「業務上必要性欠き違法」女性飼育員の配転無効
労働者として勤務していた東京・銀座のクラブから不当に解雇
されたとして、ママとして働いていた女性(45)がクラブ側に損害
賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(鷹野旭裁判官)は
「労働契約ではなく、業務委託契約だった」とし、女性は労働者
ではなかったとの判断を示しました。
「労働者に対する不当解雇だった」として、契約満了までに受け取れ
たはずの報酬額として約1200万円をクラブ側に求める訴えを起こして
いたわけですが、この訴えた方は、解雇されたあとも他で働いて稼いで
しまっているというのもちょっと問題ですね。
このニュースは、ヤフーニュースでも取り上げられて、かなり
細かく専門的なことが書いていますが、私はざっくりその理由を
短くまとめておきます。
出勤は一応月曜~金曜、午後9時~午前1時だが、時間は自由。
報酬は女性が売り上げた額の60%とのこと。
クラブという箱とお店のブランドを貸しているような
イメージもありますが、勝手にやられすぎても困るし
お互いいいとこどりしようとすると結局トラブルになります。
何時に出退勤するかが自由とされ、他のホステスとは待遇が
違っていたとのことで、労働者ではないとしてクラブ側は主張
しています。そしてまさにそのとおりと私は思いますが、詳細が
わからないのであまり断言はしないほうがいいと思います。
地裁では女性の報酬額は、約150人の自分の顧客の支払額
に対する歩合で決まっていたことから、女性の報酬は接客の対価で
はなく、顧客を店に呼んでクラブに利益をもたらすことへの対価であ
ったので労働者には該当しなかった」と認定しています。
あとはおまけですが、東京地裁は「女性の平均月額所得は131万円だった」と
認定。ただ、女性はこのクラブとの契約解除後、本来の契約期間が終わる26年
11月までに、別のクラブで働き約900万円の報酬を得ていたので、その差額は
支払うように命じたようです。
すべてのホステスがこのようにプロ契約があるとはいえませんので実態に照らしあわせて
考えることが大切です。今回地裁は、正しい判断をしていると私は思っています。現場
の仕組みがわかっているかどうかが大切です。
接客の対価ではないから、とにかく店に連れて来ればお金には、なるということ。
たくさん同時に接客はできないし、ぶっちゃけ、お金を使わない客には接客の時間も
あまり使えないし、それでもうまいこと言って、次回も来店してもらうために
いろいろフォロー。その調整を自分でできるし、指揮命令は、受けていないわけです。
労働の対価ではないわけで、働かなくてもいかにお金を落として
くれるかということが、ポイント。店とホステスがお互いに協力し、
頑張ればもめることはないのでしょうが
クラブ側が、理由があって契約を解除したことでこのような事件になってしまい、
注目を集めてしまいました。
産経新聞より
銀座クラブのホステスは労働者じゃない? 東京地裁判決
が「労働契約」ではなく「プロ契約」と判断したワケ…
http://www.sankei.com/premium/news/151122/prm1511220017-n1.html
最近、労働者性ということについての判決には興味を
持つようにしています。実は、この労働者性というのは
大きな事故が起きたときに大変なことになるということを
よく理解しておいたうえで仕事をやってもらわないといけません。