特定受給資格者の範囲の基準の追加  平成26年 雇用保険法改正 

庄司英尚

庄司英尚

テーマ:雇用保険

平成26年4月に改正雇用保険法が施行されました。

さまざまな改正がありましたが、実は退職者には
大変関心が高い項目である失業に関する給付について
も改正がありましたので、事業主側も押さえておかなければ
なりません。

注目すべき点は、特定受給資格者の判断基準について内容が追加
されましたので、追加になったところをとり上げておきましょう。
 
所定給付日数の区分は大きく3つに分かれており、
①定年・自己都合等の理由で退職した一般の受給資格者、
②障害者等の就職困難者、
③倒産・解雇などにより再就職の準備をする時間的余儀なく失業した特定受給資格者

その他として有期労働契約者が雇止めとなり離職した場合等に該当することとなる
特定理由離職者も条件によって特定受給資格者となります。

特定理由離職者については、こちらに詳しく記載がありましたので
参考までに後ほど御覧ください。
特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準-
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/koyouhoken03.pdf

この特定受給資格者になるかどうかにより
大きく変わってくるので、退職後に離職票に書いてある
離職理由とは違うということで訂正を求められることが
たくさんあります。

またこのような特定受給資格者が出ると助成金の受給ができなく
なってしまうものもあり、離職理由はとても大切なところで
勝手に事業主が、退職者に頼まれたからと言って虚偽の離職理由を
書いたりすると大変なことになり、数百万円がパーになってしまう
こともあるのです。注意しないといけませんが、そこがリンクして
いることがわかっている人はなかなか少ないので私たちが
わかりやすく説明していかなければならないわけです。

さて、ここからがさらに重要で
今回の改正により、特定受給資格者の判断基準に以下の2点が追加されました。

1 賃金の支払が遅れたことによるもの
 賃金(退職手当を除く)の額の3分の1を超える額が支払期日までに
支払われなかった月が引き続き2ヶ月以上となったことに加え、
支払期日までに支払われなかった月が、離職の直前6ヶ月の間に
3月あったことにより離職した者が追加。

2 長時間労働によるもの
 離職の直前6ヶ月のうちに3月連続して45時間あったため
離職した者に加え、離職の直前6ヶ月のうちに1ヶ月で100時間
または2ヶ月から6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働が
行われたため離職した者が追加
 
国の方針は、法改正と予算を見ていればよくわかるといいますが
出来る社労士は、ここを先読みしてビジネスを組み立てていきますし
ストレスチェック制度創設にあたっては民間企業もすでにかなり
準備を進めているのではないでしょうか。

いずれにしても過重労働に関して国は、かなり気にしていますので
抑止できるアイデアをいろいろつくって、メンタルヘルスの問題とあわせて
解決にかなり力を入れているというところです。

景気が少しよくなっていることもあり、人手不足な業界も多くなってきます。
過重労働が原因で体調不良になり退職したりする人が増えて
しまうのは、私たち専門家としても防いでいきたいです。

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庄司英尚
専門家

庄司英尚(社会保険労務士)

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

プロフェッショナル集団として学び続け、サービス業であるということを忘れず、何事にも全力で取り組みお客様の悩みを解決し、最終的には業績アップに貢献できるよう日々努力します。

庄司英尚プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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