パワハラ、部下が逆転勝訴 専門家なのにという声
今回は、ヤフーニュースにもリンクされた福井の会社の
パワハラ自殺認定で直属上司にも慰謝料支払判決が
出た事件の紹介ですが、7200万円という金額は
かなり大きく大変気になります。
今回は手帳の記録に上司が発言した内容が書かれており
それらがとても重要な位置づけになりました。
いずれにしてもこのような会社は、今回の判決を
受けて反省し、労働環境を改善すべきですが、
両親のコメントをみると会社のスタンスもひどい
ようで、今後が心配です。
こういう会社は地元で商売しているわけですから
今後の採用に影響が出てしまいそうです。
パワハラは、会社だけでなく個人が責任を負う時代に
なったことを証明する典型的な事件となりましたので
ますます企業側の対応が重要です。
自分の部下がさらにその部下にパワハラをしたときでも
上司は責任を問われる可能性がある以上、きちんと
部下の管理をしないといけません。
福井新聞
パワハラ自殺訴訟、認定の根拠は上司発言記した手帳 福井の会社・直属上司に賠償命令
消火器販売などの「暁産業」(福井県福井市)に勤めていた男性社員=当時(19)=が自殺したのは上司の暴言によるパワーハラスメント(パワハラ)が原因として、男性の父親が会社と当時の上司2人に対し、慰謝料など約1億1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決言い渡しが28日、福井地裁であった。樋口英明裁判官は「典型的なパワハラ」として、同社と直属の上司に対し約7200万円の支払いを命じた。管理職の上司に対する請求は棄却した。
原告側代理人によると、自殺の原因をパワハラと訴えた訴訟は県内で例はなく、未成年に対する認定は「全国でもおそらく初めて」としている。
樋口裁判官は判決理由で、男性がメモに残した直属の上司の暴言について「仕事上のミスに対する叱責(しっせき)の域を超え、男性の人格を否定、威迫するもの」と認定。さらに自殺した本人の過失はない、として賠償額の過失相殺をしなかった。
会社についても、直属の上司に対する管理責任を認めた。管理職の上司については「パワハラの実態を把握するのは困難」として責任は問えないとした。
判決文などによると、男性は2010年4月に正社員として入社。直属の上司から「死んでしまえばいい」「辞めればいい」などと言葉によるパワハラを受け、同年12月に自殺した。福井労基署は12年7月、男性は上司からのパワハラが原因で自殺したとして労災認定した。
男性の父親は「当然の結果だと思っている。この判決を受け、社長はどう責任を取るのか」とコメントを寄せた。
同社は「担当者不在のためコメントできない」とし、被告代理人は「パワハラはなかったと確信しており、控訴する」とした。
■手帳に記された上司発言が根拠に
「学ぶ気持ちはあるのか、いつまで新人気分」「毎日同じことを言う身にもなれ」「今日使った無駄な時間を返してくれ」「いつまでも甘甘、学生気分はさっさと捨てろ」(原文まま)―。判決の「典型的なパワハラ」の根拠となったのは、自殺した男性が手帳に記した、上司の発言23カ所だった。
この手帳には、上司の指導の一環で、注意を受けたことなどが書き記されていたという。
判決で、数々の言葉は高卒新入社員の男性への心理的負荷は「極めて強度である」と認めた。原告代理人は「言葉を具体的に取り上げた認定は珍しい。今後、同様の発言をすればパワハラになるという指標になるのではないか」と話した。
全国では、昨年6月の仙台地裁判決、今月の東京地裁判決で自殺原因が、会社や上司のパワハラと認定されている。原告代理人は「パワハラをしたら個人も責任を負う時代にきている」とした。
男性の父親は「会社の代表者や当事者はまったく謝りません。判決は当然の結果。謝らないなら許さない」とコメントを発表、会社への怒りや憤り、息子を亡くした悲しみの言葉が並んだ。コメントは「息子が亡くなってすぐに会社は求人募集をしておりました。福井は全国でも住みよいところ、といわれております。より良い故郷になるよう願ってなりません」と締められていた。