産休と育児休業中で出勤が1日もない場合、その年の年次有給休暇は発生する？

みなさんこんにちわ

社会保険労務士の庄司英尚です。



今日は、年次有給休暇についてです。

年次有給休暇については、普段お客さまから
多数質問をいただくのですが、理解していただく
のは大変です。

それは労働者にとって有利なものが多く、経営者が
通常で考えるとそんなことはありえないと思うことは
結構あるからです。法律で定められている以上、仕方が
ないのですが、それでは納得がいかないこともあります。

その場合でも理解してもらえるようにわかりやすく解説を
しますが、そもそもの年次有給休暇の主旨というものを
わかっていない方も多いのでそこから話をすると理解して
もらえることもあります。年次有給休暇を使用者と労働者
の立場でみれば正反対なわけですし、そもそも労働基準法
は労働者の最低の基準を定めているということも忘れては
いけません。

さて前置きはさておき、今回の質問ですが、

産休と育児休業中で出勤が1日もない場合、その年の年次有
給休暇は発生する？

さっそく答えですが、年次有給休暇は、ご存知のとおり
全労働日の8割以上出勤した場合に、年次有給休暇が発生する
わけですが、この産前産後休暇と育児休業期間中は出勤したものと
みなすことが法律で定められています。（労基法第39条第5項）

したがって直近1年の間に1日も出勤していなくても年次有給休暇だけ
は、増えるというわけです。逆に育児休業中の期間が年次有給休暇の
出勤率を判断する際に、出勤しなかったものとみなしたら、育児休業
をとることを制約することになってしまいます。

産前産後休業も育児介護休業も労働者の権利で法律で定めがある
わけですから、出勤したものとみなすのは当然です。

参考までに、出勤日数の計算に当たっては、業務上の傷病による
療養のための休業期間も出勤したものとして扱います。

本日もコラムを読んでいただきありがとうございました。

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