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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

看護系入試で社会人が問われやすいこと

2023年1月27日

テーマ:社会人の看護学校受験

コラムカテゴリ:スクール・習い事

現在、看護系受験対策コースについて、様々な企画をしています。
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京都コムニタスは常に社会人の入試に力をいれてきましたので、その精神はこれからも引き継がれていきます。近年、看護大学が増えたことによって、看護学校のあり方、看護学校受験のあり方、社会人入試のあり方等に大きく変化が生じています。まず自分が大学に行きたいのか、看護学校に行きたいのかについて考えておく必要があります。資格が取れるという意味においては同じですが、大学と看護学校では異なる点がたくさんあります。看護大学は大学である以上、資格だけを出す機関ではなく、学位も出します。また保健師や助産師を取ることが可能な学校もありますし、大学院に行く選択肢、教員になるという選択肢もあります。よく言われることですが、大学に行くと幅が広がるということです。
一方看護学校は、免許の教習所になりますので、先生も強い責任意識のもと厳しいトレーニングを課していく傾向が強くなります。早く現場で活躍できる人を作っていきたいというイメージです。まずこの点を踏まえて、どちらの学校にすすみたいかを考えましょう。
その上で志望理由を考えましょう。
社会人入試で問われる志望理由は大きく分けて二点です。自分が今看護師にならなければならない理由とその学校でなければならない理由です。この二つがあまいと良い結果にはつながりません。これらに答えていくには、当然勉強が必要です。とりわけ、その学校に対する勉強が必要です。大学ではよくありますが、例えば国際的に活躍できる看護師を養成したいという学校もあります。一方で、最近はどの地域にもありますが、地域に貢献できる看護師を養成したい、というものです。個人的な印象にすぎませんが、社会人は、地域貢献の方が合格できているように思います。いずれにせよ、オープンキャンパス等に参加して、受験する学校のことをよく調査しておきましょう。

もう一つ、大事なことは熱意だけではなく、ある程度の年齢を重ねていても、看護師としての基本的医療技術を謙虚に学び、習得できる見込みを示すことです。わりとベタな話ですが、看護の先生は謙虚な人間が好きで、傲慢な人間が嫌いな傾向が強い(誰でもそうでしょうが)と感じます。医療者にとって最も大切なことは、人の命に直結する立場である以上、医療技術を有していることです。国家資格もその技術に対する証明書になります。一定の医療行為を行える技術と能力と知識を身に付けることができる見込みを出すことが基本だと考えておいてください。

さらに、社会人としての経験をどのように医療に活かすか、ということも重要です。これは個人によってどのような経験をしてきたかが異なりますので、一概には言えませんが、前職として有利な仕事、不利な仕事があるかというと、そうでもないと思います。例えばすでに医療関係の仕事をしており、病院現場を知っているというのは一定のアドバンテージはありますが、それをどう使うかが重要であって、それだけで合格しやすくなるというわけではないということです。
いずれの仕事をしているにしても、医療の世界に行こうと決意をした瞬間があるはずです。まず起点になるのはそこです。どのようなエピソードで医療に関心を持ち、今の仕事を辞めてでも、医療の道に進むことを決意した決定的出来事について形にしておくことが重要です。例えば医療現場経験者であれば、看護師免許がないことで感じた不全感もあって良いと思います。あるいは医療未経験者であれば、家族の介護経験なども使えます。いずれにしても、そのとき強く感じた問題点や疑問を形にしておくということです。
その延長線上として前職の経験の活かし方も考えましょう。通常のサラリーマンだったから、何も活かしどころがないという人も以前いましたが、そうでもありません。例えば営業で培った人間関係の作り方は、患者との関係を作るときに有効です。営業で、顧客のニーズを引き出す話術と傾聴術は、医療現場に応用がききます。要は、自分の経験の活かしどころを考えておくことが必要であり、早い段階でそれに着手しておくことが望ましいでしょう。

他人の話をよく聞くことは、様々な職種の適性と言えると思います。人の話を聞けない人が向いている職種はほぼないと思います
人の話を聞く能力は、もしかすると資質もあるかもしれません。仮にカウンセリングの訓練を受けたとしても、指導者から「傾聴!」と言われないとできないようでは資質は高くないかもしれません。聞けない人は訓練を受けても、人の話を聞くことを「ストレス」と考えている傾向が強く、相手が納得するくらい話が聞けていないことが多いのではないかと思います。少なくとも面接官にそう思われないようにしましょう。
もちろん医療看護職もやはり聞く能力は必要です。特にこのような医療対人職は、患者の訴えが情報の入り口です。全部聞かないことには、重要な情報を落としてしまっているかもしれないという危機感を持って聞く必要があります。どのような症状が自覚されているのか、どのくらいの期間続いているのか、現状はどうなのか、どのような治療を希望しているのか、このような情報を引き出す必要があります。これらは顔を見るだけではわかりませんので、観察力だけでは足りません。やはり聞く力が重要になります。是非とも聞く力を身につけてアピールできるくらいまで高めておくとよいでしょう。

以上をまとめておくと社会人が問われやすいことは
①志望理由
これは看護師志望理由と、学校の志望理由の二種があります。
漠然と志望理由と問われたときには、両方答えるのが適切です。
②社会人経験の内容
どんな経験をしてきたかが問われます。
③社会人経験をどう医療看護に活かすか
これが最も重要なポイントと言って良いでしょう。
④若い人たちと一緒にやっていけるか
これは「不安」「無理」を言うことはあり得ないでしょう。それほど明確な根拠はなくとも「大丈夫」と言いたいところです。
⑤なぜ今なのか
これは個人差がありますので、一概には言えませんが、あまり長い間考えていたとか、医療従事者になるのが夢だったといったことは避けた方が良いでしょう。学生の人はそれでも悪いとは言えませんが、社会人の場合は、その社会人経験をどのように活かして、どのような医療者になりたいと考え、またどのような看護師になれると見込んでいるのかが重要です。それらを踏まえた上で「このタイミングになりました」と言いたいところです。
⑥将来、どのような看護師になりたいか
⑤と重複しますが、かなり具体的な像が必要です。社会人経験を積んだ自分が、医療の現場でどのように機能するのかその根拠は何か、医療現場で経験を積むとどうなるのか、そのプランは何か。
このあたりをよく考えておくと良いでしょう。
より詳細な解説が必要な場合は、一度お問い合わせください。


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