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コラム

テレワークとハラスメント

2020年5月12日

テーマ:テレワーク

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 働き方改革ハラスメント防止パワハラ問題

社労士&アンガーマネジメントファシリテーターの三谷です。

今回は、テレワークとハラスメントについての話です。

ハラスメント、特にパワハラに関しては、
2019年5月に企業・職場でのパワハラ防止を義務づける「改正労働施策総合推進法」(いわゆる「パワハラ防止法」)が成立し、
大企業では2020年6月から、中小企業では2022年4月から対応が義務づけられます。

セクハラに関しては、すでに男女雇用機会均等法でセクハラ防止措置を講じることを会社に義務づけています。

ハラスメントにはパワハラ、セクハラ以外にもマタハラやパタハラ等の各種ハラスメントがありますが、
テレワークにおけるハラスメントというのはどういうことでしょうか。

ZOOMやTeams等のWEB会議が新型コロナ禍の状況で一気に加速した感があります。
在宅勤務者とのコミュニケーションをとるツールとしてはなくてはならないものになっていますが、トラブル事例も聞いています。

それは、WEB会議をする際、顔出しを強制されることに違和感を感じている、という話です。
私は顔出しに全く抵抗感がなかったですし、むしろお互いの顔が見れて感動したくらいなので、この話を聞いたときは驚きました。

在宅勤務者の場合、自宅ということもあって、
顔出しをするとその背景の自宅の様子までもが映ってしまい、「見られたくない」という方もいます。
確かに、システム操作で背景を変えることができたり、自分が移動することでそのような問題は解決できますが、
操作に不慣れな場合やベストなポジションへの移動ができないこともあるでしょう。

そのような方に顔出しを強制するとパワハラになる可能性があるのです。

パワハラは、上記の法律によって、次のように定義されています。
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
③労働者の就業環境が害されるもの

この状況であれば、②と③に当てはまるか問題となりそうですが、
仮にWEB会議で本人の表情などから健康状態をチェックする等の必要性があっても、
本人のプライバシー(自宅の様子等)を晒させることは相当といえないのではないでしょうか。

そうなると、自宅での仕事という就業環境が害されることになりますので、
パワハラと認定される可能性もでてきます。

そして、メンタルヘルス問題と同じように、
ICT機器の操作に不慣れな上司に対する部下からのパワハラもでてくるでしょう。

優越的な関係は、上司部下という立場上のものだけではありません。
知識や経験の優位性をもって部下から上司に対するパワハラもあるのです。

この記事を書いたプロ

三谷文夫

労使ともに幸せになるための労務管理のプロ

三谷文夫(三谷社会保険労務士事務所)

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