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岸井謙児

カウンセリング歴35年、経験と信頼のカウンセリングのプロ

岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

カウンセリング・オフィス岸井

コラム

不登校は3歩進んで2歩下がる

2014年10月14日 公開 / 2020年7月20日更新

テーマ:不登校を考える

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

不登校や保健室登校や不適応の子どもたちを見ていると、人間が成長する様子と言うのはこういう姿を見せるのだなぁ、と思わされる時があります。
もちろん10人いれば十人十色で、個々の様子はそれぞれなのですが、やはりある程度のパターンと言うのがあるようですね。
それはひとことで言うと「三歩進んで二歩下がる」とでも言うような状態でしょうか。

人間の成長は一直線ではない


つまり人間、成長のキッカケは「葛藤を乗り越える」ということに尽きるのでしょうが、その超え方は決して一直線ではないということなのです。ある時、元気が出てきたなぁ、と思ってこちらも少し安心していると、急に調子を崩してしまう。
こちらの慢心や楽観視が、何か伝わるのでしょうか、「もっと真剣に私たちに向き合ってください」と言わんばかりに、再び困難な状況に戻ってしまいます。

何かを乗り越えるとか、新しい状況に入っていくとかいう時は、周囲の人が想像もつかないぐらい、ものすごいエネルギーを必要とされるのでしょう。調子の悪い時はカウンセラーも緊張感を持って、彼らと同じ不安定さに耐えながら足を踏ん張っているのですが、ちょっと上向きになるとカウンセラーや周囲の人は「やれやれ一安心」と気を抜いてしまうのでしょう。

その時が一番危ない。

エビやカニ、蛇やセミなど、脱皮をする動物が一番危険な時は、古い皮を脱ぎ捨てた、まさにその時だといいます。
なぜなら新しい皮はまだ柔らかかく、その時に外敵から襲われたらひとたまりもないからです。
ですから、脱皮と言うのはいわば、命がけの作業なのです。

ですから本当に安心できない時、すぐに元の状態に後ずさりしてしまう。
ヤドカリが、新しい家に住みかえようとした時に、外敵の気配を感じて再び古い殻の中へ姿を隠すのと同じ状況です。

二歩下がったとしても三歩進んだことは事実

しかしたとえ二歩下がったとしても、三歩前進しようとしたことは事実。
こういう脱皮の覚悟を数回繰り返しながら、次第に経験値を高めて、いつか無事脱皮し、新しい殻の中で生まれ変わる時が来ることを信じずにはいられません。

カウンセラーは「安心」してはいけないけれど、クライエントに対する「信頼」は失わないこと、そして順調な時こそ心の緊張を緩めないことが大切だと、最近つくづく思うのでした。

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