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春(3月)の「ぎっくり背中」なぜ急増?医学的根拠でスッキリ解説!

安部元隆

安部元隆

テーマ:背部痛



こんにちは、GENRYUです(^^)
最近テレビやSNS等でも取り上げられている「ぎっくり背中」。
あなたはこの「ぎっくり背中」がなぜ生じるのかについてご存知でしょうか?
「ぎっくり背中」は正式な医学用語ではなく、
一般的に「急に背中に発生する激しい痛みを指す通称」です。
そのため、医学的には「急性背部痛」や「筋・筋膜性疼痛症候群」として扱われることが多いです。
今回は、その発生メカニズムと医学的根拠を深堀りしていきますね。
この3月は寒さが残る一方で気温の変動が大きい時期です。
このような環境が「ぎっくり背中」(急性背部痛)にどう影響するのか、
詳しく解説していきます。


ぎっくり背中の発生メカニズム
「ぎっくり背中」は、主に背中の筋肉や筋膜が急激な負荷や損傷を受けることで
発生すると考えられています。具体的には、次のような要因が関与します。
①筋肉や筋膜の急激な伸縮・損傷
急な動作(例えば体をひねる、くしゃみをする、重いものを持ち上げるなど)により、
背中の筋肉(特に僧帽筋、菱形筋、脊柱起立筋など)や筋膜が過剰に引き伸ばされたり、
微細な断裂を起こしたりします。
これにより、局所的な炎症反応が引き起こされ、痛みが発現します。
炎症物質(プロスタグランジンやブラジキニンなど)が神経終末を刺激し、
鋭い痛みを生じさせます。
②筋肉の疲労と柔軟性低下
長時間の不良姿勢(猫背、デスクワークなど)や運動不足により、
筋肉が硬くなり、柔軟性が低下します。
この状態で急な動きをすると、筋繊維が対応できずに損傷しやすくなります。
例えば、古くなったゴムが引っ張ると切れやすいように、
硬直した筋肉は小さな負荷でも傷つきやすいのです。
③神経の関与
筋肉や筋膜の損傷が神経(特に末梢神経)を刺激することで、
痛みが背中全体や肩甲骨周辺に広がることがあります。
これが「関連痛(referred pain)」として知られる現象です。
④環境的要因(冷えやストレス)
体が冷えると筋肉が硬くなり、血流が悪化して損傷リスクが上がります。
また、ストレスによる筋緊張も背中の痛みを誘発する要因として指摘されています。


この時期(3月)に「ぎっくり背中」が起こりやすい理由
①寒さによる筋肉の硬直と血流低下
医学的根拠: 寒冷環境は筋肉の硬直を引き起こし、血流を減少させます。
これにより筋肉が柔軟性を失い、急な動作で損傷しやすくなります。
論文: 「Effects of Cold Exposure on Muscle Function」
(Journal of Applied Physiology, 1987)では、低温が筋肉の収縮力と柔軟性を低下させ、
微小損傷のリスクを高めると報告されています。
3月は、朝晩の冷え込みが残り、暖房の使用が減ることで
体が冷えやすい状況が考えられます。
関連: 冷えた筋肉(特に背中の僧帽筋や脊柱起立筋)が
急な動き(例: くしゃみ、物を持ち上げる動作)に対応できず、「ぎっくり背中」のきっかけとなる。
②気温変動による筋緊張の増加
医学的根拠: 急激な気温変化は自律神経を乱し、筋肉の緊張を高めるとされています。
3月は寒暖差が大きく、日中と夜間の温度差が筋肉にストレスを与えます。
論文: 「Temperature Variations and Musculoskeletal Pain」
(European Journal of Pain, 2009)では、気温変動が筋・筋膜性疼痛の悪化と
関連していることが示唆されています。
背中の筋肉が過剰に緊張した状態で負荷がかかると、急性痛が発生しやすくなります。
関連: 春先に活動量が増える(例: 掃除、引っ越し)一方で、筋肉がまだ
冬の硬直から回復していない場合、ぎっくり背中が誘発されやすい。
③花粉症によるくしゃみや咳の増加
医学的根拠: 3月は花粉症のピーク時期であり、くしゃみや咳が頻発します。
これらの動作は背中の筋肉に急激な負荷をかけ、筋繊維の微小断裂を引き起こす可能性があります。
論文: 「Mechanical Stress and Muscle Injury」(American Journal of Sports Medicine, 1996)
では、急激な筋収縮(くしゃみなど)が筋損傷を引き起こすメカニズムが説明されています。
特に背中の筋肉は姿勢維持に常に使われており、疲労が蓄積した状態でくしゃみが加わると
「ぎっくり背中」に繋がりやすいです。
関連: スギ花粉が3月にピークを迎え、くしゃみが背部痛のトリガーとなるケースが
報告されています。
④冬の運動不足からの急な活動再開
医学的根拠: 冬の間に運動量が減り、筋力が低下した状態で春先に活動が増えると、
筋肉が負荷に耐えきれず損傷します。
論文: 「Physical Inactivity and Musculoskeletal Disorders」(Spine, 2000)では、
運動不足が筋肉の柔軟性と強度を低下させ、急性痛のリスクを高めるとされています。
関連: 3月は新生活の準備(引っ越し、片付け、ガーデニングなど)で急に体を動かす人が増え、
背中の筋肉に過剰な負担がかかりやすい時期です。
⑤姿勢の問題と室内環境
医学的根拠: 冬の寒さで猫背が続き、デスクワークやスマホ使用による不良姿勢が
背中の筋肉に慢性的な緊張を与えます。
論文: 「Postural Influences on Back Pain」(Adams et al., Spine, 2002)では、
長時間の不良姿勢が背部痛の素地を作り、急な動作で痛みが顕在化すると報告されています。
関連: 3月でも暖房が減り、室内で縮こまった姿勢が続くことで、背中の筋肉が硬直したまま
急に動くリスクが高まります。
「医学的根拠のまとめ」
寒さ: 筋肉の硬直と血流低下(Journal of Applied Physiology)。
気温変動: 自律神経の乱れと筋緊張(European Journal of Pain)。
花粉症: くしゃみによる急激な筋負荷(American Journal of Sports Medicine)。
運動不足: 筋力低下と急な活動再開(Spine)。
姿勢: 慢性的な筋緊張(Spine)。
これらの要因が3月に重なり合うことで、「ぎっくり背中」が発生しやすくなると考えられます。
特に、寒暖差、花粉症、活動量の変化がこの時期特有のリスク要因です。
例えば、3月に花粉症でくしゃみをした際に背中に激痛が走るケースは、冷えた筋肉が
急な収縮に耐えきれず損傷した結果と考えられます。
また、引っ越しや春の掃除で重い物を急に持ち上げた場合も同様です。
医学論文に基づくエビデンスからは、筋・筋膜性疼痛症候群や急性筋損傷が「ぎっくり背中」の
主なメカニズムであり、3月の環境がそれを助長していると言えます。


医学的根拠と関連する研究
医学論文に基づく具体的なエビデンスを探すため、
関連するキーワード(「acute back pain」「myofascial pain」「muscle strain」など)で
研究を参照します。以下に、代表的な知見をまとめます
①筋・筋膜性疼痛症候群との関連
論文「Myofascial Pain Syndrome: A Review」(Travell & Simons, 1999)は、
筋・筋膜性疼痛が急激な筋肉の過負荷や繰り返しの微小損傷によって
引き起こされると説明しています。
背中の場合、肩甲骨周辺の筋肉(僧帽筋や菱形筋)に
トリガーポイント(痛みの引き金となる硬結)が形成され、
急な動作で活性化することが多いです。
この研究では、筋膜の炎症と神経の過敏性が痛みの主要因とされています。
②急性筋損傷のメカニズム
「Muscle Strain Injuries」(Garrett, 1996, American Journal of Sports Medicine)によると、
筋肉の急性損傷は、筋繊維が急激に伸張されることで微小断裂が生じ、
その結果として炎症反応が起こることが確認されています。
背中の筋肉も同様で、特に姿勢維持に関与する筋群が影響を受けやすいです。
③姿勢と筋緊張の影響
「Postural Influences on Back Pain」(Adams et al., 2002, Spine)では、
不良姿勢が筋肉の持続的な緊張を引き起こし、急性痛のリスクを高めると
報告されています。デスクワークやスマホ使用による猫背が背中の筋肉に負担をかけ、
「ぎっくり背中」の素地を作ると考えられます。
④冷えと筋肉硬直
寒冷環境が筋肉の硬直を誘発し、損傷リスクを高めることは、
生理学的研究(例: Journal of Applied Physiology)で裏付けられています。
血流減少による酸素供給不足が筋肉の脆弱性を増すため、冬場や冷房の強い環境で
「ぎっくり背中」が増える可能性があります。


「医学的根拠のまとめ」
原因: 急激な筋肉・筋膜の伸張や損傷、不良姿勢や運動不足による柔軟性低下、
冷えやストレスによる筋緊張。
メカニズム: 筋繊維の微小断裂→炎症反応→神経刺激→鋭い痛み。
論文ベース: 筋・筋膜性疼痛症候群や急性筋損傷に関する研究が「ぎっくり背中」の
症状を説明する根拠として適用可能。
ただし、「ぎっくり背中」という名称自体が医学論文で直接扱われることは少なく、
あくまで急性背部痛の一種として解釈されます。
また、類似症状が内臓疾患(例: 心臓や肺の問題)や肋骨骨折による場合もあるため、
鑑別診断が必要です。

注意点と結論
僕の調査では、「ぎっくり背中」の主な原因は筋肉や筋膜の急性損傷であり、
医学的根拠として筋・筋膜性疼痛症候群や筋損傷に関する研究が裏付けています。
ただし、医学論文で「ぎっくり背中」そのものが特集されるケースは稀で、
一般的な急性背部痛の枠組みで理解されています。
ここまでが論文などをもとに「ぎっくり背中」を調査した内容になります。
次回は、この「ぎっくり背中」を予防する方法について解説していこうと思いますので、
楽しみにしていてくださいね(๑•̀ㅁ•́๑)✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

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安部元隆
専門家

安部元隆(理学療法士)

GENRYU式 綜合整体

科学的根拠に基づいた知見と臨床経験から得られた知見を組合せ「根本原因を探し、戻りが少ない治療法」『GENRYUメソッド』を提供しています。問題点をキチンと細分化して捉え、1つ1つその問題を解決します。

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