社会保険労務士の選び方 その6
前回は、社会保険労務士の選び方 その3で開業した年やそれまでのキャリアなども確認しておくほうがいいということをお話しました。
今回はその4として、事務所の運営体制と事務所の立地や就業環境について事前に知っておいたほうがいいと思いますので簡単にまとめておきます。
まず事務所の運営体制は、従業員がたくさんいる大規模事務所から自宅を兼ねた事務所に社労士1人(本人)だけのところまでいろいろありますが、それぞれ特徴があります。
求めるスタイルに近いところが一番良いかと思います。やはり企業規模が大きくなるとともに付き合う相手も変わってくるのは、当然です。ただし、大きい事務所のほうがいいということは決してありません。
代表の社会保険労務士とざっくばらんに本音で話がしたいというお客様は多いものですし、システマチックに対応されることを嫌うお客様も多いのは事実です。
立地については近いところにある事務所のほうが相談しやすいという方もいらっしゃいますが、最近は気にしない方も増えてきました。
また社内で話しにくいことも多いので、訪問して気軽に相談したいというニーズが多数あります。したがって社会保険労務士の事務所にも訪問させていただいて相談スペースや就業環境などをみせていただくのも重要です。
どのような場所で仕事をしていて、相談したいときに訪問できる環境なのか、また書類の管理状況や事務所のセキュリティ体制、パソコン環境などもできるだけ確認しておくとよいでしょう。
その事務所のビルやオフィス環境などをみると事務所の方針やスタイルなども少しみえてくると思います。
ホームページだけでは、そのあたりはわからないものですし、住所が一等地にあるから安心ということはありません。
最近は、住所貸しをするサービスを提供している会社も多く、1人で起業するのは便利です。
それゆえ、社会保険労務士も住所だけ(電話も秘書電話)登録し、お客さんと面談をする場所すらないところもあるのでそういう人は、信用されないのではないかと私は個人的に思っています。
またレンタルオフィスで、その運営会社の会員になってその面談スペースを共有し、それと別に机を含めてわずかのスペースを借りているケースもあります。その場合でも個室になっているところもあれば、ただ机を大量に並べていてそこを自由に使えるようになっている仕組みのものもあります。
私は、このようなサービスを否定するわけではありませんが、やはり守秘義務などの問題もありますし、人のトラブルや重要な経営に関する問題を扱っているものは、このようなところがオフィスになるというのはあまり好ましくないと思っています。
これと似たようなもので、合同事務所や他の会社の一部に机だけおかせてもらって仕事をしているという社会保険労務士もいます。毎月のランニングコストを抑えることができ、そして困ったときにいろいろ仲間に相談できたりすることもあり本人にはメリットも多いのですが、お客様候補の人からみてそれらをどう判断するのかは、それぞれだと思います。
もちろんお客さんになる人がそういう環境であることをわかっている場合、きちんと説明している場合で、相手がそういう状況は理解したうえで契約しているのであれば、なんら問題ありません。
最後に、お客さんが社会保険労務士と契約して、その方の事務所に普通に遊びにいったらレンタルオフィスで受付しかなく、個室はなく共同の長机の作業スペースしかなかったということもあり、信用の問題もあり即契約解除したというような話もあるとうわさで聞きました。
特に顧問契約する場合には、長い付き合いになるので、今回取り上げたオフィススペースや就業環境なども含めて信頼できる人(事務所)を選ぶのが基本です。
関連コラム 社会保険労務士の選び方 その1
http://mbp-japan.com/tokyo/iwave/column/1116
関連コラム 社会保険労務士の選び方 その2
http://mbp-japan.com/tokyo/iwave/column/1142
関連コラム 社会保険労務士の選び方 その3
http://mbp-japan.com/tokyo/iwave/column/1191