複数就業、労災対象に 兼業・副業促進に対応 厚労省
労災隠しの話を聞くことがまれにありますが
最近では大手ゼネコンなどではそういうことは
絶対しないようにと下請けに指導しています。
重層構造になっていることもあり2次請けの下請け企業
などは、労災の申請などしたら仕事がもらえなくなって
しまうと思って報告をしてこないことがありますが、
実はそのような状況にあることは大変危険です。
労災が発生した際には、元請企業が現場で働く下請け企業
の労働者分を含めて、労働基準監督署にそのことを報告しなくてはなりませんが、
その報告を怠る、又は虚偽の申告をすることを労災隠しといいます。
厳密にいうと労働者死傷病報告を出さないことにより安全衛生法違反に
なることで労災隠しとなるわけです。
厚生労働省の事例でも書類送検されたケースがたくさん紹介
されていますが、よくその意味を理解いただきたいと思います。
○○労働基準監督署は、労働安全衛生法違反の疑いで、建設会社Aと経営者○○を○○地方検察庁に書類送検した。
経営者○○は、同社が請け負った工事現場で、同社の作業員が作業中に高さ約7.5メートルの足場から墜落し、両手首骨折の重傷を負って4日以上仕事を休んだにもかかわらず、○○労働基準監督署長に労働者死傷病報告を提出しなかった疑い。
本来、労災の報告は義務とされていますが、手続きが面倒で
あったり、よく労災の仕組みがわかっていないことなどもあり
労使ともに放置していて、健康保険などで従業員が手続きをしていて
後になって仕事中の事故だったりすることが
わかり、監督署からお叱りを受けてしまう可能性も
あるわけです。
建設業に多いといわれますが、最近では一般の企業でも労災を認めない
あるいは従業員が申請をしてもはんこを押さないなど悪質なブラック企業が
結構あるようで、従業員側からも相談が結構あったりします。
労災認定されるかどうかはもちろん監督署が決めるわけですが、明らかな
労災事故を隠して、健康保険を使用させたりしていたら、当然ながら健康保険組合や
協会健保、または国民健康保険から返還命令(7割)が来て、労災申請して
付け替えるように指導があります。
労災であるにもかかわらず悪意をもって、業務外の事故として
傷病手当金や健康保険の給付を受けていると虚偽の申告による給付の
受領をしていることになるので最悪の場合、保険者から訴えられることになるの
ではないかと思います。
保険給付をするということは、しっかり審査したうえでの話です
のでそこをよく理解していただきたいと思います