法律で実施が求められる長時間労働者への医師による面接指導制度
みなさんこんにちわ
社会保険労務士の庄司英尚です。
今日は、先日ワタミの過労死認定の追加の記事についてです。
適正な手続きがされていない状態で時間外労働をさせていた
ことを東京新聞が報じています。
記事によると
親会社ワタミの法令順守部門を担当する塚田武グループ長は「店長がアルバイトの中から代表を指名し、協定届に署名させている」と、手続きが形骸化していたことを認めた。
ということで、指摘を受けるのは当然のことです。
驚くのは、森さんが勤めていた神奈川県内の店では当時、
月百二十時間まで時間外労働を認める三六協定が結ばれて
いたそうです。
月120時間分の時間外労働を認める協定というのは
無理があります。
原則月45時間、年間360時間という範囲内でという話をすることも
多いのですが、それではまったく無理な場合、やはり特別条項付の
労使協定を結ぶことになるのですが、それでもこの協定を結ぶという
ことはそれだけ監督署の調査にも当たりやすくなりますし、それが
実態としてどうなっているのかということです。
このようなワタミの報道は残念ですが、居酒屋グループはどこも
過去にいろいろな労使問題をおこしていますから、似たりよったり
かもしれません。
今後、どのように変わっていくのかに期待するとともに同じような
事故が再発しないようマネジメント体制の構築が必要と思います。
以下記事より
年5月17日 東京新聞 朝刊
残業で不正手続き ワタミ過労死 労使協定形だけ
居酒屋チェーンを展開するワタミフードサービス(東京)に入社二カ月後に自殺した森美菜さん=当時(26)=が、長時間労働などを理由に過労死と認定された問題で、同社が労働基準法で定められた労使間の手続きを踏まず、従業員に時間外労働をさせていたことが、会社側への取材で分かった。手続きが形骸化すれば、経営者側の思うままに従業員側に長時間労働を強いることも可能だ。同様の違反はほかの企業でもみられ、専門家は「適正な手続きが担保されないと、過労死を助長しかねない」と警鐘を鳴らす。
この手続きは「時間外労働・休日労働に関する協定(三六(さぶろく)協定)」。厚生労働省労働基準局監督課は、ワタミフードサービスについて「適正なやり方とは言えず、労基法に抵触する」と指摘している。
労基法上、時間外労働は禁じられているが、労使間で三六協定を結べば認められる。三六協定を結ぶには、経営者側は店や工場ごとに労働組合もしくは、従業員の過半数の推薦で選ばれた代表との合意が必要となる。
ワタミフードサービスは毎年、「和民」など全国五百三十のチェーン店(四月一日現在)で三六協定を結んでいる。同社は労働組合が無く、協定を結ぶには、店舗ごとに社員やアルバイトの過半数の推薦を得た代表と合意しなければならない。しかし、実際は違った。
親会社ワタミの法令順守部門を担当する塚田武グループ長は「店長がアルバイトの中から代表を指名し、協定届に署名させている」と、手続きが形骸化していたことを認めた。
同社は全店の協定届に、従業員の代表を「挙手で選出」と明記していたが、塚田氏は「挙手している前提で記載していたが、実態として行っていなかった」と釈明した。
森さんが勤めていた神奈川県内の店では当時、月百二十時間まで時間外労働を認める三六協定が結ばれていた。ワタミは「次回の三六協定の更新時から、適正な手続きに改める」としている。
森さんは二〇〇八年六月に自殺。労災を認めた神奈川労働者災害補償保険審査官によると、月の時間外労働時間は厚労省が過労死との関連が強いとする八十時間を上回り、約百四十時間に及んだ。
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