賞与の算定対象期間について労働トラブルから考えてみた
当社の従業員が、奥さんと離婚していたのに会社に申告
せず、約2年以上にわたって不正に家族手当を受け取ってい
たことが発覚しました。
会社側にもまったく問題がないというわけでもないのですが、
こちらからもわざわざ聞くことでもないので申告どおり何の疑いも
もっていませんでした。
今回は、かなり悪質でなおかつ配偶者の分と子供の分あわせて
総額90万円近くになりますので、解雇したいところでもありますが、
法律上の考え方とこのあとの対応を教えていただけないでしょうか。
今回の内容では、懲戒処分をうることは可能ですが
懲戒解雇にできるレベルではないので、就業規則に則り
処分を決めます。
2年間という長さをどうとらえるかですが、企業側にも問題
あるかもしれません。
だからといって悪質な不正受給が許されるわけではありません。
別途不正に支給を受けた手当については当然全額返還してもらう
ことができます。
今回の場合は不当利得となります。嘘をついて家族手当を
もらっているので、2年の時効などは関係なく、民法703条が適用されて、
過去10年以内の返還請求ができます。
当然すぐに返すことができないことも考えられますので
給与から天引きするのも1つの方法で、全額いきなり天引き
したりすることはできませんが、給与の4分の1までなら可能と
なっています。もちろん本人の同意ありきです。
本人が悪いのはもちろんですが、会社側はこのような不正を
予防するための施策を考えることも重要です。
2年間というと年末調整も虚偽の申告だったからわからなかった
ということでしょうけど、マイナンバー導入でこういうことも
少なくなると思います。



