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庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

庄司英尚(しょうじひでたか) / 社会保険労務士

株式会社アイウェーブ(アイウェーブ社労士事務所 併設)

コラム

転勤命令は、拒否できない?

2017年3月15日 公開 / 2020年11月27日更新

テーマ:雇用契約・労働契約

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 退職 手続き

転勤それはサラリーマンの宿命。会社は、癒着や不正防止
のために定期的に異動させることもあります。

その会社にもよりますが、ある程度転勤も覚悟して入社している
人がほとんどですがあまりにもひどい配置転換だと
転勤命令を拒否したくなったヒトもいるはず?

たとえば、1年前に 東京から大阪に転勤に なったのに、その半年後に
今度は熊本へ行ってくれといわれ、家族から大ヒンシュクで
立場がないとぼやいていたサラリーマンそんな方もきっといるはずです。

さて、悲しいことですが従業員は、会社から転勤の辞令が出たら、
原則としてその命令に従わなければなりません。もちろん勤務地限定の
雇用契約を結んでいないこと、そして就業規則等に規定して
いるなどの根拠が必要ですが、一般的に使用者に広範な人事権が認め
られています。

転勤は、人事異動の1つであり、異なる勤務場所に配置転換することですが、
転居を伴う場合もあり、従業員には大きな負担となります。

会社によっては海外勤務を命じられることもあり従業員としては、
断ることはできないので、弱いものです。だからこそ事前に相談というか
内示があって進めていかないと心の準備もありますから。

会社側も何の躊躇もなく、成長のためには必要な経験だとか言って
海外赴任させます。仮に海外勤務を希望していない人で
も人事異動させて、出世を、ちらつかせたり、役員昇進のための
ルートなどと言って気持ちよく行ってもらうこともあるでしょう。

またマイホームをちょうど買ったばかりなのに、1年も住まないうちに
単身赴任前提の転勤命令がよくあるなんていう都市伝説もあります。

人事の人がそういう意図でやっているかどうかと聞かれると私は
ノーコメントですが、もしかするとあるのかもしれませんね。

会社は長期雇用を前提として人材を育成し、様々な職務を
経験させるために転勤させているが、これからは、転勤など
転居を伴う人事異動はない働き方を選択できる制度を
導入していく会社が増えてくるものと予測します。

なぜなら働く人がいなくなってしまうから。

個人の価値観が変わり、仕事だけでなく、プライベートを
大事にする傾向が強くなり、地方でずっと働きたいと
いう人も増えています。親の介護問題、そして保育所、
子育ては、田舎のほうが環境が整っていて周りの友達がいる
ところやスポーツ活動のため、転勤したくないとはっきり
主張する人もいます。

最近の若手社員も海外勤務について希望しない人の
割合が増えてきているという調査結果もありました。

従業員の今後のキャリアの希望に関しては、その都度面接
等で聞かないと価値観もどんどん変化するわけです。

震災があったりするとやはり単身赴任はつらいとか
思うこともあったでしょうし子育ての面でも、たとえば茨城にある研究所の
ある事業所でこのままずっと勤務してのんびり働きたいというような大手企業
勤務のヒトもいます。そんなことを言ってもほかの研究所に行かせたり
別の工場勤務を命じたりすることだってあるわけですから将来のことは
わかりません。

人事部としては、転勤については半年前くらいから検討し始めて、役員や
現場の声などを反映させてパズルのようにあてはめていきます。
500人以上くらいだとよくわからなくなりそうですが、たとえば数千人の会社で
行われて、5分の1くらいの人が動いたらどうなるんだろうか。
とてつもない費用がかかるし、まあ引き継ぎなども大変だと思われます。

転勤といえば、左遷目的といえるものもありますが会社側で明らかに悪意
があったりするものでなければほぼ問題なく、会社側に権限があるので、トラブル
になっても会社が負けることはあまりありませんが、なかには会社が転勤拒否を
理由として解雇したらその転勤させる理由が著しく不当であると判断されたもの
もあるので簡単には断定できません。

たとえば、ずっと研究所で20年勤務してきた理系の研究者にいきなり、地方の
営業職でゼロから現場で教えてもらって頑張ってくれなんていわれたら、
自主退職させようとしているのかなと思ったりもします。

会社は、訴えられたらまずいかなというような人事異動は
専門家にも相談してから行わないとトラブルがさらに大きな
トラブルになり、企業名が公表されてしまうことになりかねません。

転勤が嫌な人は、ぜひ中小企業で一か所の勤務地だけと
いうところを選びましょう。でも嫌な上司がずっと変わらないと
いうのも地獄だと思いますけど・・・・。

この記事を書いたプロ

庄司英尚

現場を大事にする社会保険労務士

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