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庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(しょうじひでたか) / 社会保険労務士

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

コラム

退職金減額「十分な説明を」 最高裁初判断、労働者の自由意思必要

2016年3月10日

テーマ:退職金・企業年金

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 退職 手続き退職金制度 導入

退職金制度の改革、企業間の合併、転籍、
就業規則の改定などでトラブルが比較的多いのが
退職金の不利益変更や未払い関連で、過去に私も
様々な案件をやってきましたが、合併は、とても
難しいので、高度な業務になります。


退職金はあとになって問題が出てきたり、その時は
同意しても無理やりだったとか、とんでもない不利益変更をして
いたとか、退職金を払わないようにするために合併したり
することがあるようですが違法とみなされることも結構あります。


そしてたくさんの裁判例がありますので、考え方だけは間違えない
ように注意してください。

さて、下記ニュースは、形式的に同意はあったけど、説明が足りないということ
で会社側に問題ありとしています。

詳細はともかくとして同意があれば何でもできると思ったら大間違い
です。忘れたころに退職金トラブルは水面下に眠っていたのが爆発を
起こし、他の人も巻き込んで拡大していくのです。



産経新聞より

退職金減額「十分な説明を」 最高裁初判断、労働者の自由意思必要

 山梨県内の信用組合が合併を繰り返し、誕生した山梨県民信用組合(甲府市)が退職金を大幅に減らす規定変更を行ったことは無効として、旧峡南信組出身の元職員が山梨県民信組に合併前の基準での退職金を支払うよう求めた訴訟の上告審判決で最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は19日、賃金や退職金を減額するなどの不利益変更には「事前に経営者側が十分な説明を行うなど、労働者側が自由意思に基づいて同意していることが必要だ」とする初判断を示した。

 その上で、原告側敗訴とした2審判決を破棄し、東京高裁に差し戻した。高裁では、原告側敗訴の判決が見直される可能性がある。

 山梨県民信組は平成16年に新たな退職金規定を導入し、職員側も同意した。しかし、旧峡南信組出身の職員にとっては、退職金がゼロになるか大幅に減額される内容だった。

 1、2審はいずれも「職員側の同意は有効」として請求を棄却したが、第2小法廷は「労働者は経営者側の命令に従うべき立場にあり、意思決定の基礎になる情報収拾能力も限られる。形式的に同意しているだけでは不十分だ」と指摘した。

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