どこかスーパーなどで購入して来て自宅で飲んだ方が安上がりです。

ではなぜ喫茶店で出されるコーヒーは高いのかというと
原料や焙煎・製法に手間ひまかけてるからというのももちろんありますが
実はその場所の利用料にあるわけです。

ただコーヒーが飲みたいなら自販機などで購入してその場で飲めばいいのです。
しかし時間や空間というのはお金では手に入りません。
その場所を利用する、あるいは共有する付加価値が料金に反映されてるわけですね。

喫茶店でなくても、時間と空間を提供してくれるような場所というのは
材料費や手間賃だけでなく、そこを利用する事でしか手に入らない
付加価値としての利用料が料金に含まれてるわけです。
だからその分高くなるんですね。

何度も言いますが、ただコーヒーが飲みたければ
商品代だけを払って好きな所で飲めばいいのです。

しかし同じコーヒーでも
喫茶店で飲むからこそ格別な味わいを堪能出来るのであって
これがそこら辺の路上で飲むコーヒーなら
ただ喉の渇きを潤すために飲んでるのと同じです。
これではあまり味を楽しむ事には繋がりませんよね。

そうではなくて、何か目的以上の付加価値のために
人はわざわざ高いお金を払って
そこで得られる満足として時間や空間を利用してるわけです。
いわば一種の投資であると言っていいでしょう。

でなければ自分の自由な時間に好きな場所で好きなように過ごしてた方が
ずいぶん安上がりで生活出来ますから。

自分の好きなように過ごしてるにも関わらず
なぜかそれでは満足出来ないんですね。

喫茶店で飲むコーヒーは、ただ多くの利益を得たいために
市販されてるコーヒーより高いわけではないんですね。
観光地でのお土産物屋さんや宿泊施設が一般の所より高いのも
同じ理由で割高になってるんです。
そこに目的以上の、高いお金を出してまで利用したいと思うだけの価値があるから。

そうでなければ何のためにその地を訪れるのかわかりませんし
寝るという目的を果たすだけなら、テントか寝袋でも持ってそこらで野宿でもすればいいんです。

人生に付加価値がなければ、これ程素っ気ないものはありません。

高いかどうかももちろん大事ですが
物事の価値を値段だけで判断するのではなく
付加価値の部分にも目を向けて見ると
人生がより一層味わい深いものになるかもしれませんね。

京都カウンセリングラウンジ
宮本　章太郎

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