合格率 2.6% 社会保険労務士試験合格発表 記録的な狭き門
本日、8月22日は年1回の国家資格である社会保険労務士の試験日でした。合格率は、昨年で7.6%ということですから、決して簡単な試験ではありません。
さて、受験された方は、お疲れ様でした。しばらくゆっくり休んで、11月の発表を待つのもいいですし、自己採点してダメだとわかったら来年に向かって勉強をはじめるのもいいでしょう。
資格取得も大事かもしれませんが仕事をしている人なら、大事なことは他にもあるはずです。人生においても資格だけがすべてではありません。もともとの仕事力だったり、人間性などを磨くことこそ大事だと思っています。
不況ということで資格を取ろうとしている人も前年に比べると増加傾向にあるようですが、実際には資格も取得する目的とその先のビジョンが大事です。そして司法試験や税理士試験と比べれば、難易度は比較的低いのでチャレンジするのもいいと思いますが、中途半端になんとなくやってみようかというぐらいの気持ちだとまず合格は厳しいかと思います。
なにしろ無職で勉強だけしている人がたくさんいますし、科目も多いですし、科目ごとに最低基準点制度があるので苦手科目があると致命的だという特徴があります。試験は、1日で行われますが、朝からはじまり、午前中は選択式、午後は択一式で夕方までということで体力もないと大変です。
税理士試験同様、8月の暑い中に試験をやっていますが、これもやはり運営の関係もあります。
社会保険労務士試験は、科目合格という仕組みではなく1発勝負です。ですので運もありますし、その日体調が悪ければ実力があっても1年がムダになってしまいます。実力があっても3年連続で不合格ということもありますのでその後の人生に大きな影響を与えてしまうこともあります。
たとえ試験に合格できなくても、学んだことは何でもその後にプラスになりますので、頑張ってほしいと思いますし、諦めなければ試験制度がなくなることはありませんので、一時休んで再度勉強する時期がきたら始めるのもいいと思います。
社会保険労務士試験情報センターによると昨年のデータは、下記のとおりです。
(1) 受験申込者数 67,745人(前年61,910人、対前年 9.4%増)
(2) 受験者数 52,983人(前年,47568人、対前年 11.4%増)
(3) 受験率 78.2%(前年 76.8%)
(4) 合格者数 4,019人(前年 3,574人)
(5) 合格率 7.6%(前年 7.5%)
今年は、申し込み数が約70,700人だそうですから、さらに昨年より増加していますね。
なお受験資格は、原則として短大・高等専門学校卒業以上,行政書士有資格者などです。
そして、肝心の社会保険労務士試験科目は次のとおりです。
①労働基準法および労働安全衛生法
②労働者災害補償保険法
③雇用保険法
④労働保険の保険料の徴収等に関する法律
⑤健康保険法
⑥国民年金法
⑦厚生年金保険法
⑧労務管理その他の労働および社会保険に関する一般常識
科目数が多いのでバランスよく勉強しないといけません。私が受験したのは、もう10年近く前のことになりますが、厚生年金保険法という科目が苦手でした。
さて、資格は、それだけで食えるということはありません。弁護士でも食えない時代、これからはますますサバイバル時代なんで、自分のほかの強みとあわせて、工夫をしていかなければ生き残れないとある有名な人もいっていたのでなるほどと思って聞いていました。
いずれにしても7万人もの試験申込者がいる国家試験ですから、いろいろな情報がネット上には駆け巡りますが、あまり噂には振り回されないほうがいいと思います。