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厚労省、労働法令違反の企業名を公表 334件 厚労省企業名公表リスト リンク
厚生労働省は5月10日、違法な長時間労働や労災に
つながる瑕疵、賃金不払いなど労働関係法令に違反した疑いで
書類送検した334件に関し、その企業名を同省のホームページで公開しました。
これまでも厚生労働省が企業名を公表するケースもあったが、その対応は
状況によりさまざまでした。今回は各労働局の発表内容を初めて一覧表にま
とめ、一括して掲載したので、その影響は大きいものと思われます。
今後も1か月ごとに更新していくということで、情報として求職者だけで
なくビジネス上の取引をしていくうえでも参考にしたいところです。
企業名を公表されるということは、ブラック企業と認定される可
能性もあり、求職者から拒否されることになり、また官公庁の入札に
関して拒否されたり、取引企業から取引停止を言い渡されたりすることになる
ので絶対に軽視してはなりません。
これを機会に各企業が法令遵守を徹底しなければなら
ないという意識に変わることを願っていますし、社労士として
できることはたくさんあり、問い合わせをいただければと思っています。
社員に違法な残業をさせた疑いで書類送検された大手企業も
含まれており、その影響は大きいといえます。
また労災事故を報告しなかった疑いで書類送検された大手
企業もありますが、このような労災事故の隠ぺいというものは会社風土や
企業の体質にも問題があり、改善は簡単ではないが、これを機会に
変わることを望みます。
意外なのは掲載されているのは中小企業も結構多いという
ことで、決して他人事ではないという点です。
今回の内訳をみてみると、企業が安全対策を怠った労働安全衛生法違反209件、
賃金未払いなど最低賃金法違反62件、違法な長時間労働をさせるなどし
た労働基準法違反60件が主なところとなっています。
実際に書類送検されるというのは、かなり悪質、そして相当なレベ
ルにあるからであり、いきなり書類送検されるわけではないので、虚偽
の報告や隠ぺい、そして指導を無視して改善しない結果として行われたわけです。
今までは書類送検されたとしても仕方ないと思うところがあったの
かもしれません。しかしながら、このように公開されてしまえば、企業経営に
影響が出てしまうこともありますのでかなり危険です。
このような一覧表の公開は、今回は企業名を公表されていない他の違反
企業への警鐘でもあり、厚生労働省はかなり力を入れているので過重労働
などについては、労働基準監督署の調査がさらに増えてくるものと思われます。
今回の企業名公表を受けて、どのように受け止めるかは各企業のスタンスで
分かれるところであるが、中小企業だからといってもこのような発表を無視して、
ごまかし続けることはできないと考えます。
社会が大きく変化していく中で企業側も早めに対応して社内の労務管理を
含めてその企業体質そのものを変えていかなければ、従業員のモチベーションに
も大きな影響があるということを理解するべきであるといえます。
厚生労働省 企業名公表リスト
労働基準関係法令違反に係る公表事案
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/170510-01.pdf#search=%27%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%8D%E5%85%AC%E8%A1%A8+%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81%27