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一旦導入した固定残業手当をやめる場合の課題とは

2019年5月30日

テーマ:労務管理

コラムカテゴリ:法律関連

「固定残業手当をやめて、通常の残業代にもどしたい」

先日、このようなご相談をある総務担当者から受けました。
その経緯を聞くと、どうやら社長が人件費の見直しを計っているとのこと。

最近では、固定残業手当を導入したい、ではなく、
固定残業手当をやめたい、というご相談も増えてきました。

このような固定残業手当をやめる場合に発生する課題はこちら。

①固定残業手当代をそのまま減額すると、給与の支給額が減ることになる。
⇒労働条件の不利益変更になるため、労働者の同意が必要。

例えば、基本給25万、固手5万の場合、基本給25万のみにするというものです。
これは労働者にとっては納得いくものではないでしょう。
なかなか同意をとることは難しいものと思われます。

②固定残業手当代を含めた総支給額をそのまま維持する。

例えば、さきほどの例でいうと、30万円を新しい給与額とする、ということです。
確かに、今までと変化はないように思いますが、
残業が発生したら別途残業代も支給されるため、30万円プラス残業代となり、
企業にとってはコストアップとなります。

そもそも、固定残業手当導入の目的が、残業代を減らすため、ということが多いため、
いざやめようとすると、このような課題が発生します。

ご相談を受けた会社でもこれから見直しを計っていく予定ですが、
①②のような問題があり、賃金制度全体の見直しから行うことにしました。

安易に固定残業手当を導入すると、後々うまくいかないこともありますので、
その導入目的や適用対象者、手当額の妥当な範囲等、しっかりと制度設計してから
導入しましょう。

この記事を書いたプロ

三谷文夫

労使ともに幸せになるための労務管理のプロ

三谷文夫(三谷社会保険労務士事務所)

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