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眠りを襲うこむら返り「神経と血流が織りなす痛みの真相」

安部元隆

安部元隆

テーマ:足のつり



こんにちは、GENRYUです(^^)
夜に足がつってしまう「こむら返り」...
起こってしまうと、とんでもなく痛いですよね...
あなたも一度はこの経験した事があるのではないでしょうか?
その「こむら返り」についてメカニズムと原因を深堀りしていこうと思います!
文章は大きく2章だてです。
1章ではこむら返りを起こしやすい筋肉(腓腹筋と前脛骨筋)に焦点を当て、
深堀りしていきます。
2章では筋肉以外の問題に焦点を当て、こむら返りについて深ぼっていきたいと思います。


1章:こむら返りを起こしやすい筋肉編
なぜこむら返りが起こり、特に腓腹筋と前脛骨筋に生じるのか?
こむら返りは、ふくらはぎの「腓腹筋(ひふくきん)」や、
すねの前側の「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」が突然硬くなり、強い痛みを伴う症状です。




特に夜間に寝ているときに起こることが多く、誰もが一度は経験があると思います。
実際に、50歳以上の約25~50%がこむら返りを経験する一方、
若い人ではその割合が5~10%程度と低いことが研究でわかっています(Garrison et al., 2015)。
では、なぜ一部の人にだけ起こるのか?
そして、なぜ腓腹筋と前脛骨筋という特定の筋肉で頻発するのか?
その答えは、体の仕組み、生活習慣、そして筋肉の種類(速筋と遅筋)の特性が
複雑に絡み合っているからです。
これらの要因を一つずつ丁寧に解きほぐし、わかりやすく詳しく解説します。

1. 神経の敏感さが人によって違い、筋肉の種類が影響する
神経の敏感さとは何か?
私たちの筋肉は、脳や脊髄から送られる神経信号によって動きます。
この信号を伝える「運動ニューロン」は、人によってどれくらい簡単に興奮するかが異なります。
こむら返りになりやすい人は、この神経がちょっとした刺激、
例えば寝ているときの足の動きや軽い疲れで過剰に反応してしまう傾向があります。
これは、生まれつきの体質や、生活の中で神経が敏感になる条件が重なることで起こります。
例えば、ストレスが多い人や睡眠不足が続く人は、神経が過敏になりやすいことが知られています。
(Serra et al., 2017)。
腓腹筋と前脛骨筋がなぜ影響されやすいのか?
「腓腹筋」ふくらはぎにあるこの筋肉は、足を下に伸ばす(底屈)ときに働く
重要な役割を果たします。
腓腹筋には「速筋線維(そっきんせんい)」が50~60%含まれており
(Lexell et al., 1988)、これは速く強い力を出すのが得意な筋肉です。
速筋は、神経の信号に素早く反応し、ダッシュやジャンプのような瞬発的な動きを支えます。
しかし、その分エネルギーを使うので、神経が興奮するとすぐに硬くなりやすいのです。
特に、夜間に足が自然に下に伸びる姿勢(底屈)になると、速筋が過剰に反応し、
こむら返りが起こりやすくなります。
「前脛骨筋」すねの前側にあるこの筋肉は、足を上げる(背屈)ときに使われます。
ここには「遅筋線維(ちきんせんい)」が60~70%含まれており
(Johnson et al., 1973)、ゆっくりと長く動くのが得意です。
遅筋は、歩くときや立っているときの姿勢を保つ役割を持ち、持久力があります。
しかし、神経が敏感な人は、遅筋でも過剰な信号に反応し、例えば寝ているときに
足を伸ばしすぎたり、布団の重さで固定されると硬くなることがあります。
「具体的な仕組み」:神経と筋肉の連携
神経が興奮すると、筋肉の中にある「カルシウム(Ca²⁺)」が放出され、
筋繊維が縮むスイッチが入ります。
速筋(腓腹筋)ではこの反応が速く強く、遅筋(前脛骨筋)では長く持続します。
神経が敏感な人は、このカルシウムが止まらず、筋肉が縮んだままになるのです。
研究では、神経の信号が通常の10回/分から70回/分に跳ね上がるケースが観察されており
(Serra et al., 2017)、これがこむら返りの引き金になります。
腓腹筋と前脛骨筋は、足の動きに直接関わる筋肉なので、神経の乱れがここに集中しやすく、
速筋と遅筋の特性がその反応をさらに強調します。
「医学的根拠で裏付け」
Serra et al. (2017, Clinical Neurophysiology): 50人の実験で、
神経の敏感さが2~5倍異なることがわかり、腓腹筋の速筋や前脛骨筋の遅筋で
こむら返りが起きやすいと結論。
Miller & Layzer (2005, Muscle & Nerve): 神経が過敏な人は、
特にふくらはぎの速筋でこむら返りが頻発すると報告。
Minetto et al. (2013, Muscle & Nerve): 速筋の発火頻度が5倍に増え、
こむら返りの原因になると実証(20人実験)。


2. 日常生活のスタイルが筋肉に負担をかけ、筋肉の種類が反応する
生活習慣が筋肉にどう影響するか?
毎日の生活スタイルは、こむら返りのリスクに大きな影響を与えます。
例えば、長時間座っている人は血流が悪くなり、筋肉が硬くなりやすい状態に。
一方、立ち仕事や歩き回る仕事が多い人は、特定の筋肉に負担がかかり、
それが夜にこむら返りとして現れることがあります。
この負担は、腓腹筋と前脛骨筋の速筋・遅筋の特性によって、どのように反応するかが変わります。
具体的な生活スタイルと筋肉への影響
「座りっぱなし」
オフィスで1日8時間座るような生活だと、足の血流が滞ります。
特に腓腹筋は、座っていると足が下に伸びたままになりやすく、
速筋が血流不足で硬くなりやすいです。
前脛骨筋も、足を動かさないことで遅筋が疲労をため込み、夜に硬くなるリスクが。
「立ち仕事や歩行」
配達員や教師のように立ち続ける仕事では、腓腹筋が底屈を繰り返し、
速筋に疲れがたまります。一方、階段を上る仕事やランニングをする人は、
前脛骨筋が背屈を繰り返し、遅筋に負担がかかります。これが夜にこむら返りとして現れるのです。
「なぜ腓腹筋と前脛骨筋か?」
「腓腹筋」速筋が多く、エネルギーをたくさん使うので、
座りすぎで血流が減ると緩みにくくなります。
立ち仕事で使いすぎると、速筋が疲れて硬くなり、夜に反応が暴走。
速筋は瞬発力がある分、疲労に弱いのです。
「前脛骨筋」遅筋が多く、持久力があるので、長時間歩いたり
背屈を繰り返すと疲労が蓄積。座りすぎでも血流不足が遅筋に影響し、
硬さが持続します。遅筋は疲れにくいけど、長時間負担で硬くなる特性が。
「具体的な仕組み」:血流と筋肉の種類
座りっぱなしだと、下肢の血流が30~40%減り、筋肉の酸素が15%減少します
(Rijkhoff et al., 1997)。
速筋(腓腹筋)は酸素不足でエネルギー(ATP)が足りなくなり、
緩む力が弱まります。
遅筋(前脛骨筋)は酸素を使って動くので、血流が減ると
疲労物質(乳酸)がたまり、神経が過敏に。
仕事で使いすぎると、筋肉のセンサー(筋紡錘)が過剰反応し、
夜に神経が興奮しやすくなります。腓腹筋の速筋は速く縮み、
前脛骨筋の遅筋は長く硬さが残るのです。
「医学的根拠」
Rijkhoff et al. (1997, Neurology):
座りすぎで腓腹筋の速筋が血流不足になり、こむら返りが増える。
Beck et al. (2008, Clinical Journal of Sport Medicine):
前脛骨筋の遅筋が過使用でこむら返りを起こす(30人実験)。
Hallegraeff et al. (2012, Journal of Physiotherapy):
生活スタイルが腓腹筋と前脛骨筋のこむら返りに影響(80人調査)。


3. 年齢が筋肉と神経を変え、筋肉の種類が硬さを左右する
加齢が筋肉に与える影響とは?
こむら返りは中高年に多く、若い人には少ない傾向があります。
年齢を重ねると、筋肉の量が減り(20~40%減, Lexell et al., 1988)、
神経のコントロールが乱れがちになります。
この変化は、腓腹筋と前脛骨筋の速筋と遅筋に特有の影響を与え、こむら返りを増やします。
「なぜ腓腹筋と前脛骨筋か?」
「腓腹筋」速筋が多く、加齢で筋肉が弱るとエネルギー不足が顕著に。
ふくらはぎは足の遠くにあり、血流が減りやすいので、速筋が硬くなりやすいです。
例えば、60歳以上だと筋肉が20~30%減り、こむら返りのリスクが上がります。
「前脛骨筋」遅筋が中心で持久力がありますが、加齢で神経の調整が弱まり、
すねの前側が硬くなる。遅筋は長く動けるけど、血流や神経の乱れに弱い面が。
「具体的な仕組み」:加齢と筋肉の種類
加齢で運動ニューロン数が減り、残った神経が過剰に働きます。
腓腹筋の速筋は、速い反応で縮み、エネルギー不足で緩みにくくなります。
前脛骨筋の遅筋は、持久力が落ち、血流低下で疲労がたまり、硬さが持続。
研究では、50歳以上でこむら返りの有病率が25%を超えることがわかっています
(Garrison et al., 2015)。速筋と遅筋の特性が、加齢の影響をこれらの筋肉で目立たせるのです。
「医学的根拠」
Lexell et al. (1988, Journal of Applied Physiology): 加齢で腓腹筋の速筋が減り、硬さが目立つ。
Johnson et al. (1973, Journal of Applied Physiology): 前脛骨筋の遅筋が加齢で影響を受けやすい。
Garrison et al. (2015, BMC Family Practice): 年齢が腓腹筋と前脛骨筋のこむら返りを増やす。


4. ミネラルや栄養の個人差が筋肉の種類に影響
ミネラル不足がどう影響するか?
体内のミネラル(マグネシウム、カリウムなど)が少ないと、
こむら返りが起きやすくなります。食事で野菜や果物をあまり食べない人、
汗をよくかく人はミネラルが減り、筋肉が硬くなりやすいです。
この影響は、腓腹筋と前脛骨筋の速筋と遅筋で特に顕著です。
「なぜ腓腹筋と前脛骨筋か?」
「腓腹筋」速筋が多く、エネルギーとミネラルに依存しています。
マグネシウムが足りないと、カルシウムが過剰に働き、速く縮んで緩みにくくなり、
ふくらはぎが硬くなります。
「前脛骨筋」遅筋が中心で、酸素を使って動くので、ミネラル不足が血流と結びつき、
すねの前側が硬くなる。遅筋は持久力がある分、微細なバランスの乱れに敏感です。
「具体的な仕組み」:ミネラルと筋肉の種類
マグネシウムが少ないと、カルシウムが筋肉を縮めたままにし、
カリウム不足で神経が興奮しやすくなります。
速筋(腓腹筋)は速く反応し、遅筋(前脛骨筋)は緩む力が弱まります。
研究では、マグネシウムが減ると神経反応が20%増えることが確認されています
(Young & Jewell, 2001)。
腓腹筋と前脛骨筋は、足の動きに欠かせないので、この影響が集中します。
「医学的根拠」
Garrison et al. (2012, American Family Physician):
ミネラル不足が腓腹筋の速筋と前脛骨筋の遅筋のこむら返りを誘発。
Young & Jewell (2001, Journal of the American College of Nutrition):
栄養の偏りが速筋と遅筋に影響。
Sebo et al. (2014, Family Practice): 水分不足でこむら返りが2倍に。


5. 隠れた病気や薬が筋肉の種類に影響
病気や薬がどう関わるか?
一部の人にこむら返りが起きるのは、隠れた病気や薬の影響がある場合です。
糖尿病や神経の病気があると、神経が過敏になり、筋肉が硬くなりやすくなります。
血圧やコレステロールの薬も、副作用で足の筋肉に影響することが。
この影響は、速筋と遅筋で出方が異なります。
「なぜ腓腹筋と前脛骨筋か?」
「腓腹筋」速筋が神経障害や薬で血流と反応が乱れ、ふくらはぎが硬くなる。
速筋はエネルギー依存度が高く、影響を受けやすい。
「前脛骨筋」遅筋が神経の影響で、すねの前側が硬くなりやすい。
遅筋は持久力がある分、神経の乱れが持続的な硬さに。
「具体的な仕組み」:病気・薬と筋肉の種類
神経障害で異常信号が送られ、速筋は速く縮み、遅筋は硬さが持続します。
薬(利尿剤はミネラルを減らし、スタチンは筋代謝を乱す)がこれを悪化させ、
腓腹筋と前脛骨筋に影響。スタチン使用でこむら返りリスクが1.8倍になることがわかっています(Katzberg et al., 2010)。
「医学的根拠」
Levin et al. (2018, Neurology):
神経障害が腓腹筋と前脛骨筋のこむら返りを2.3倍に。
Katzberg et al. (2010, Neurology):
薬が速筋と遅筋に影響。
Misra et al. (2008, European Journal of Clinical Nutrition):
ビタミン不足が筋症状を増やす。


まとめ:一部の人で腓腹筋と前脛骨筋に起こる理由
こむら返りが一部の人に起こり、腓腹筋と前脛骨筋に集中するのは、
次の要因と筋肉の種類が関係します:
「神経の敏感さ」
神経が興奮しやすい人は、腓腹筋の速筋(速く縮む)と前脛骨筋の遅筋(長く硬くなる)が反応。
「生活スタイル」
座りすぎで血流が悪化し腓腹筋が、仕事で使いすぎて前脛骨筋が硬くなる。
速筋は疲れやすく、遅筋は負担がたまる。
「年齢」
加齢で速筋と遅筋が弱り、両筋が硬くなりやすい。
「栄養」
ミネラル不足が速筋(腓腹筋)と遅筋(前脛骨筋)の硬さを誘発。
病気・薬: 神経や血流の乱れが両筋の速筋・遅筋に影響。
腓腹筋は速筋(50~60%)で反応が強く、前脛骨筋は遅筋(60~70%)で負担に弱い。
この特性が、生活習慣や体の状態と重なり、一部の人でこむら返りが起きる理由です。
速筋は速く強い反応で、遅筋は長く持続する硬さが、
腓腹筋と前脛骨筋をこむら返りの主役にしているのです。



2章:筋肉以外の問題編
こむら返りは、ふくらはぎの腓腹筋やすねの前脛骨筋が
硬くなる症状として知られていますが、その背景には
筋肉そのものだけでなく、体の他の部分や外部要因が
影響を与えているケースがあります。
筋肉が直接の「現場」である一方で、神経、血流、ホルモン、内臓の状態、
生活習慣などが引き金や増幅要因となることがあります。
以下に、筋肉以外でこむら返りを引き起こす可能性のある原因を
具体的に見ていきましょう。

1. 神経系の異常(筋肉を動かす指令の乱れ)
こむら返りは筋肉が硬くなる現象ですが、その命令を出すのは神経です。
脳や脊髄、末梢神経に問題があると、筋肉に「縮め!」という信号が勝手に送られたり、
止まらなくなったりします。
筋肉自体は悪くないのに、神経が誤作動を起こすことで
こむら返りが発生することがあります。
例えば、ストレスや睡眠不足で神経が過敏になると、夜中に突然足が硬くなることがあります。
「具体的な仕組み」
神経系には、運動ニューロン(筋肉を動かす神経)が関わります。
通常、脳からの抑制信号(GABAなど)が興奮を抑えますが、
これが弱まると末梢神経が過剰に発火します。
特に睡眠中は、神経のバランスが崩れやすく、異常信号が筋肉に届き、
こむら返りを誘発します。
例えば、パーキンソン病や多発性硬化症では、神経の調整が乱れ、筋痙攣が頻発します。
「データ」
神経発火が安静時の10回/分から70回/分に跳ね上がる(Serra et al., 2017)。
「筋肉以外でなぜ起こる?」
筋肉が健康でも、神経系の異常(末梢神経過敏性や中枢神経障害)が原因で、
腓腹筋や前脛骨筋に誤った信号が送られ、硬くなることがあります。
「医学的根拠」
Serra et al. (2017, Clinical Neurophysiology):
末梢神経過敏性がこむら返りの原因となり、筋肉自体の問題でないケースを報告。
Miller & Layzer (2005, Muscle & Nerve):
神経系の自発発火が筋肉を硬くする主因。
Hawke et al. (2013, Clinical Neurophysiology):
神経障害がなくても、10%の人が過敏性を持ち、こむら返りが発生。


2. 血管系の異常(血流や酸素供給の問題)
筋肉が働くには、血液が酸素や栄養を運ぶ必要があります。
でも、血管に問題があると、筋肉に十分な血が届かず、硬くなりやすくなります。
例えば、足の血管が狭くなったり、血流が滞ったりすると、
こむら返りが起きることがあります。
筋肉は悪くないのに、血液の流れが原因で硬くなるのです。
「具体的な仕組み」
下肢の血流が減少すると、筋肉への酸素供給が不足し、
エネルギー(ATP)が作れなくなります。
ATPがないと、筋肉が縮んだ後に緩むプロセスが止まり、
こむら返りが持続します。
末梢動脈疾患(PAD)や静脈瘤がある人は、血流が悪化しやすく、
特に夜間に症状が出やすいです。睡眠中は心拍数が下がり、
血流がさらに減るため、この影響が顕著になります。
「データ」
血流が50%減ると、筋酸素飽和度が20~25%低下(Schwellnus et al., 2008)。
「筋肉以外でなぜ起こる?」
筋肉自体に問題がなくても、血管の狭窄や血流障害が原因で、
腓腹筋や前脛骨筋が酸素不足になり、硬くなることがあります。
「医学的根拠」
Schwellnus et al. (2008, British Journal of Sports Medicine):
血流低下がこむら返りの持続性を高める。
Rijkhoff et al. (1997, Neurology): 血管障害が下肢痙攣の誘因となり、筋肉以外が関与。
Mense & Simons (2001, Muscle Pain): 血流不足が筋肉の硬さを15~20%増やす。


3. ホルモンや代謝の乱れ(体のバランスの問題)
体の中のホルモンや代謝が乱れると、筋肉が硬くなりやすくなります。
例えば、夜にホルモンが減ったり、汗でミネラルが失われたりすると、
神経や筋肉が過敏に。これがこむら返りを引き起こすことがあります。
筋肉そのものではなく、体全体のバランスが原因です。
「具体的な仕組み」
夜間はコルチゾールやアルドステロン(水分やミネラルを調整するホルモン)が減少し、
ナトリウム(Na⁺)やカリウム(K⁺)のバランスが崩れます。
これが神経の興奮性を高め、筋肉に誤った信号を送ります。
また、甲状腺機能低下症では代謝が落ち、神経と筋肉の調整が乱れ、こむら返りが頻発します。
「データ」
コルチゾールが夜に50%減少し、ミネラル調整が10%弱まる(Adam et al., 2001)。
「筋肉以外でなぜ起こる?」
筋肉が正常でも、ホルモンの変動や代謝異常が神経を過敏にし、
腓腹筋や前脛骨筋にこむら返りを誘発します。
「医学的根拠」
Adam et al. (2001, Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism):
ホルモンの夜間低下が筋肉に影響。
Butler et al. (2004, Sleep): 夜の代謝変化がこむら返りと一致。
Garrison et al. (2012, American Family Physician): ミネラルバランスの乱れが筋肉以外から影響。


4. 内臓疾患(筋肉に間接的な影響)
意外かもしれませんが、腎臓や肝臓の病気があると、
こむら返りが起きやすくなることがあります。
これらの臓器がうまく働かないと、体内の水分やミネラルが乱れ、
筋肉が硬くなりやすくなるのです。筋肉ではなく、内臓が原因で起こるケースです。
「具体的な仕組み」
腎不全では、カリウムやマグネシウムが過剰または不足し、神経の興奮性が変化。
肝硬変では、血液中の毒素がたまり、神経系に影響を与えます。
これが間接的に筋肉に異常信号を送り、こむら返りを引き起こします。
特に下肢は遠位部で影響を受けやすく、腓腹筋や前脛骨筋に症状が集中します。
「データ」
腎不全患者の40%がこむra返りを経験(Levin et al., 2018)。
「筋肉以外でなぜ起こる?」
筋肉に問題がなくても、内臓疾患が体内のバランスを崩し、
神経や血流を通じてこむら返りを誘発します。
「医学的根拠」
Levin et al. (2018, Neurology): 内臓疾患がこむら返りリスクを2.3倍に。
Misra et al. (2008, European Journal of Clinical Nutrition): 代謝異常が筋症状を増やす。
Katzberg et al. (2010, Neurology): 全身状態が筋肉に影響。


5. 生活環境や外部要因(筋肉を超えた影響)
寒い部屋で寝たり、ストレスが多かったりすると、こむら返りが起きやすくなることがあります。
これは、筋肉ではなく、環境や心の状態が神経や血流に影響を与えるからです。
例えば、冷えると足が硬くなりやすいですよね。
「具体的な仕組み」
低温は血管を収縮させ、血流を減らします。これが筋肉への酸素供給を低下させ、
こむら返りを誘発。ストレスは交感神経を過剰に刺激し、神経の興奮性を高めます。
睡眠不足も同様で、神経の抑制が弱まり、筋肉に誤信号が送られやすくなります。
「データ」
低温で血流が20~30%減少し、こむら返りリスクが上昇(Rijkhoff et al., 1997)。
「筋肉以外でなぜ起こる?」
筋肉自体に問題がなくても、外部環境や精神的な要因が神経系や血流を介して、
腓腹筋や前脛骨筋にこむら返りを引き起こします。
「医学的根拠」
Rijkhoff et al. (1997, Neurology): 低温が血流を悪化させ、こむら返りを誘発。
Butler et al. (2004, Sleep): 睡眠環境が神経に影響。
Serra et al. (2017): ストレスが神経過敏性を高める。


まとめ:筋肉以外での原因
こむら返りは筋肉が硬くなる症状ですが、筋肉以外にも多くの原因があります:
神経系: 筋肉への誤信号がこむら返りを誘発(Serra et al., 2017)。
血管系: 血流不足が筋肉を硬くする(Schwellnus et al., 2008)。
ホルモン: 代謝の乱れが神経を過敏に(Adam et al., 2001)。
内臓疾患: 体のバランス崩れが影響(Levin et al., 2018)。
生活環境: 外部要因が神経や血流に作用(Rijkhoff et al., 1997)。
これらが腓腹筋や前脛骨筋に集中するのは、下肢が神経や血流の影響を受けやすい遠位部であり、
日常生活でよく使う筋肉だからです。
筋肉だけが原因ではなく、全身や環境が絡む複雑な現象なのです。

これらが現時点でわかっている「こむら返り」が起きてしまうメカニズムです。
「こむら返り」は単一の条件で起きているのではなく、上記で説明してきた項目が
複合的に重なり合い、症状として発動してきます。
ぜひ、覚えておいてくださいね!
次回のコラムでは、この「こむら返り」に効果的なセルフエクササイズについて
解説していこうと思いますので、楽しみにしておいてくださいね(๑•̀ㅁ•́๑)✧
それではまた、次回のコラムでお会いしましょう(*^^*)

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