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岸井謙児

カウンセリング歴35年、経験と信頼のカウンセリングのプロ

岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

カウンセリング・オフィス岸井

コラム

彼らは何も悪いことはしていません。もちろん私も同じです。

2015年1月10日

テーマ:ちょっと気になるあれやこれ

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

<<今年初めて号泣したかもしれない。
そのあと友人が宥めてくれたけど、しばらく涙は止まりませんでした。
お願いなので、大人は子供に正しい知識を教えてあげてください。
こういうことで、世間の理解が狭まると本当に嫌なので。
未来のためにもお願いします >>

これはあるtwitterから引用した文章です。
この方は一体どういう理由で「号泣」し「しばらく涙がとまらな」かったのでしょうか。

実はこの方は聴覚障害があり、音が聞こえづらいため、
健常者の友人とは手話で会話しているのだそうです。

ある時、いつものように手話で会話をしていたら、
その様子を目撃した子どもが母親にこう話しかけました。

「おかーさん、あの女の子たち、おててつかってはなしてるー」

子どもの驚きとしては自然かもしれませんね。
むしろ良く見ていたものだなぁ、とも思います。

もしあなたの子どもが同じように話しかけてきたら
あなたはどう説明してあげますか?
「手話」とは何か、なぜ「手話」を使わなければならないのか、についてわかりやすく説明してあげるのが
ごく自然ではないのか、と私はそう思います。

ところが母親はなんとこういう説明をしたのだそうです。

「あの人たちはね、悪いことをしたから、神サマに音をとられちゃったの。
だから、タッくんもいいこにしないと音をとられちゃうわ」
と説明したそうです。

これに子どもは
「わるい人なの!なにしたんだろーね?」
と答えを返したそうですが、
もし子供が本当にそう思い込んでしまったら・・・。

このtwitterのユーザーさんは、全く音が拾えないほど聴力が低いわけではないらしく、
この言葉は聞き取れた、とおっしゃっていました。
しかしその会話を聞いた時の胸の内を想像すると、冒頭の哀しみや怒りは当然でしょうね。

彼らは何も悪いことなどしていません。
もちろん私も同じです。

実は私も片耳が先天性の難聴です。
その後聴覚障害児・者と関わる中で手話も勉強してきました。
彼らにとって「手話」は「言語」なのです。

繰り返しますが、
彼らの耳が聞こえないのは、決して
「神サマに音を取られるようなわるいことをした」
からではありません。

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これに関する記事はこちら
耳が不自由というツイッターユーザーのツイートが波紋を呼ぶ 

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