育児休業期間は、年次有給休暇の出勤率を算定する際にどう取り扱う?
少し前のコラムでは、夏休みがない会社の事例で年次有給休暇を従業員に取得してもらうのもいいのではというアドバイスをした話を書きました。
しかしながら会社から、夏休みとしてみんなが年次有給休暇を3日間取得するようにといわれても、取得しない人も出てくるでしょう。現実には上司のことを考えると取得しにくい人もいるでしょう。
そんなときには、タイトルにもあるとおり年次有給休暇の計画的付与制度というものを導入し、運用をはじめることをおすすめします。年次有給休暇の計画的付与は、各従業員が取得できる法律で定められた年次有給休暇のうち「5日を超える日数分」について、経営陣が日を指定して与えることができる制度のことをいいます。(労基法第39条5項)
5日分は従業員の個人的な事由で取得するために残しておく日数です。例えば、年次有給休暇がが20日ある従業員の場合なら、5日を引いた残りの15日分が計画付与の対象となります。
会社全体で導入してもいいですし、チームや部署ごとに定めても結構です。個人ごとに計画票をつくって運用するのでも問題ないです。
導入に当たっては、就業規則に規定しないといけません。そして会社は、従業員代表と労使協定を結ばないといけません。
私がよく提案している例としては、休日と休日の間の勤務日を全社まとめて年次有給休暇の計画的付与の対象としてしまう方法です。
その他にも、通常決まっている夏季休暇にプラスして2日ぐらいを計画的付与の対象とする方法も提案します。
チームごとに対象となる日が違う場合には、繁忙期などが終わったあとの祝日などに絡めた日を対象と設定する方法も効果的だと思っています。大手企業にみられるリフレッシュ休暇のようにするためにも、平日5日間を休みにしてしまって連続9日間の休みとし、海外旅行などに行きやすくするという方法もあります。
いずれにしてもこのような制度を導入することで従業員は、ゆっくり気兼ねなく休めるようになりますし、経営陣にとっても退職時にまとめて残っている40日間分(法律だと時効2年でマックス40日間)の年次有給休暇を請求されたりすることはなくなりますので、労働者と使用者の両方にメリットがある制度ともいえます。
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