内部通報で配転に初の違法判断 オリンパス社員勝訴確定、最高裁
みなさん こんにちわ
中央区日本橋人形町で日々奮闘している
社会保険労務士の庄司 英尚です。
最近、勉強会で話していたテーマの中に、同業他社への転職について制限を
かける競業避止について少し話題になっていたのでちょっと最近の事件について
取り上げてみようと思いました。
4年前の2007年のニュースですがライバル社へ
転職したヤマダ電機元幹部社員が140万円支払い命令を
受けた判決です。
記事によると、退職後1年間は競業他社に転職しないとの誓約書に違反したとして、ヤマダ電機が元男性社員に約420万円の違約金を求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であり、裁判官が「幹部社員の競業他社への転職を一定期間制限する社内規定は有効」とし、元社員に約140万円を支払うよう命じました。
競業避止に関する判決はいろいろありますが、今回のヤマダ電機の事例については
関心をもっていた人も多いことでしょう。
判決によると、元社員は1997年にヤマダ電機に入社し、横浜、茅ヶ崎店長を務めた後、2005年4月に退職。直後に派遣会社に登録し、家電量販店「ケーズデンキ」を全国展開するギガスケーズデンキの子会社で働き始め、2カ月後にギガス社に正式入社しました。
同裁判官は判決理由で、ヤマダ電機の転職制限の社内規定について「幹部社員は独自の販売方法や経営戦略を知ることができ、競業他社への転職制限を課すことも不合理ではない」と判断。1年間という制限期間も「不相当に長いとは言えない」と容認。同社は転職制限に違反した場合の違約金を、退職金の半額と退職直近の給与6カ月相当分と規定していたが、同裁判官は「退職金の半額は不合理ではないが、給与は1カ月分が相当」として約143万円と算定しました。
ポイントは、はたしてこの幹部社員がどのくらいの上のポジションで、販売方法や経営戦略を知ることができた内容が、はたしてどれだけすごいノウハウやデータなのか? ということでしょう。
まあ企業からすればライバル社への1年間の転職を制限するのは当然の期間と考えますし
一方、従業員からすれば今までのキャリアを活かしそのノウハウで次の同業に転職す
るのが自然の流れだと思います。
そこで企業では、リスク回避のために競業避止義務契約を課すところが増えてきているわけです。節度のある範囲で制限をかけるのはやむを得ませんが、行き過ぎたもの、また平社員にそのようなものを課しても、結局認められません。
価値観というのはさまざまだから事件もおきるのですが、やはり常識の範囲ということで考えていけば、例えば5年間も同業他社に転職していけないといわれても無理があり、争っても結局無効となってしまうことは過去の判例からも明らかです。
過去の判例をふまえたうえで企業としてはギリギリのところで運用をすすめていくには、どのような規定なら許されるのかということを考えていく必要があるといえます。
そんなところでいうと、今回ご紹介したヤマダ電機の判決は企業側に有利な事例だったので、押さえておくのもいいと思いますし、これを機会に大手チェーン店の幹部採用の方法も少し変わったかもしれません。
また今後競業避止義務については取り上げることができればと思っております。
本日もコラムを読んでいただきありがとうございました。
■【日本橋ではたらく人事コンサル会社の社長ブログ】
■私の取材プロフィール
■経営者にためになる、お得なコラム満載 直近コラム 15件
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
株式会社アイウェーブ
庄司社会保険労務士事務所
代表取締役/所長
庄 司 英 尚(社会保険労務士)
東京都中央区日本橋人形町2-32-4
人形町ロータリービル2F
URL: http://www.iwave-inc.jp
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/