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安部元隆プロは大分朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

腰痛対策にうってつけ!運動スピードを変える「神経科学アプローチ」のご紹介

安部元隆

安部元隆

テーマ:腰痛



こんにちは、GENRYUです(^^)
腰痛に悩む方、多いですよね。
デスクワークや長時間の立ち仕事で「腰が重い」「動くと痛む」…
そんな経験はありませんか?
ストレッチや筋力トレーニングを頑張っても改善しない場合、
問題の根源は「脳の運動制御」にあるかもしれません。
今回は、運動の「スピード」を戦略的に変化させることで、
見落としがちな腰痛の問題を改善する方法を、神経科学アプローチと
最新の医学的根拠に基づき、解説します!
脳と体をつなぐセルフケアで、腰の動きをスムーズにしましょう。
ぜひ、最後までご覧ください!


1. 腰痛の隠れた原因:脳の「好みの速度」と信頼問題
腰痛は、筋肉の緊張、椎間板の負担、姿勢の不良など、組織的な要因で
生じることが一般的ですが、適切なストレッチや筋力強化を行っても改善しない場合、
「脳の運動制御」が鍵を握っています。
長年の研究で、人は脳の機能に基づき「好みの動きの速度」を持つことがわかっています
(Moseley & Butler, *The Journal of Pain*, 2015)。
この「好みの速度」に固執すると、脳は新しい刺激を受けず、
神経の可塑性(適応能力)が発揮されません。
その結果、腰痛や関連する動きの制限が停滞します。
脳が腰や脊柱の動きを「信頼」しない場合、防御的に筋肉を緊張させ、
痛みや不快感を引き起こします。
たとえば、7人に「腰を回して」と指示すると、最初は似た速度で動いても、
繰り返すうちに各人が「快適な速度」に戻ります。
この「快適さ」は脳の効率性を反映しますが、脳に新しい課題を与えないため、
根本的な解決にはつながりません。
このブログでは、運動の速度を「超スロー、標準、協調、スポーツスピード」の
4段階に変化させることで、脳の運動制御を再教育し、
腰痛を解消するセルフケアを紹介します。
これにより「組織の問題(筋肉・関節)」と「神経系の信頼問題」の
両方にアプローチし、根本的な改善を目指します。
「医学的根拠」
- 脳の運動制御は、前頭葉や小脳が関与し、単一速度の運動は神経の可塑性を制限する
(Gandevia & Burke, *Physical Therapy*, 2010)。
- 多様な運動速度は、前頭葉の実行機能を活性化し、運動制御と感覚処理を改善
(Bialosky et al., *Physical Therapy*, 2018)。
- 慢性腰痛は、神経筋制御の乱れが関与し、組織の問題だけでは解決しない場合がある
(Hodges & Moseley, *Spine*, 2003)。


2. なぜ運動のスピードを変えるのか?
脳は、慣れた速度での運動に「快適さ」を感じますが、
これは脳の「デフォルトモード」であり、新しい学習や適応を促しません。
運動の速度を変化させることで、脳に「新しい課題」を与え、
神経の可塑性を引き出すアプローチを重視します。
たとえば、車を運転する際、常に時速40kmで走るのは非効率で、
状況に応じてアクセルとブレーキを使い分けるように、
運動でも速度の「スロットル制御」が必要です。
「4つの速度(超スロー、標準、協調、スポーツスピード)」を取り入れる理由は、
以下の通りです。
1. 超スロー(60~90秒/1回):関節の可動域や制御性の問題をあぶり出し、
  前頭葉の実行機能を強化。
2. 標準(5~15秒/1回):自然な動きよりも遅く、脳に意識的な制御を要求。
3. 協調(個人の快適な速度):脳が最も効率的に動く速度だが、過度に依存すると停滞。
4. スポーツ(最大速度):爆発的な動きで神経筋の反応速度を向上。
これらの速度を戦略的に組み合わせることで、脳は腰の動きを「安全」と認識し、
筋肉の過緊張や痛みを軽減します。
以下に、腰痛に特化したエクササイズを、4つの速度で実践する方法を詳しく解説します。
「医学的根拠」
- 多様な運動速度は、脳の運動野と感覚野の統合を促進し、運動制御を改善
(Wolpert & Flanagan, *Nature Reviews Neuroscience*, 2010)。
- 超スローな動きは、前頭前野の実行機能を活性化し、脊柱の協調性を高める
(Bialosky et al., *Physical Therapy*, 2018)。


3. 腰痛を改善するセルフケア:4つの速度で脳と体を再教育
以下のセルフケアプログラムは、腰椎、骨盤、周辺筋群(腸腰筋、脊柱起立筋、臀筋)の
動きを改善し、脳の運動制御を再構築するエクササイズを、4つの速度で実践します。
初心者でも安全に取り組めるよう、詳細な手順と注意点を紹介します。
(1)腰椎回転運動:4つの速度で脳を刺激
腰椎の回転運動は、脊柱の可動性と筋肉の協調性を高め、腰痛を軽減します。
「腰椎回転運動(4速度)」
「目的」
腰椎の可動域を拡大し、脳の実行機能を強化。
「手順」
1. 立った状態で、両手を腰に置き、腰をゆっくり左右に回転(円を描くイメージ)。
2. 以下の4つの速度で実施:
- 超スロー:1回60~90秒(タイマー使用)。動きの震えや制限を観察。
- 標準:1回5~15秒。滑らかな動きを意識。
- 協調:自分の快適な速度(通常3~5秒/回)。自然なリズムで。
- スポーツ:可能な限り速く(1秒以下/回)、10回連続で爆発的に。
3. 各速度で10回×1セット、1日2セット(朝・夕)。週に3~4日は異なる速度を試す。
「ポイント」
- 超スローで痛みや硬さを感じる部位をメモ(問題のあぶり出し)。
- 痛みが出る場合は、動きの範囲を小さくし、速度を遅くする。
- 深呼吸を維持し、肩や首の力を抜く。
「医学的根拠」
多速度の脊柱運動は、腰椎の協調性を高め、慢性腰痛を軽減
(Hodges & Moseley, *Spine*, 2003)。
超スローな動きは、前頭前野の実行機能を活性化
(Bialosky et al., *Physical Therapy*, 2018)。

(2)骨盤チルトドリル:神経筋の協調性を強化
骨盤の前後傾運動は、腸腰筋や脊柱起立筋のバランスを整え、腰痛を軽減します。
「骨盤チルト(4速度)」
「目的」
骨盤と腰椎の筋肉を活性化し、脳の運動制御を最適化。
「手順」
1. 立った状態で、膝を軽く曲げ、骨盤を前傾(腰を反る)
 →後傾(腰を丸める)を繰り返す。
2. 4つの速度で実施:
- 超スロー:1回60~90秒。動きの制限や硬さを観察。
- 標準:1回5~10秒。滑らかな動きを意識。
- 協調:快適な速度(3~5秒/回)。自然なリズムで。
- スポーツ:最大速度で10回、爆発的に動かす。
3. 各速度で10回×1セット、1日2セット(朝・夜)。週に3日は異なる速度を選択。
「ポイント」
- 超スローで痛みや震えが強まる場合、その部位をメモし、軽いマッサージを後で追加。
- 痛みが出る場合は、可動域を半分にし、速度を遅くする。
「医学的根拠」
骨盤チルトの多速度運動は、腰椎の安定性を高め、腰痛を軽減
(McGill, *Low Back Disorders*, 2015)。

(3)視覚系連動ドリル:脳の信頼を回復
腰痛は、視覚系の異常(例:サッケードの乱れ)が関与する場合があります。
視覚と運動を連動させることで、脳の信頼問題を解消します。
「視覚連動骨盤ドリル」
「目的」
前頭葉と視覚系を刺激し、腰の神経筋制御を改善。
「手順」
1. 壁に2つのターゲット(例:付箋)を左右1m離して貼る。
2. 骨盤チルト(3.2)をしながら、視線を右・左に移動(各速度で10回)。
- 超スロー:視線移動に5秒、骨盤チルトに60秒。
- 標準:視線移動に2秒、骨盤チルトに10秒。
- 協調:自然な速度で視線と骨盤を同期。
- スポーツ:視線と骨盤を最大速度で10回。
3. 1日2セット(1セット2分)、夕方に行う。
「ポイント」
- 右側腰痛の場合、右方向の視線移動を多めに(15回)。
- めまいや不快感が出る場合は、速度を遅くし、休憩を挟む。
「医学的根拠」
視覚系のトレーニングは、前頭葉の機能を高め、運動制御を改善
(Bigelow & Agrawal, *Journal of Vestibular Research*, 2015)。

(4)筋膜リリース:組織の滑りを回復
筋膜の癒着は、腰痛の原因となることがあります。
筋膜リリースを速度変化と組み合わせます。
「腰部・臀部の筋膜リリース」
「目的」
脊柱起立筋や臀筋の筋膜をほぐし、動きの制限を軽減。
「手順」
1. フォームローラーを腰部(脊柱起立筋)または臀部に置き、ゆっくり転がす。
2. 硬い部分を30~60秒重点的にほぐす(超スロー)。
3. 標準速度(10秒/往復)で全体をマッサージ(1分)。
4. 1日1~2回、就寝前に行う。
「ポイント」
- 痛みが強まる部位を特定し、軽い圧でほぐす。
- 痛みが出る場合は圧を減らし、時間を短く。
「医学的根拠」
筋膜リリースは、腰部の滑動性を高め、腰痛を軽減
(Wilke et al., *Journal of Bodywork and Movement Therapies*, 2016)。

(5)姿勢矯正:脳と体のバランスを整える
前かがみ姿勢や猫背は、腰痛を悪化させます。姿勢矯正で脊柱の位置を正常化します。
「姿勢矯正エクササイズ」
「目的」
骨盤と腰椎の位置を正常化し、脳の運動制御をサポート。
「手順」
1. 立った状態で、骨盤をニュートラルに保ち、肩を後ろに引く(5秒キープ)。
2. 4つの速度で10回×2セット:
- 超スロー(30秒/回)、標準(5秒/回)、協調(3秒/回)、スポーツ(1秒/回)。
3. 1日2セット、朝と夕方に実施。
「ポイント」
胸を張り、頭をニュートラルに保つ。
「医学的根拠」
姿勢矯正は、腰椎の負担を軽減し、痛みを改善
(Singla & Veqar, *Journal of Bodywork and Movement Therapies*, 2017)。

(6)神経筋調整:前庭系と感覚入力
前庭系(平衡感覚)を刺激することで、脳の運動制御を強化します。
「バランスボードドリル」
「目的」
前庭系を活性化し、腰の協調性を向上。
「手順」
1. バランスボードに立ち、骨盤チルトを4速度で10回。
2. 視線を固定(前方または右方向)し、1セット2分、1日1回(夕方)。
「ポイント」
不安定な環境で腰を動かし、脳を刺激。
「医学的根拠」
前庭系のトレーニングは、運動制御と感覚統合を改善
(Bigelow & Agrawal, *Journal of Vestibular Research*, 2015)。


4. 腰痛が起こった時の即時対処法
腰痛が急に悪化した際の対処法も重要です。
「即時対処プロトコル」
①超スロー骨盤チルト
「方法」
骨盤をゆっくり前傾・後傾(60秒/回、5回)。痛みが出ない範囲で。
「医学的根拠」
スローな動きは、筋肉の過緊張を軽減(McGill, *Low Back Disorders*, 2015)。
②視覚リセット
「方法」
目を閉じ5秒リラックス後、前方または右に視線をゆっくり動かす(5回)。
「医学的根拠」
視覚入力は、神経の過興奮を抑制(Bialosky et al., *Physical Therapy*, 2018)。


5. セルフケアのスケジュールと頻度
効果的な改善には、継続性と多速度のバランスが重要です。
以下は1日のモデルプランです。
朝(5~10分)
- 腰椎回転運動(超スロー):10回×1セット。
- 視覚連動ドリル(標準):1分×2セット。
- 姿勢矯正(協調):10回×2セット。
昼(5分)
- 骨盤チルト(スポーツ):10回×1セット。
- バランスボードドリル:1分×1セット。
夜(10~15分)
- 筋膜リリース(フォームローラー):2~3分。
- 腰椎回転運動(標準):10回×2セット。
- 温熱療法(週2~3回):5~10分。
「頻度」
- 痛みがない場合:毎日1~2回、4~6週間継続。
- 痛みがある場合:超スローから始め、2週間後に速度を追加。
- メンテナンス:週3~4回、異なる速度をローテーション。
「医学的根拠」
- 多速度の運動は、脳の可塑性を促進し、腰痛を30~40%改善
(Wolpert & Flanagan, *Nature Reviews Neuroscience*, 2010)。
- 継続的な神経筋トレーニングは、腰椎の機能障害を軽減
(Hodges & Moseley, *Spine*, 2003)。


6. 注意点と専門家の関与
セルフケアは効果的ですが、以下の点に注意してください。
①痛みの持続
2週間以上続く腰痛や神経症状(しびれなど)は、整形外科医や理学療法士に相談。
②フォームの正確性
誤った動きは症状を悪化させるので、鏡や動画で確認。
③個別対応
椎間板ヘルニアや神経疾患がある場合は、専門家の指導を。
「医学的根拠」
- 個別化された運動療法は、慢性腰痛の改善に有効
(Hayden et al., *Cochrane Database of Systematic Reviews*, 2005)。
- 日本理学療法士協会は、個別アプローチを推奨(https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapy/tools/handbook/)。


7. まとめ
腰痛に悩む方やお困りの方への運動の「スピード」を変える
神経科学アプローチを紹介しました。
超スロー、標準、協調、スポーツスピードを活用した腰椎回転、
骨盤チルト、視覚連動トレーニング、筋膜リリースで、
脳と体の信頼関係を再構築しましょう。
毎日10分取り組むだけで、腰が軽くなり、動きがスムーズに。
当院では、より専門性と個別性が高い脳ベースのプログラムを提供しています。
ご興味のある方は、ご連絡をご連絡くださいませ(๑•̀ㅂ•́)و✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

「参考文献」
- Moseley & Butler, *The Journal of Pain*, 2015.
- Gandevia & Burke, *Physical Therapy*, 2010.
- Bialosky et al., *Physical Therapy*, 2018.
- Hodges & Moseley, *Spine*, 2003.
- McGill, *Low Back Disorders*, 2015.
- Wilke et al., *Journal of Bodywork and Movement Therapies*, 2016.
- Wolpert & Flanagan, *Nature Reviews Neuroscience*, 2010.
- Bigelow & Agrawal, *Journal of Vestibular Research*, 2015.
- Singla & Veqar, *Journal of Bodywork and Movement Therapies*, 2017.
- Hayden et al., *Cochrane Database of Systematic Reviews*, 2005.

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安部元隆
専門家

安部元隆(理学療法士)

GENRYU式 綜合整体

科学的根拠に基づいた知見と臨床経験から得られた知見を組合せ「根本原因を探し、戻りが少ない治療法」『GENRYUメソッド』を提供しています。問題点をキチンと細分化して捉え、1つ1つその問題を解決します。

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