マイベストプロ東京
庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(しょうじひでたか) / 社会保険労務士

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

コラム

カフェ ベローチェ 雇い止め事件 今後参考になる事件です。

2013年8月5日

テーマ:労使トラブル・労使紛争

コラムカテゴリ:ビジネス

今日は、喫茶店チェーンカフェベローチェの雇い止め
事件についてです。

カフェベローチェといえば、シャノアールが展開する
大手喫茶店チェーンということで安くて気軽に時間を
使うことができるサラリーマンのオアシスであり、
私もよく利用させていただいており、ちょっとした
ファンでもありますので報道を見てから、気になっていました。

カフェ・ベローチェ181店舗、コーヒーハウス・シャ
ノアール31店舗、カフェ・ラ・コルテ1店舗を擁する大手で
従業員数は、従業員5161名のうちパート・アルバイトは4769名と
パートアルバイトが、9割以上です。これは別に不思議ではなく
あのようなサービスを提供できるのは企業努力、そしてオペレーション
の素晴らしさですし、スタッフの接客もまあまあだと思っています。

今回は、喫茶店チェーン カフェベローチェを雇い止めに
なった有期雇用の女性が、地位確認を求めて提訴した事件に
ついてちょっと掘り下げて考えてみたいと思います。

私は決して会社を批判する気はありませんし、会社支援側の
スタンスなので誤解をされませんようお願いします。

私は、改正労働契約法直後のことで、特に上限5年を
意識して、新たにつくったと想定されるルールは
企業としては考えることとしては自然ですが、その
やり方は工夫しないといけません。

またこの有期雇用の更新の拒否については、その理由やそれまでの
経緯などから判断されると更新が形式的だったということらしいので
それが事実だったとしたら仕事の内容などを考えるとこれまでと
同じように判断されてしまう可能性があります。あくまで訴えた
側の意見でありますので、実態はこれからわかってくると思います。

しかしながらこれは単なる雇い止め事件とはちょっと違って
おりまして、ここまで発展しまったのには理由があったわけです。
少し細かく、調べていくとよくわかりました。さまざまな新聞報道だけでなく
MyNewsJapan のサイトや他の新聞も参考にさせていただきまして
ブログにこの事件のポイントをまとめておきます。

・この事件は、単なる雇い止め事件ではない

・定期的に従業員が若返ったほうがいい、そうでないと「鮮度が落ちる」という発言。まさに
 モノ扱いしている発言は許せず、提訴にいたった

・途中まできちんと話し合いをしていたのが途中で約束が反故にされた

・ 改正労働契約法が施行された直後の雇い止め、5年を上限とするルールの策定

・店長と同じ業務を行っている、名ばかりアルバイトで実際は正社員店長と同じでは?


これらは事実であればポイントになる部分でありますが、契約満了の
雇い止めをはじめとして、労使トラブルはちょっとしたボタンのかけ違い
がきっかけでその後、話し合っているときに今回のようなとんでもない
発言が出てしまい、取り返しのつかないことになるということになってしまいます。

経営者の中には、話し合いに応じずにそれで訴えるなら受けてたつと
いうような強気の発言をされる人がいますが冷静に考えてどちらが
正しいのか、客観的に考えることができるということが何より
大切です。強気でいくと大体は裁判されても、負けてしまいますし
やはり余計な差別的な発言は嫌われてしまいますのでやむを得ないですね。

一番最後に比較的わかりやすくポイントがまとまっている
毎日新聞の記事をそのまま紹介させていただきました。


毎日新聞より


ベローチェ:雇い止め女性提訴 「鮮度が落ちる」と言われ

毎日新聞 


 喫茶店チェーンの「カフェ・ベローチェ」を雇い止めになった有期雇用の女性(29)が23日、従業員としての地位確認を求めて東京地裁に提訴した。会社側から「従業員が入れ替わらないと店の新鮮度が落ちる」と言われたとして、損害賠償など227万円の支払いも請求した。

 訴状などによると、女性は2008年7月以降、千葉市の店舗で計4年11カ月勤務。3カ月ごとに契約を更新していたが、12年3月に会社から契約更新の上限を15回にすると通達があり、13年6月に雇い止めを通告された。

 正社員とほぼ同じ業務をこなし、契約更新も機械的・形式的なものだったとして、代理人の笹山尚人弁護士は「正社員の解雇と同一視すべきで、合理的な理由のない雇い止めは無効」と主張している。

 また、女性が加入する首都圏青年ユニオンとの折衝で、会社側は「定期的に従業員が入れ替わって若返った方がよい。これを『鮮度』と呼んでいて、従業員が入れ替わらないとその店の新鮮度が落ちる」と発言したという。女性は「野菜や魚のように『鮮度』と言われ、賞味期限切れのような言い方は許せない。生活の糧と同時に人としての価値も奪われた」と話している。

 ベローチェを運営するシャノアールは「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。【東海林智】

【株式会社アイウェーブ 公式サイト】

【日本橋ではたらく人事コンサル会社の社長ブログ】

私の取材プロフィール

経営者にためになる、お得なコラム満載 直近コラム 15件

社会保険労務士 庄司英尚

この記事を書いたプロ

庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設))

Share

関連するコラム

コラムのテーマ一覧

庄司英尚プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
03-5614-8480

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

庄司英尚

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

担当庄司英尚(しょうじひでたか)

地図・アクセス

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京の経営コンサルティング
  5. 庄司英尚
  6. コラム一覧
  7. カフェ ベローチェ 雇い止め事件 今後参考になる事件です。

© My Best Pro