能力の低い人ほど、自分を「過大評価」する
インセンティブ制度導入は、メリットもあるけどデメリット
もあるという話をいい記事から引用してとりあげます。
東洋経済オンラインの下記の記事より
気軽に始めて職場崩壊「危険な人事制度」2選
この記事の中で気軽に始めると危険としている制度の1つで
インセンティブ制度をあげているのですが、確かに経営者は
インセンティブ制度の問題になりやすい点をわかっていない
と思うことがあります。
この記事でインセンティブ制度は、報酬を評価によって変動的な
部分を多くする制度ですが、不安定な制度でもあり
評価が高い人は報酬もやった分だけもらえるからいいという
のは経営者の目線であって、それでは裁量のほう、行動も
自由にさせていいかということですが、やりたいようにやらせないと
矛盾がおきてきます。でもなんだかんだいって指示を出したり
制約をかけていたりして実は自由度がないこともあるのに
それで成績が出ないから報酬は最低限となると働く側は
たまったもんでありません。
そして私がすごく納得したのがその問題点1という記事の
指摘している部分です。
こちらのブログで過去とりあげたことのあるフロムの
「自由からの逃走」を引用しているところもまさにそのとおりと
思いました。
下記 記事より部分的に引用
1つは、経営者が思うように、人は自由にすれば自律的に動くわけではないということです。
心理学者エリッヒ・フロムの古典的著作『自由からの逃走』ではありませんが、人は自由になりたいと願うくせに、本当に自由になると何をしてよいかわからなくなってしまうことも多いのです。ある程度スキルがあり、成熟している人材以外にとっては、「自由にしていいよ」という言葉は「脅迫」です。極端ですが「奴隷の自由」という言葉すらあります。
ですから、大半の人にとっては、「こうしてほしい」とオーダーされるほうが本当はマシですし、実際に成果も出るのです。
引用ここまで
若い人、または組織がしっかりできあがっていないときに
このようなインセンティブ制度などつくっても、どうしていいかわからず
つぶれてしまい、頑張れば稼げるし、あとは自己責任だからやれといわれても
会社の戦略はこうだから、このようにして○などをツールとして∇方面を
せめていこうなどとおう方針はやはり必要です。
そういう支援を会社が仕組化して戦略を組む場合、会社が言うとおりに
動けばいいのでインセンティブもそんなに払えませんが、それでも
安定的な収入のもとで最初のところは仕事を丁寧にして進めていくと
いうのも育成のスタンスとしてはいいのだろうと思います。
インセンティブ制度というのは響きはいいけど、できない人、どうしたらいいか
分からない人、そこまで深く考えて今まで仕事に取り組んでいない人には
苦痛であり、職場崩壊にいたる可能性もあるということを指摘したいのだと
思いましたし、実際そう思います。同僚はライバルですから情報は共有しないし
ライバルになる相手と仲良くなるわけはないので社内の組織体制が崩壊し
てしまうこともあり得るわけです。
インセンティブ制度があれば従業員がやる気になって業績があがるのではなく
一部の社員にとってはどうしていいかわからなくなり、それが組織の足並みを崩し
全体としては数字が伸びないというか落ちこぼれる社員が出てくることになるという
ことです。
そういう落ちこぼれる人は仕方ないとして高い報酬と引き換えなので
稼がない人はやめていくのが、普通になっている業界がありましたが
そういう仕組みでは将来的にみてダメだと気付いて業界もかなり変わってきていますね。
最後に人事制度を安易に流行にしたがって導入するのはおすすめできませんし
特にすぐよその会社がやり始めたからといって飛びつくのはやめておきましょう。